弱者の考え方
「思いつくと言うより組み合わせたの方があってますけどね。」
「どう言う事?」
これには佳歩だけでなく龍一と華那も食いついてきた。
「例えば人数が不利の場合普通はどうしますか?」
すると佳歩、華那、龍一の順番に
「自分の有利な場所に引き込む」
「罠を仕掛けたり数の利を活かせないようにする。」
「突っ込む」
最後の以外は上出来だな思い話の続きをする。
「そうです。大体桜木さんと中野さんの考えた通りそう行き着くと思います。ならそれを組み合わせればもっと有利になると思いませんか?」
「確かにそれが本当に可能なら本当に有利になるわね。けど普通は無理でしょ?」
「俺の作戦はスルーなのか」
そう華那が聞き返してくる。しかしそこで佳歩が訂正する。龍一は無視された。しょんぼりもしているが誰も気にされない龍一だった。
「いや出来るよ。だってさっきの模擬戦の時やったじゃん」
そこ思い出したのか「あ、そうだった」と頷いていた。
「けどそれがどうしたの?結局普通には出来ないんだから無理でしょ?」
「確かに中野さんが言う普通なら出来ないでしょうね。ですけどそれは中野さんの主観ではありません。」
智也がそう言うとみんな頭に?マークを付けていた。
「魔石に魔法陣を組み込むのはエンチャント武器やデバイスに魔法陣を組み込む人からしたら普通ですよね?」
「そりゃな。それが出来なきゃ仕事にならないだろうさ。」
龍一が答える。どうやらしっかりと聞いていたようだ。
「けどそれが何だって言うの?」
「だったら何故魔石に魔法陣を組み込むのはバトルでは普通じゃないんですか?」
智也がその質問をした時ほとんどの人はにハッとなったが、佳歩だけは違ったようだ。
「そうか、魔石に魔法陣を組み込む事を最初から普通に考えられていればそれが普通になる。そしたら戦術が大幅に変わる。」
「どう言う事?」
華那が不思議そうに尋ねる。
「私達は魔石を使って魔法を使えるのを知ってるよね」
「それはそうでしょ。模擬戦さっきやったばっかなりなのよ。それぐらいは理解できてるよ。」
「そう言う意味じゃなくて私達はそれ以前に魔石を媒介にして魔法を使ったじゃん、一番最初魔法を教わった時」
「あーあの時、確かに魔石を媒介にして魔法を使ったわね」
他の人も経験があるのか頷いている。
「けどそれは魔石を使う人にとっては普通だったって事。じゃなきゃデバイスで魔法を使えるようになんて出来ないから。」
「確かにそうね。けどそれがどうしたの?」
「それを知っていれば魔石を使う人たちはもし戦う時魔石を使おうとするはずよね」
「それしか知らないとね。」
「そうそれが当たり前なの。けど私達は魔法を詠唱か魔法陣を書いて使おうとするよね。」
「そうだね。魔法を使うときは、そうしろって習ったもんね。」
そこまで言って華那は気づいたようだ。今の2つでは決定的に戦い方が変わってくる事に気付いたのだろう。
普通、詠唱や魔法陣を駆使して戦う場合基本的には、詠唱魔法の範囲攻撃や魔法陣を構築して大規模魔術を使って殲滅するのが基本となってくる。 (魔法陣を地面に書いて使おうとするのは時間がかかりあまり使われていない)
しかし魔石を使って戦おうとすると基本的には設置したりしそこを起点にして発動するか、書き写して発動するか、武器に特殊なエンチャントをして強化する方法がある。つまり魔法の場所まで誘い込んむか、武器にエンチャントして使うことになる。
しかしこれらを合わせるとより豊富な戦術が可能となるのだ。その1つがさっき智也が模擬戦でした作戦だった。これを佳歩は瞬時に理解したのだった。
他のみんなも理解が出来たのか驚きを隠せていなかった。
「なるほどね。確かに作戦の幅が広がるな。」
「そうねーものすごく増えるわ。」
龍一のつぶやきに華那が答える。
「でもまあやっぱりあそこまでの作戦は思いつかないだけどね」
「なんで?」
佳歩のつぶやきに祐美が質問する。今の話を理解したならできると思ったのだろう。
「だって私達は知識が足りてないもの。例えば魔石に魔法陣を組み込むのは考えれたとしても、そこからどう発動するかが思いつかないもの。」
「地面に書き写して使えば良いんじゃないんですか?」
佳歩の説明に幸香が質問する。ただここで気づいた人も何人かいたようだ。
「単純にそこまで思いつかないのよ。今ではそうすることもできるって知っているけど知る前だったら出来る自信が無いわね。」
「そうだね。多分無理だわ」
それに華那が頷く。
「どうやったらそこまで考えつくの?」
未来が質問してくる。俺は簡単に
「好奇心ですね。これはこうしたらどうなるのか。とかを追い求めたら結果的に覚えていきますよ。あとはここの結果がこうなってほしい、と結果をどうやったら変えられるかとかを考えたら自然に身についていきますね。」
「へーなるほどね。ありがとう。参考になった。」
華那が御礼を言ってくる。佳歩や龍一も頭を下げていた。
「いやいやそんな大げさな事じゃありませんよ。頭をあげて下さい。」
流石に頭を下げられるとは思っていなかったのでびっくりしてしまう智也だった。
そんなことを話していると扉が開いて会長が入ってきた。
「皆さん早く集まって下さい皆さん待ってますよ。」
「あれ?集合だけでするか言ってなかったような?」
会長の言葉に奈々子が質問する。するとみんなは頷いているのだが気にした様子もなく会長さんは
「ええ言ってませんよ。と言うか集合場所くらい自分達で考えて行動して下さい。今回はあまりに遅かったので迎えに来ました。」
「そりゃあんまりだろう。」
龍一さんが言い返すと会長さんは泣きそうな声で涙目になって
「私も悪いと思ったんです。だらか呼びに来たんですよ。」
うんあざとい。こんなかあざければ大丈夫だろう。そう思って龍一を見ると
「あ、はいそうですね」
かる!てかそれでいいのか。まじよ。
他のみんなも微妙な表情になり言い返す気力もないのかぞろぞろと歩いて集合場所に行くのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
短くてすいません。きりが良かったのでここで終わりたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回は未定です多分一週間以内には出ます