~白騎士と、黒騎士~
小説書くの意外と楽しいんです!
あ、この物語は、竜神物語と並行して書いていきます!
竜神物語が終わった訳では無いのでご安心をーーーー!
とある街...。とある、襲撃された、真っ赤な街の中心で...。
「賢人...。これを...。最後に...。」
「このチョーカーを...僕に...?」
それは、真っ赤な宝石のはまった、どす黒いチョーカー。
とある島...。とある、襲撃されて氷に覆われた真っ白な島の砂浜で...。
「お兄...。これを...。」
「これ...。指輪...?」
真っ青な宝石のはまった、真っ白な指輪。
とある家。僕が昔、住んでいた家。
「賢人、最後にこれを...。」
「最後?待ってよ!父さん!」
ただただ黄色いブレスレット。
今から2年前、西暦3249年。
突如出現した、『hi quality battle machine』
通称、『QM』。これを用いた戦争を行うと、各国が決めた直後、どこからか現れたモンスター。通称、『ミュータント』。最初にミュータントが現れたのは、僕のおばあ様の家の近く、大きな森に囲まれた、自然の多いエリア。
ミュータント出現時、僕はちょうど、おばあ様の家にいた。
ミュータントは、そこで、ほとんどの命を奪った。
なんとか生き延びた僕は、理由もなく、エリアの中心街に向かった。
すると、空から声がした。
「少年よ...。力を望んだな...。何故だ?」
その後、少し話した。
「そろそろ時間だ。」
「時間?」
「賢人...。これを...。最後に...。」
「このチョーカーを僕に?」
天の声は消えてしまった。
「僕に力を...。」
チョーカーに祈ってみた。
「Yes、master。」
「わっ!チョーカーが喋った!?」
その瞬間、チョーカーが、QMになった。
俺は、操られるように、QMに乗り込んだ。
「私は、QM特別種、黒騎士であります。」
「黒騎士...?」
「Yes、詳細をモニターに映します。」
「いや、その前に、あのでか物を倒そう。」
「Yes、master。」
「接近するか?」
「No、バックコアホーミングがいいかと。」
「それで行こう。」
「ホーミング、発射。」
黒騎士から、オレンジ色の、レーザーホーミングが出た。
ホーミングは、ミュータントに全て直撃し、ミュータントを消滅させた。
「特種QM...。こんなものがあったら...。」
僕は、エリアの裏も表も占めている会社の社長息子だから、特種なんてあったら、世界の戦争が始まってしまうことくらい分かっていたので、黒騎士の存在を隠すことにした。
4ヶ月後。
僕は、妹と、2人で、別荘に行った。
別荘は、太平洋のとある島にある。ちなみに、島は僕達だけのもの。
1週間の旅行、今日は六日目。島からすぐの所にミュータントが出現した。
「黒騎士。」
「master、やめた方がいいです。」
「どうして?」
「あいつ、ホーミング吸収型です。」
「接近戦は?」
「私は、QM特別種、黒騎士、攻撃特化型。特種タイプ、忍者、人間のパンチを1とした時の攻撃力、1000。人間の骨が耐えられる位の防御力を1とした時の防御力15。防御力を補うために、ジャンプ力、20m、通常速度、毎秒340キロメートル、つまり、音速。」
「乗りこなすのが難しいわけだな?」
「Yes、さらに、あのミュータント、ホーミング吸収型なのです。」
「なるほど。」
ミュータントが、だんだんこちらに近づいてくる。
そこに、妹が来て、
「お兄!どうしよう!」
すると、ミュータントがこちらに向けて、レーザーを打ってきた。
僕は両手を広げて、妹の前に立ち、
「僕は、ユウを守る!」
と言った。
すると、レーザーを割るように、空からなにかが降ってきた。
レーザーは見事に割れて、僕達を避けるように着弾した。着弾したところから、だんだん氷に覆われ、あっという間に、島の9割が氷に包まれた。
振り返ると、空から落ちてきたものを、持って、
「お兄...。これ...。」
ユウは凍えていた。
「これ...。指輪...?」
ユウは意識を朦朧とさせていた。
「黒騎士!ユウを!」
「Yes、master。」
僕は黒騎士にユウを任せた。
「これ...。黒騎士...?」
ユウはそのまま気を失った。
僕は少し離れて指輪に、
「僕に力を...。」
と祈ると、青い宝石のはまった白指輪は光、QMへと変わった。
「私は、QM特別種、白騎士でございます。」
「次は白か...。」
「ご主人、詳細を出しますか?」
「いや、質問に答えてくれ。」
「了解。」
「タイプは?」
「剣士です。」
「使用武器は?」
「大剣です。」
「攻撃力は?」
「700です。」
「速度は?」
「毎秒、30キロメートルです。」
「ジャンプ力は?」
「30メートルです。」
「よし!突っ込もう。」
「了解。」
僕は、剣でレーザーを弾きながら、スライム型のミュータントに近づいていった。
「行くぞ!」
僕は、ミュータントを切った。
ミュータントは消滅した。
僕は白騎士を戻して、黒騎士の所に行った。
「ユウは?」
「眠っていますが、大丈夫です。」
「良かった。」
しばらくして、ユウが目を覚ました。
「お兄...。ミュータントは...?」
「倒したよ。それより、黒騎士を知っていたみたいだったけど...。」
と、聞くと、
「うん...。初めてミュータントが現れて、テレビカメラが写していたら、煙の中から、謎のQMが現れて、ミュータントを倒した。でも、誰もパイロットを見たことがない。」
そう言いながら、ユウはテレビを付けた。
すると、
「最大企業、黒金カンパニー社長、黒金大吾氏の別荘近くにミュータントが出現しました。しかし、またもや、謎の白いQMが現れました。白いQMは、ミュータントを倒しましたが、出現も、消失も、全て霧の中だったため、誰もパイロットを確認することが出来ませんでした。」
と、ニュースキャスターが言っていた。
「今、また、世界が動く。色々な国が、白騎士、黒騎士をめぐる戦争が起きるかもしれない。あの時みたいに協力するのではなく...。お兄、本当に気をつけた方がいいよ。」
「僕は...。」
僕は、胸中をユウに話した。
人を守るものを、戦争に使われたくない事、パイロットの正体がバレたくないこと。
「じゃあ、お兄は、もう誰にも言わないの?」
「いや、信用する人に、秘密は作りたくない。」
「家族...は?」
「わかっているとは思うけど、父さんはいい人だけど、金には目がない。母さんも父さんにはめっぽう弱い。だから、家族で信用出来るのは、ユウだけなんだ。」
四日後、黒金カンパニーは、部下の裏切りにより、窮地に落ちる。
「賢人...。父さん、もうダメみたいだ。ユウと一緒に引っ越せ。家の財産のほとんどをやろう。」
父さんが大真面目に言ってきたので、言葉も出なかった。
僕とユウは、荷物をまとめさせられた。
無理やり、僕達と荷物は外に出され、トラックにつまれた。
「ユウ...ダメな父さんでごめんな、これを持っておけ...。」
ユウは、混乱で、まだ何が何だかわかっていなかったが、紫色のイヤリングを静かに受け取った。
「賢人...。最後にこれを...。」
僕はとっさに、
「最後?待ってよ父さん!」
と言ったが、トラックは閉められてしまった。
トラックが開くと、目の前には、大きな家があった。表札には、『栗崎』とかいてあった。
運転手達はさっさと荷物を運び込み、足速に去っていった。
僕達は、家の中に入った。
しばらくして、机の上に、手紙が置いてあることに気がついた。
~ 急な事ですまなかった。お詫びに、この家と財産をやろう。まず、リビングの戸棚の自動ドアにある仕掛けをしておいた。戸棚のキーロックを下にスライドさせて欲しい。~
僕は書いてあるとおりに動く事にした。ユウを見に行ったが、眠ってしまっていた。
「まだ3時だけど、仕方ないか...。」
と、ぼそっと言った。
僕は戸棚のキーロックを下にスライドさせてみた。すると、戸棚の中が持ち上がり、エレベーターが現れた。
試しに入ってみると、すごい勢いで下に降りていった。
下に着いたので、降りてみると、整備室や、訓練室など、QMの施設が大きく広がっていた。一通り見て戻ると、ユウは起きていた。
「お兄、どこいっていたの?」
「ちょっと来てくれ!」
今度は、2人で降りていった。
「ユウ、さっきのイヤリング、使ってみてくれ。」
「使う?」
「力をくれって祈ってみろ。」
ユウが目をつぶると、ユウの体が光った。
ユウは驚いていた。
「おーい!ユウー!」
僕は、ユウにQMのことを説明した。
半年後、僕は、中学校を卒業した。
ちょうどその頃、QMの研究もだいぶ進み、対ミュータントのQM兵の育成学校が僕のようなQMを持っている高校進級者のために建てられた。
僕は、中学校卒業までの半年間を家の地下で、黒騎士や白騎士の訓練に没頭し、今では、ミュータントに突っ込んで倒しまくっている。世間からは、
『謎の最強QM、黒の騎士』
とか、
『黒騎士に並ぶ最強、白の騎士』
等と言われているが、誰も同一人物だということは知らない。
最近では、黒の騎士派と、白の騎士派などというものが生まれているらしいが、僕は興味が無い。もちろんユウも。
そういえば、父さんは捕まったらしい。僕が貰った、あの黄色いブレスレットは、サンダーという、スナイパーとアサルトを使いこなす、器用な機体だった。が、性能自体は、普通中の普通である。
僕が特種だということもわかった。なぜなら、QMは、集中力のある、女性の方が強くなり、男性は、何をどう頑張っても、絶対に勝てないことがわかったからだ。
僕はQM学校に行くことをやめた。理由は、全寮制だったからだ。
つまり、今年中学三年生になったユウがQM学校に入る時に、僕も入学することを決めた。
僕は高校に入るまでの1年間、黒騎士達に色々教えてもらいながら、勉強を続け、自分で、調整、整備、更には、改造までできるようになった。
QM学校への入学試験として、どうしてもQM戦闘があると聞いたので、ユウの訓練にも付き合った。
1年後、入学手続きに行く途中、すぐ近くに、ミュータントが出現した。
すると、昨年の入学生達が、QMを着て一斉に飛び出していった。
僕は、人目につかない所に行き、
「お前ら、ホーミング吸収型だ。」
「白騎士もいいが、masterは、だいぶ訓練をしたから、この黒騎士で行かれてみてはいかがでしょう?」
と黒騎士にいわれた。
たしかに黒騎士の訓練は沢山してきたが、実戦はまだない。
「わかった。万が一に備えて、白騎士も構えておいてくれないか?」
「了解、ご主人。」
「行くぞ!黒騎士!」
「Yes、master!」
僕は黒騎士の姿で、近くのビルの屋上にむかった。
少し、QM学校の生徒達の戦いを見ていた。
すると、ミュータントにロックオンされてしまった、浴衣姿の少女がいた。
僕はとっさに助けに行った。
「大丈夫?」
と、僕が黒騎士の中から、声をかけると、半泣き状態で、首を縦に振った。
ミュータントを見ると、範囲攻撃の準備をしていた。しかし、生徒達はそれに気づいておらず、攻撃を続けていた。
「まずい。黒騎士、どうする?」
「Yes、やられる前にやりましょう。」
「よし、双剣のインフィニティデバイスを展開だ!」
「Yes、master。」
僕の手に双剣が現れた。
僕は音速に近い速さで、ミュータントの周りを切り回った。
QM学校の生徒達は、驚いて攻撃をやめた。
僕は生徒達の前で止まって、双剣をしまった。
すると、ミュータントは、粉々になり、消滅してしまった。
「うわー!黒の騎士様だーー!」
と、1部の生徒達がおしかけてきた。
僕は焦って逃げた。
「あ、あぶない、顔を見られるかと思った。」
日が沈む頃。僕が疲れ果てて高校に入学手続きに行くと、人はいなかった。正面玄関に行ったが、手続き可能時間を過ぎていたので、裏口から、理事長室に言って、直接話さなくてはならなかった。
「そこの廊下を真っ直ぐ行ったところです。ここからはおひとり様で、お願いします。」
「は、はい。」
この廊下を歩きながら説明しよう。
ここ、QM兵育成高校は、名前の通り、QMを持っている人専用の高校である。
また、全寮制。学年がなく、QMの強さによってクラスが決まる。
そのクラスが、ここへ入学する時にC~Aにランク付される。
まず、Aクラスの人達は、ここの、一高という、1つ目の学校に入れさせられる。ランクAとは、QMが強いひとのみ入れる、いわゆる、特進クラス。なので、男子は一人もいないらしい。ここに入れるのは、本当にごく1部らしい。ちなみに、ユウはここらしい。
Bクラスは、前線には出れないが、ある程度の攻撃ができるように訓練される。ここの人達は、二高という、少し離れたところにある高校に行かされる。ちなみに、力を隠したい僕はここを志望する。
CクラスはQMを持って入るが、ほとんど何も出来ない人達。QMの制御を訓練される。
この人達は、とても遠い、三高というところに行かされる。
また、施設等はBクラスと、Cクラスには大した差はない。が、Aクラスの施設はとても優れている。
寮はひとつの高校にひとつあり、一高は四人部屋、二高、三高は2人部屋である。カリキュラムは一緒だが、平日に、全10コマ、土曜日に4コマある、QMの授業内容が違う。時間割は、月曜日~金曜日は6時間。QMは、6時間のうち、1日2コマ、土曜日は4時間授業で、全てQMだ。
説明はこれくらいで十分であろう。
コンコン。
「失礼します。」
僕はゆっくり、理事長に入っていった。
僕は思わず声を出した。
「えぇ!浴衣の少女?!」
ミュータントから僕が助けた子だった。
「この声...。お主、黒騎士のパイロットか?」
僕は何も言わなかった。
「私はどこにも属さぬ。この高校の理事長しかしやっとらん。名前はリーリスだ。」
「じゃあ、リーリスさん。」
「『さん』はいらん。お主には仮があるようじゃからな。」
「じゃあ、リーリス、僕は------」
僕は黒騎士が自分であって、白騎士も自分であるということを話した。
「なるほどのぅ。」
「あと、入学希望クラスはBクラスで...。」
「いや、Aクラスに入れ。」
「いやでも、それは--------」
「今の事、オフレコにして欲しいんじゃろ?だったら大人しく---------」
「でも、リーリスさんさっき半泣きでしたよね?」
と、試しに言ってみると、
「わ、わかった。それを言うな!あと、『さん』はやめろー!えーい、貴様の授業料をタダにしてやるから、泣いていたことを言うでないぞ!あと、Aクラスに入らないとタダにはしてやれんからな!」
「うーん...。」
少し悩んでいると、
「お主の妹、栗崎ユウもタダにしてやる!」
「なんでそれをしってるんだ?」
「理事長をなめるな...。」
僕はため息をついて、
「はぁ、わかった。」
「うむ、では、これからよろしくな、栗崎賢人。」
1話 終