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裏切り者の劣等者  作者: Tok
第一章
6/9

模擬戦

「そう言えば聞いた?今日から練習の仕方が変わること」


 食事も終わり話をしているとそんなことを聞かられた。


「いえ聞いていませんよ。そもそもどんなメニューだったかも知りませんし。」


「あ、そっか。えーと今日から基礎訓練と実技訓練に部隊で別れるみたいなんだけどどっちがいい?」


 お、本当に分けることにしたんだな。まああの時は部隊ごとじゃなかったけど、その方がいいだろうな。


「どっちでも構いませんよ。」

「じゃあ基礎訓練でいい?」

「はい。大丈夫です」


 別にどっちでもいいのでそう答えるとどうやら基礎訓練になるようだった。


「にしても基礎練なんて久しぶりね」


 懐かしむように華那が言う


「やったことあるんですか?」


 智也が疑問に思い聞いてみる。確か基礎練をやってるところなんてそんなになかったはずだからだ。


「ああ、あるぜ。昔、といっても1ヶ月ぐらい前まで高塚さんに教えてもらってる時やってたんだ。それから全くやってなかったけどな。」


 龍一が得意そうな表情で答える。


「高塚さんって赤塚門のところですか?」


 高塚って言ったらすごい魔攻師をたくさん出してるところじゃないか。


「そうよ。智貴がいなくなったから聡美(さとみ)さんに頼んで紹介してもらって、4ヶ月くらい教えてもらってたの。強くなるためにね」


 佳歩も懐かしむように話してくれる。


「あーそう言うことですか。なるほど」


 確かにあの人なら高塚さんと仲も良かったしできるだろうな。


「でも智也くん嫌がらないんだね。そんな人初めてみたよ。」


 佳歩が珍しそうに聞いてくる。確かに今の時代基礎練よりも戦術の方が優先されてるもんな。知ってる方が不思議か。


 俺はそう思いながら口を開く。


「強くなるためにどうしたらいいか色々と調べましたからね。その時に大切だと知りました。」


 佳歩が感心したように頷く。そこに華那の質問が入る。


「なるほどね。なら今もやってるの?」

「はいやってますよ。継続が大切だと書いてありましたから。」


 そう基礎練は継続が大切なのだ。継続しないと効果が薄い上に体力もあまり付かない。効率が悪いのだ。


「智也の師匠って誰なんだ?すごく気になるんだが」


 龍一がそんな質問をしてくる。確かに基礎練をするとかなんて少ないからな。


 ただ俺にはちょっと問題がある。それは


「いませんよ。俺本当に弱いんでどこも受け入れてもらえませんでしたからね。」


 智也はさらりとそんなことを言った。3人は当然驚いている。当然智也には師匠がいると思っていたのだ。


 いない事は別にいいのだ。この学園にもいない人は沢山いる。しかし、追い出されたとなるなら話は別だ。それはそれだけ弱いとで、本来ならばここにはいられない。


 やっぱり言ったのは失敗だったかなーなどと思っていた智也だった。まあ等の本人はその状況を楽しんでいるみたいだが。その辺りは置いておこう。


「ご、ごめんなさい。変なこと聞いてしまって。ほら龍一くんも!」


 佳歩が謝ってくる。龍一も佳歩に言われて我を思い出しいたのか謝ってくる。


「すまない。まさかいないとは思わなかったんだ。本当にすまない。」

「別に気にさないでください。俺が、弱かったのが原因ですから。」


 智也がそんなに気にしていない様子で言うと、龍一は達はそれを悟ったのか安堵していた。


「ねぇ。そろそろ訓練所行かない?実技練習したいんだけど。」


 中野が時計を見ながらそういうと、佳歩たちも時計を見て


「そうね。基礎練習しかしないならちょっとは実技練習したいしね。行こっか。」

「それに次の授業遅れると怖いからな」


 佳歩が賛成して、龍一が冗談ぽく言う。けど若干怖がっている。それに2人も頷いている。次の先生はどうやら怖いらしいと思う智也だった。




 智也たちが訓練所に着くとそこにはすでにきている人たちがいた。ちょうど華那と龍一の部隊みたいだ。


 まだ始まるまでにまだ30分ぐらいもあるのに熱心なことだ。まあそれは智也たちも同じなのだが。


「ゆみちゃん達早いわね。何してるの?」


 華那がパーティーメンバーに話しかけるとあっちも気づいたみたいで練習をやめて近づいてくる。


「今日実技じゃなくて基礎練の方行くって言ってたじゃないですか?だから少しでも練習しておきたくて」


「なるほどね。それならわたしも誘ってくれれば良いのに。」


 どうやら誘ってくれなかったことに少し拗ねているみたいだ。その横では笑いをこらえるのに必死な佳歩と龍一がいた。それに華那が反応して言い争いを始めてしまった。けれど以外に華那は楽しそうだった。


「それで智也さん、華那さん達はどうして来たんですか?」


 争っているのを無視して幸香が聞いてくる。これもいつものことなのかな?と思いながら智也答える


「鈴木さん達と同じで、俺たちも技術練習しに来たんですよ。」


 その言葉で佳歩達も反応して言い争いをやめて話に入ってくる。


「ななあそれなんだけど模擬戦しない?俺たち4人と後はゆみちゃんチームと寺本チームとでバトルロイヤル。なんてどうだ?」


 龍一がそんなことを言ってきた。みんなもそれに賛成らしく五分後に始まることになった。


「智也くん模擬戦のルール知ってる?」


 佳歩が聞いてきてくれる。確認のためだろう。


「はい知ってますよ。基本的には相手のバッチを壊すことで勝利になるんですよね?」

「そうよ。けど今回はチーム戦だからリーダーの方バッチを壊したらそこでチームは負けね。それと相手に回復できないようなダメージや殺すことはダメだからね。」


 智也が答えるとさらに詳しく教えてくれた。


 それから作戦会議をしたのちに開始となった。


 ちなみに寺本さんのチーム編成はこうだ。

 副リーダーで前衛アタッカーの寺本(てらもと)祐樹(ゆうき)

 前衛 攻撃役(アタッカー)児玉(こだま) みく

 前衛 盾役(タンク)小野寺(このでら) 永介(えいすけ)

 前衛  CCグラウンドコントローラー長野(ながの) 和史(かずし)

 後衛 被物理攻撃役伊藤(いとう) 未来(みらい)

 後衛 回復担当半田(はんだ) 奈々子(ななこ)

 佐伯さんのチームは前の時から華那が抜けただけだ。



「それじゃ始めましょうか。」


 佳歩がバトルモードにセットする。するとカウントダウンが始まった。


 スリー、ツー、ワン、バトルスタート。


 機械音声がスタートを開始した直後に佐伯さんと寺本さんがこちらに向かってくる。


「させないよ!」


 そう言って佳歩が銃で牽制する。止まったところに智也が突っ込んで行く。そこに智也と寺本さんめがけて、後衛の藤堂さんと世良さんが略式詠唱のファイャーアローで攻撃してくる。


「「炎よ穿て」」


 それを智也の方だけ華那が風邪魔法強風を使い智也を守っただけでなく寺本さんに攻撃を流す。


「風よ・舞え」


 寺本さんはギリギリ攻撃をかわせたようだが体制を崩してしまったようだ。そこに智也が剣を振りかぶり相手を切ろうとする。しかし当たる直前でソードブードの刃が()()()()()()()


 智也はそれがわかって以下のように思いっきり後ろに下がった。相手は当然意表をつかれる。そこに龍一の水魔法ウォーター・カッターが追撃する。


「水よ,切れ」


 しかしそうはさせないとばかりに伊藤さんか風魔法ウインド・ウォールを作る。


「集まれ」


 即席だったが無事に守りきり寺本さんは後ろに交代する。齋藤さんは小野寺さんと長野さんと戦っていたが3人とも後ろに戻る。これでほぼ最初の位置に戻る。仕切り直しだ。


 最初に動いたのは佐伯さんのチームだった。


 世良さんと藤堂さんがこちらに火魔法ファイャーアローで攻撃してくる。一緒に佐伯さんと齋藤さんと幸香が突っ込んでくる。


「「炎よ穿て」」


 どうやら先に俺たちを潰すつもりみたいだ。少し遅れて合わせて寺本さん達も突っ込んでくる。漁夫の利を狙うみたいだ。


 そこに桜木チームが全員剣に変えて散開する。それに合わせて華那が土属性のエリア魔法を発動する。


「エリア・インビジブル」


 この魔法はエリアを決めて地形を変更させる魔法で、フィールドを変更するには魔法陣が必要になる。基本的にはエリアの大きさで決まる。ここのぐらいの大きさなら大体6個の魔法陣が必要だ。さっきから華那は気配を消してこの準備をしていたのだ。


 そして本来変更したフィールドの地形は変えた本人にしか分からないがこれには裏技がある。魔法陣に手を加えると、ある程度変えることができるのだ。そして、どう書き換えればどうなるかを全て把握していれば自分で地形を作ることも可能になる。今回作ったのは迷路型のエリアだ。


 当然2つのチームはどんな迷路になっているかもわからないし、狭いので魔法などの遠距離武器があまり役に立たない。智也のチームは人数の差をフィールドで埋めてきたのである。



 ゆみチーム


「ゆみちゃんこれからどうする?」


 菜月が質問する。ゆみは少し考えた後


「全員で行動しましょうか。別れると戦力が低下しちゃうし。」


 そう言って陣形を組み移動し始める。その時突如上から攻撃が降ってくる。


「これは設置型の攻撃魔法!!いつ設置したの!」


 戦闘中全体を見ていた美雨が声を上げる。これも華那が気配を消して設置した火属性のファイアショットである。


 幸香が前に出てみんなを守り愛理が光属性のシールドを()()()で展開してダメージを軽減する。


 そこに人影が姿を見せていることに周囲を警戒していた亜美が気づく。人影も見られたことに気づいたのか逃げていく。それを亜美が追撃する。


「待てー」

「ちょっと待って亜美」


 それを急いで祐美達が追いかける。しかし亜美が角を曲がった時、華那が待ち伏せしていた。そしてすれ違いざま剣で、バッチを破壊した。


 “斎藤 亜美、戦闘不能“


 機械音声が亜美の戦闘不能を告げてくる。


 そこに祐美達が追いついてくる。しかし、さらなる設置型攻撃魔法ライトニングが発動し麻痺してしまう。


 ライトニングは範囲攻撃魔法で、攻撃魔法としては弱いものの麻痺する可能性が非常に高い。そして今回前衛組がまとめて麻痺してしまった。


 そのチャンスを華那が見逃すバズもなく祐美のバッチを切り落とす。


 “佐伯 祐美、戦闘不能。リーダーがやられた為、佐伯チームは敗北となります。”


 機械音声が祐美チームの敗北を告げる。それを聞いて華那はホッとため息をこぼすのだった。




 その頃祐樹のチームは2人一組で行動していた。そこにゆみチームの敗北が伝わってくる。


「え、ゆみちゃんのチームやられたの」


 驚愕の声を漏らしたのは児玉 みくだった。一緒にいた未来も驚いている。そこにファイャ・ショットが炸裂する。びっくりしていた隙を狙われたみたいだ。


 2人ともびっくりはしたがしっかりとかわせたようだ。しかしそこにさらに、ファイャーアローがある飛んでくる。


 この攻撃はかわせそうになかったのか未来がシールドを張って耐えようとする。光属性の単純なシールド、光の壁だ。


「光よ集まれ」


 しかしファイャーアローが当たる寸前で爆発して煙を撒き散らす。そこに智也が突っこんでいく剣で攻撃する。しかし、みくが剣でガードし小競り合いになる。みくは女性なので智也に力で負けている。本当は一度後ろに下がりたかったのだろうが後ろに未来がいるためこうするしかなかったのだ。


「未来ちゃん援護!」

「出来ない、このままするとみくちゃんに当たっちゃう」


 援護が来ないことに疑問を思いつつみくが叫ぶとそんな答えが帰ってきた。横が狭いため未来の援護もみくにあたってしまうため出来ないのだ。うまくフィールド使いこなしている。


 このままいけば押し切られ、やられると思っていたが突如智也の剣のブレードの刃が消えてしまった。そのままみくの剣が智也にあたりそうになるが、みくが停めてしまう。びっくりして止めてしまったのだ。そのすきを見逃さず智也は銃を取り出し2発発砲する。一つは吸い込まれていくようにバッチにあたり壊れてみくは戦闘不能になったしまった。もう一つは未来に飛んでいき壁に当たる。そこからひびが入り未来のほうに落ちていく。すかさず横によけるが其処には既に智也が待ち受けており剣でバッチを破壊されてしまった。


 ”児玉みく、伊藤未来、戦闘不能”


 すぐに智也が移動しようとするとまたしても機械音が鳴り響いた。


 ”寺本祐樹、戦闘不能。リーダーがやられた為、寺本チームは敗北となります。よって勝者桜木チーム”


 こうしてバトルは佳歩のチームの勝利で終わっていった。

今回も読んでいただきありがとうございます

所々間違っている部分や分がおかしいところがあると思いますが教えていただけると嬉しいです

次回は七月27日の予定です

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