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裏切り者の劣等者  作者: Tok
第一章
4/9

裏切り者(後編)

裏切り者の智也を知っているところから話が始まります。

 桜木さんが自分たちと彼のことを話し始める。


「わたし達はここの世界とは別の世界からきた異世界人なのよ。そして彼松本智也君もそうだわ。」


 桜木さんが話し中野さんもいいと思ったのか一緒に語ってくれる。


「丁度半年ぐらい前に、わたし達は智也に無理矢理ここの世界に連れてこられた。」


「最初わたし達がここの世界に来た時偶然だと思っていたわ。だってわたし達近くにいて一斉に転移させられた訳でもなく、接点のない人たちまで一斉にここの世界に連れてこられたのよ。」

「てことはもともと桜木さん達は知り合いではなかったんですか?」


 俺が疑問に思い聞くと黙っていた桜川さんが


「いや俺らは知り合いだったぜ。智也ともな。

 てかほとんどのやつは知り合いだったぜ。なにせクラスの半分以上がこの世界に来たんだからな。」

「そんなにも多かったんですか?一体何人ぐらいの人がこの世界に?」


 俺がさらに質問すると桜木さんが答えてくれた。


「だいたい60人ぐらいかな?大人も含めてね。」

「そんなにも多いんですか?一体どうしたらそんなことに?」

「智也のせいよ」


 俺がまたしても質問すると中野さんがポツリと呟いた。俺が首をかしげると桜木さんが付け足してくれた。


「わたし達がこの世界に来たのは私たちの世界にあるはずのないアーティファクトのせいでそれを何故か智也が持っていたよ。」

「アーティファクトがない世界?」


 俺が疑問に思い首をかしげると


「そうよ。私たちの世界にはアーティファクトがない、と言うか魔法そのものが無いのよ。」

「よくそんな世界で生きていけましたね?」

 

俺がそんなことを言うとなにを言っているのかな?と言うふうに首を傾げていたが、桜川さんがどうして俺がこんな質問したのかわかったようで


「俺たちの世界には魔物や魔族なんていなかったんだ。」


 それを桜川さんが言うと2人も分かったのかうんうんどう頷いている。


「へーそんな世界があるんですね。初めて知りました。それであそこまで戦えるんですね。」


 俺がそう言うと中野さんが自慢げに


「半年間死に物狂いで頑張ったからね」


 と言ってきたのだった。


 俺はふとなんの話だっけ?と思いだいぶ話がそれてきたので話を戻すことにした。


 話逸らしたの俺だけどね。

「どうして智也はアーティファクトを持っていたんですか?」


 俺が質問すると桜木さんが


「分からないわ。分かっているのはそのアーティファクトがすごく強力なものでその力に気づいた智也がそれを使ってこの世界に来たとしか分からないわ。でも最初わたし達は智也に無理矢理連れてこられたことを知らなかった。」

「最初にそんなこと言ってましたね。どうして分かったんですか?」


 続けての質問にまたしても桜木さんが


「わたし達は今でもそうだけど7代魔攻師(ななだいまこうし)にお世話になっているの。最初その人達もここの世界に来た原因も誰がこの世界に連れて来たのかも分かっていなかったみたい。

 だけどわたし達が来て一ヶ月が立った頃襲撃があったの。一応戦う練習はしてたんだけどボコボコにやられたわ。みんなもどんどん気を失っていくし最終的に残ったのは私たち3人だけね。

 私たちがギリギリ耐えていると7代魔攻師達が助けに来てくれた。わたし達は死人こそ出なかったけどボコボコにやられたわ。

 けどその3日後丁度わたし達がこの世界に来て1ヶ月が立った時本格的に7代魔攻師とわたし達を襲撃したもの達、つまり魔族達と戦争に入った。

 その時に伝えられたのが智也に命令させられて、わたし達を襲ったみたいだって、と言うことを教えてもらったわ。

 それを知った時わたし達はすぐに智也の場所まで行って理由を聞こうとして聞けなかった。

 智也が出て行こうとする寸前でこう言ったからよ、

「お前達が俺を無能とか最弱といったのが始まりで俺をいじめたのが悪い。その復讐だ。俺よりも強いならなんとかなるだろ。劣等生の俺でもなんとかなったんだ。なら大丈夫だろう。

 あと俺たちがこの世界に来たのは偶然でも神に選ばれたわけでも無いぞ。俺が連れて来たんだからな。」

 そう言って彼は姿を消したわ。そのあと7代魔攻師に全てを伝えて調査を依頼したわ。

 丁度2週間ぐらい経った後連絡が届いた。その結果が智也がアーティファクトを使って連れてきた、と言うことだったわ。」


 そう長々と語ってくれたのだった。


「なるほど。そう言う経緯でこの世界に来たのですね。それでもよくここまで強くなれましたね。俺なら絶対諦めて引きこもってましたよ。」


 俺がそう言うと中野さんが苦笑い気味に


「もちろん諦めた人もいる。けどわたし達がここまで頑張れたのは元々の力がすごかったてのもあるわ。」


「元々の力がすごいですか?」


 その疑問に桜川さんが答えてくれる。ステースプレートを見せてくれたのだ。



 名前 桜川 龍一

 Lv24 HP19,523/19,523

 ステータス

 魔法発動速度:3,740

 魔力量:2,500

 魔法強度:2,800

 魔力操作:3,750

 筋力:1,023

 体力:600

 敏捷:860

 耐性:1,530

 スキル




 その後桜木さんと中野さんも見せてくれる



 名前 桜木 佳歩

 Lv24 HP18,732/18,732

 ステータス

 魔法発動速度:4,950

 魔力量:3,780

 魔法強度:3,690

 魔力操作:4,670

 筋力:945

 体力:548

 敏捷:890

 耐性:2,130

 スキル




 名前 中野 華那

 Lv24 HP15,398/15,398

 ステータス

 魔法発動速度:4,390

 魔力量:4,560

 魔法強度:3,980

 魔力操作:4,530

 筋力:830

 体力:480

 敏捷:760

 耐性:1,730

 スキル



 となっていた。スキルは隠していた。上位になるとステータスプレートに出るのは自分の意志によって非表示にできるのだ。ただファクトプレートみたいに表示を変えたりすることはできない。


「皆さんステータスがレベル30の人の上に行ってますね。これか元々のすごい力のおかげでこうなっているんですか?」


 俺が聞くと中野さんが


「ええそうよ。ただ不思議な点があってみんなのレベルが最初からバラバラだったのよ。そしてステータスは智也だけがここの人たちと一緒か下ばかりだったわ。」

「だけど魔力量だけは異常じゃなかったけ?」


 桜木さんがそう質問すると桜川さんが


「ああ確かそうだな。だけどステータスが低いせいでいじめられてたもんな。だからみんな最弱とか無能とか言われてたんだからな。」


 なるほどそれでそう呼ばれていたのか。だけど次の言葉には驚いた。


「まあステータスが弱いだけで初級クラスの魔法で上位魔物を倒すし、殺し合いだって多分わたし達は勝てないけどね。」

「そんなことを中野さんが言ってきた。」


 いやいやそれはおかしいでしょう。


 桜木さんも続けて


「だからわたし達は彼を劣等生と呼ぶことにしたわ。みんなね。」


 どうして劣等生なのだろうか?絶対劣等生じゃないよねそこまで強ければ。そう思いながら質問すると


「え、どうしてですか?ステータスは最弱といってもいいんですよね?それで上位魔物を倒すってやばくないですか?しかも殺し合いで負けるって、そこまで言ったら劣等生じゃないと思うんですけど。」


「うんそうだね。けど彼はステータスが弱いだけでめちゃくちゃ強かったのよ。実際わね。練習とかでは出してなかったみたいでみんな知らないけどね。それでみんなにステータスが弱いだけだよって伝えるために劣等生と読んでるだけなんだけどね。みんな気づかないと思うけどね」


 そう答えが帰ってきた。


 うん絶対に気づかないな。


「どうしてそんなに強いことを知ってるんですか?」


 俺が質問する。どうしてそこまで知っていて劣等生と呼ぶのか気になったからだ。


 それに桜木さんが答えようとしてくれた。


「それはね」


 だけどそれは中野さんに遮られだ。


「ちょっと待ってそれ以上は」


 さらにそれに重なるようにして桜木さんが


「ここまで話したら話すしかないよかなちゃん。止めるのを忘れていた私たちも悪いし。それと智貴くんこの件は絶対に他の人に言わないでね。」


 そんなに知られたくないのか?てか人に言わないでくれって今更だな


「はいわかりました。他言しません。もとよりそのつもりですけど無理に話さなくていいですよ。」


 俺がそう言うと桜木さんが首を横に振りって


「適当なところで止めるよりも話しちゃった方が私たちもスッキリするしね。」

「俺もいいと思うぜ。ここまで話したんだあんま変わらねえよ多分だけど。」


 ここまで静観していた桜川さんも賛成のようだ。あとは中野さんだけだが


「まあ2人がいいって言うなら。」


 これで3人の意見が揃ったことになる。そこで桜木さんが話し始める。


「まあそんな難しい話じゃないんだけどね。さっきの話の時この世界に来て1ヶ月経った頃に襲撃があったって言いましたよね。」

「言ってましたね。3人がギリギリ耐えて7代魔攻師が間に合って助かったとも。」


 俺がそう答えると頷きながら


「そうよ。でも真実は違うはみんなは気を失っていたから私たち3人が耐えたと思っていたみたいだけどそれは違うのよ。私たちも力尽きて倒れたわ。だけどそこを智也が助けてくれたの。」

「智也ってあの智也ですか?」


 俺はびっくりして質問すると中野さんが短く


「そうよ」


 と答えた。そこに桜木さんが


「圧倒的で魔物達は全く歯が立たなかったわ。だから7代魔攻師がきた時には戦闘は終わってた。けど表向きには智也はきておらず私たち3人が耐え切ってみんなを助けたってことにしたわ。

 本当は言うつもりだったんだけど7代魔攻師に止められてね。」


 そう話してくれた。


「確かにその方がいいですね。余計な混乱を産まなくてすみますし。そういえばさっき中野さんが嫌そうな顔で智也と言ってましたけど今の話では恨む理由わあまりないのでは?」


 俺がそう質問すると中野さんが


「仲の良かった私たちになんの言葉もなく勝手に消えて言ったのが気に入らないのよ。それが気に入らないの。」


 大事なことなので二回言ったな。まあそこまで思っていたってことだろうな。


 そこには頷いている他の2人もいた。


 「キーコーカーコーン」


 なぜかそこにチャイムが鳴った。


 俺が不思議に思い時間を見ると11時と示していると時計があった。3限目が始まる時間だ。


 俺たちは顔合わせ急いで片付け教室に急ぐのだった。



「遅い。何をしていたの?」


 3限目はデバイス (武器の事)調整技術でチャイムが鳴ってから走ったため間に合うはずもなく、遅れて入って先生からかけられたのがこの言葉だった。


「智貴君の学校案内していました。遅れてすいません。」

「そうですか。それなら今回は良しとします。今回だけですよ。」


 桜木さんが遅れた理由を説明すると何とか許しをもらえた。


「はい。ありがとうございます。」


 俺たちはお礼を言い空いている席に向かう。どうやら席は自由のようだ。そうして授業が始まっていった。


 ちなみにまたしても桜木さんの横だった。


 今回はどうやら携帯型端末を使っての現地調整の練習をするみたいだ。 みんなが自分のデバイスを携帯型端末に繋いでいる。俺もそれに習いさっきもらったノーマルソードの1つを携帯型端末に繋げもう1つを机の端末に繋げる。ノーマルソードはさっき始まる前に渡されたものだ。俺がお願いしたとうり銃と剣と2つずつ用意してくれた。取り敢えず剣から調整することにする。


 本当は剣を2個使って改造してからの方がいいのだがそれは開発設備でしか出来そうにないので諦めてシステムから調整することにする。


 片手で先生に言われたとうりに携帯型端末を操作して、逆の手で机の端末を操作する。ちなみにみんなは両手で携帯型端末を操作している。


 そんなことをしていると隣から声がかかった。


「机の端末で何をしているの?今は、使わないはずだよ。」


 そんな声が聞こえてきた。


「そうなんですけど早いうちに剣を使えるようにしたいのでシステムの調整をしているんですよ。」

「システムのですか?確かそれまだ習ってなかったと思うんですけど。そうだよね桜木さん。」


 これまた俺の隣の桜木さんに質問する。


「確か今習っているのが剣や銃の出力や、魔法を自分が扱いやすいようにする調整のはずよ。」


 どうやら話の内容をしっかりと聞いていたようだ。


 こんなことより先生の話を聞こうよ。


「確かにそうですね。けどシステムとかを変えるだけでも結構使い勝手が変わってきますよ。あとそれとここ間違えてますよ。」


 俺が指を指すと頭に?マークを浮かべていた。


「前はこれでも出来たけど?」


 どうやら前に出来たから今回もできると思っていたようだ。まあそれでもできるけどそうすると魔力効率が悪くなるのだ。


「確かにそれでも出来ますけどここはこうした方が使いやすくなると思いますよ。」


 そう言って俺はちょちょいと書き直す。


「これでよしと。あとで試してみてください。」

「ありがとう。私中村(なかむら ) 恵里(えり)。よろしくね智貴くん。それで何でこんな技術知ってるの?」


「よろしくお願いします。僕って魔力が多くてデバイスがあまり使えないんですよ。だから使えるようにするために色々勉強したら覚えていきました。」


「そういえばさっきもそんなこと言ってたわね。どうしてそんなに魔力があるのに使いこなせないの?自然と身についていくと思うんだけど。」


 桜木さんが話に加わってくる。


 先生の話を聞こうよ。


「本当はそうなんでしょうけどなぜか僕そんなに上達しないんですよ。適性魔法もありませんし。本当魔力タンカーなんですよね僕。」

「確かにそうだけど魔力渡すのって出来たっけ?」


 中村さんが首をかしげる。それに答えたのは桜木さんだった。


「一応はできるみたいだけど変換ロスであまり渡せないから、ポーションとかの回復がよく使われてるわね。」


 いやしかしよくそんなことまで知ってるな。


「いやいやあくまで例えですからね。」


 結構本気にしてたので止めに入る。


「けど何で上達しないんだろうね?」

「わかりません。けどどうしようもないですよ、上達しないものは。」


 もっともの疑問だからわからないものは仕方がない。そう思ったのか中村さんが頷きこの話は終わって言った。


 またも智貴が見せた超絶技に気づかずに。そしてこれのお陰で命拾いするとは知らずに。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

まだまだ至らぬ点が多いと思いますがよろしくお願いします。

次回7月13日です。

週一目指す!

ここまで読んでいただきありがとうございました。次回も読んでいただけると嬉しいです。

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