1話.Bad Ending
「はぁ…」大きくため息をつく
聞こえるのは、PCの駆動音のみで、まるで世界に自分一人しかいないのではないかと思うほど、周囲は静寂に満たされていた。
時刻を確認すると、すでに4時を過ぎており、少し肌寒い
設計の仕事をしていて、試作品を製作したが問題発生、あーでもないこーでもないやっていたらこの時間帯になっていた。
「休憩するか…」湯を沸かしインスタントコーヒーを飲もうとしたが、いつもはあるはずのコーヒー瓶がみあたらない。
いつの間にか全部使ってしまったらしい。
仕方なくコートを羽織り、コンビニへ行くことにした。
外は相変わらず気温が低く、たまらずくしゃみをする。
コートのポケットから車の鍵を取り出し、開錠音を確認し車に乗り込む。
近所迷惑さながらの豪快なエンジン音が鳴り響き、心の中で謝罪してから、アクセルを踏む。
「今日はやけにトラック多いなぁ」と呟きつつ、安全運転で走行。
コンビニにつくとおばちゃん店員が一人だけレジに立っていた。「いらっしゃいませー」夜中でも元気に対応してくれた。
さっさとコーヒー瓶とついでにエナジードリンクをかごにいれレジに向かう。
支払いを済ませ、そそくさとその場を去る。後ろから「ありがとうございました」と声が聞こえた。
車に乗り込み、エンジンをかけようとしたところ、バックミラーに大型のトラックが映った。
トラックは、徐々にスピードをあげ、こちらへ向かってくる。
流石にやばいと感じ、車から出る。
直後、今の今まで乗っていた車が衝突音とともに数メートル先まで吹っ飛ばされた。
安心したのもつかの間、もう一台トラックが向かってきていて、気づいた時に1メートルまで接近していた。
「殺意高すぎだろ…GG」それが俺の最後の言葉となった。
衝突と同時に視界がブラックアウトした。