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World of Different  作者: ROA
第1章 [転移編]
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8話[魔女]

第八話 [魔女]


???「よく、ここまでたどり着いたわね・・・・」


少女は本を読みながらそう呟く、


俺「幻獣を召還したのはお前だな?」


???「ハァ・・・・」


俺がそう問うと、少女はため息をついた。


???「あなたは、無断で立ち入った屋敷の主に、


いきなりそのような質問をするのかしら?」


未だ少女は本を読みながら、そう問い返した。


俺「今は俺が質問しているんだが? 質問にはちゃんと返答をしてくれないか?」


俺は少し上から目線で、そう言い返した。


???「でも、そう言う貴方も、私の質問に対して返答していないわよね?


・・・・・まあ良いわ、このままじゃ埒が明かない」


そう言うと少女は、本を閉じ立ち上がり、こちらを向いた。


(見た目は、蓮華と大差ないな・・・・・むしろ、少し若い感じか・・・・


髪は腰の高さまで伸びており、魅了されてしまいそうなほどに、鮮やかに青く、


月の光に照らされて綺麗に輝いている・・・・


服は、髪と同じように鮮やかな青色をしており、所々に白で線が書いてある服・・・・


と言うよりかはローブに近い着物に身を包んでいる)


リリー「まず、私の名前はリリー、『リリー・ドール』、西より来た魔女よ


確かに幻獣を召還したのは私、ただ、それはあくまで貴方達人間への復讐・・・


こうなってしまったのは、貴方達人間のせい・・・・」


俺「な・・・・なあ・・・一つ聞きたいことがあるんだが・・・・」


俺はリリーが話している所に、割り入って話しかけた


リリー「何ですか!?」


リリーは、鋭い目つきで怒鳴った。


俺「いっ・・・・いや、前から復讐、復讐って言っているけど、


具体的に俺達人間が何をしたんだ?」


リリー「な・・・・貴方達は、私達にした仕打ちを覚えていないというのですか!?


私達は忘れてませんよ・・・・人間共が私達を化け物と恐れ、


向き合いもせずに襲ってきたことを!


何故、貴方達人間は、自分達と違うというだけで、


それを化け物だと決め付けるのですか!?


私達は人間に何も危害を加えていない! なのに何故!?」


(・・・・・そういう理由があったのか・・・・・・)


俺「だ・・・・だが・・・・復讐からは何も生まれない!


もう一度・・・・・もう一度向き合ってみてくれないか!」


リリー「・・・・・・・やはり人間は自分勝手な生き物ね・・・・・


今まで私達が止めてと言っても、貴方達は聞かなかったくせに、


いざ復讐をされるとなると、止めてくれ?・・・・・笑わせないで欲しいわね。


・・・・・まあ良いわ、どのみちもう後には引けないわ・・・・・


悪いけど、邪魔する気なら死んでもらうわ」


リリーは、怪しく微笑んだ。


月の光に照らされ、彼女の笑みは、いっそう怪しさを増している。


だが、俺はもう引き下がることは出来ない。


(ここで決着をつける!!)


俺は剣を取り出し、リリーへと向けた。


リリー「どうやら、貴方は愚かなようね、この私と戦おうなんて・・・・


・・・・じゃあ、お望み通り殺してあげるわ!!」


そう言うとリリーはなんと、宙に浮かび上がった!


(な、なに! 飛んだ!? 魔女というのは本当だったのか!)


リリー「私に挑んだことを後悔すると良いわ!」


そう言うとリリーは、手に持った本を広げ呪文を唱え始めた。


(やばい! 魔法なんて食らったら、タダではすまない!


どうにかして回避を! と言ってもどうしたら良いんだ!? 普通の物理攻撃みたいに、


撥ね返すなんて出来ないぞ! どうすれば!?)


俺があたふた考えている隙に、リリーは呪文を唱え終わってしまった!


リリー「貴方には、この程度の魔法でも十分消せる・・・・・


さあ、業火に飲まれて消えろ! フレイムピラー!!!」


リリーはそう言うと同時に、右手の人差し指で俺の足元を指差した。


すると、俺の足元が赤く光り出した。


(や、やばい早くこの場から動かねば!)


しかし、俺の足は、恐怖により動かすことが出来なかった。


(こ、このままでは!)


そう考えているうちに、俺は炎の柱に飲まれた。


リリー「・・・・・弱すぎ・・・・・退屈凌ぎにもならなかったわ。


まあ、所詮その程度の力だったのかしらね。


こんな相手に蓮華が手古摺(てこず)るなんてね、あの子も少し腕が落ちたのかしら?


そろそろ解除しましょうか」


だが、次の瞬間、リリーの目に映ったのは、驚くべき光景だった!


リリー「!! どういうこと!?」


そこには、魔法を食らったのにもかかわらず、平然と立っていた真の姿があった。


リリー「どうして!? 確かに食らっていたはず!


・・・・・ハッ!」


リリーは、俺の手に持っていた、剣に目を着けた。


リリー「なるほど・・・・・その剣・・・・・


やはり只者ではなかったようね・・・・・


こうなったら、こちらも全力で行かして貰うわ!」


そう言うとリリーは、また本を開き始めた。


俺「させるか!!」


俺はすかさず、リリーに斬りかかった!


リリー「!! クッ!」


リリーは本を閉じ、後ろへ下がった。


俺「お前は呪文を唱えなければ、魔法を使えない。


ならば、その時間を与えなければ良い!」


リリー「・・・・・確かに、その通りね・・・・


だけど、それは無理よ・・・・・貴方にそれは出来ない」


俺「やらなきゃ分かんないぜ!」


リリー「やはり愚かね、良いわ、やって見なさい!」


そう言うとリリーは再び呪文を唱え始めた。


(ク・・・・今のは、明らかに罠だ・・・・・だが、このままでは、


魔法を使われてしまう! ・・・・・・・仕方ない、ここは自爆覚悟で止める!)


俺「させるか!」


俺はそう叫び、リリーに斬りかかった。


リリー「フッ・・・・・・」


するとリリーは、怪しく笑った。


リリー「馬鹿ね、こんな挑発に乗るとは・・・・


・・・・・食らいなさい! アースウォール!」


リリーがそう唱えると同時に、俺は空中へ放り投げられた。


俺「!?」


一瞬、何が起きたのか、分からなかった。


・・・・・・が、その正体はすぐに分かった。


俺は、地面から突き出た岩の壁に、飛ばされたようだ。


(ヤバイ!)


空中に飛ばされて、無防備になった俺を、追撃しようとリリーは、魔法を放った。


リリー「切り裂け! ウィンドカッター!」


そう唱えると、リリーの周りからは、風の刃が四つ、俺目掛けて飛んできた。


俺は、すかさず体勢を立て直し、剣で刃を切り裂いた。


しかし、二つの刃は、切り裂くことが出来たが、三つ目の刃に間に合わず、


俺の左脇腹に、当たった。


それにより、体制を崩したところに、四つ目の刃が飛んできた。


刃は、俺の右肩を切り裂いた。


俺「がはッ!!」


俺はそのまま、地面に叩きつけられるようにして落ちた。


(クッ・・・・・斬られたか・・・・・)


脇腹に目をやると、斬られたところから、血が流れ出しているのが見えた。


リリー「もう、逃げれないわよ・・・・・さあ、今度こそ、殺してあげるわ!」


(案外、傷が深いな・・・・・・)


リリー「さあ! 最後の魔法よ! 死になさい!」


そう言うとリリーは、両腕を大きく広げて叫んだ。


リリー「月よ! 私に力を!」


すると、リリーは青く光り始めた。


(や、やばいぞ! このままでは!


だが、どうすれば・・・・・あの魔法を撥ね返すような力はもう俺には残っていない・・・


素直にここで死ぬべきなのか・・・・・


・・・・・いや、俺はあきらめない、最後までやってやる!


傷なんて関係ない! たとえどんだけ出血しようとも、俺は戦う!


死ぬまでな!)


俺「うおォォォォォッ!!」


俺は荒々しい叫び声を上げ、立ち上がった。


リリー「!! まだ立ち上がると言うの!?


・・・・・・でも、もう無理のようね、やはり体は無理だと言っているみたいよ?」


俺「がァッ!」


俺の脇腹と肩からの出血は、更に酷くなり、


どんどんと、血は地面に滴り落ちた。


リリー「さてと、もう終わりよ」


リリーは腕を振るい、叫んだ。


リリー「消し飛びなさい! 月光魔法! ルナライト・レーザー!!」


すると、俺目掛けて、レーザーを放った。


俺「クソ、やられてたまるかあアァーーーッ!!」


俺は持っていた剣を、レーザーに対して突き立てた!


俺「うおォォォォォォオッ!!」


剣はレーザーを引き裂き、四方へと分散させた。


分かれたレーザーは、壁や床を焼き切っていく。


リリー「!! まだ抗うというの!?」


俺「当たり前だ!! 俺は諦めない! お前を倒すまでは!」


ザザッ


俺「クッ!」


俺の足は、次第に後ろへと押されてきていた。


体からの出血も更に酷くなり、普通なら立っていることも出来ないくらいの怪我であった。


だが俺は、立ち続けた、絶対に此処で彼女を倒すために。


負ける訳にはいかなかった。


『二人の為にも此処で勝つ!』この気持ちだけが、俺の心の中に有った。


そしてその気持ちが、俺を立ち上がらせた。


俺「うおォォォォォォォォォォォオッ!!!」


とてつもない叫び声を上げ、俺は一歩ずつ前へと進んでいった。


先へ進めば進むほど、剣を押す力は強くなっていった。


だが俺は、進んだ、確実に、そして、


俺「食らええェェェェェェェッ!!」


俺は剣を突きたて、リリーに突撃した!


リリー「!!!」


一瞬だけ見えたリリーの顔には、驚きと恐怖による表情をしていた。


と、次の瞬間!


剣はリリーの開いていた本を一突きにした。


リリー「そんな馬鹿な!! この私の最終魔法が!! 敗れると言うの!?


き・・・・キャアァァァァァァッ!!」


ドサッ!!


叫び声を挙げて、リリーは床へと落ちた。


俺「・・・・・・」


俺はゆっくりとリリーの方へ歩み寄った。


俺「息は有るみたいだな、力を使い果たして気絶しているようだ。


いろいろ聞きたいことが有るからな、起きるまで待つか・・・・」


俺は、リリーが起きるまでそこで待つことにした。


そして数分後・・・・・・


リリー「う・・・・・・・・」


俺「お、起きたか」


リリー「貴方は・・・・・何故止めを刺さなかったの?


私を倒しに来たんでしょう?」


俺「まあ・・・それはそうだが、色々と聞きたいことがあったからな」


リリー「・・・・・・・分かったわ・・・・何が聞きたいのかしら?」


俺「まず、さっき言っていた、人間への復讐と言っていたが、


俺達人間が何をしたのか教えてくれないか?」


リリー「貴方のさっきからのその言い方・・・・・貴方もしかして本当に知らないの・・・・・?」


俺「ああ、何も知らない、何があったのかも知らない」


リリー「何故・・・・? 貴方は里に住む人なのでしょう?」


俺「・・・・・・いや・・・」


リリー「・・・・え? ・・・・・・・それじゃあ貴方は何処から来たの・・・・?」


俺「そうか・・・・・知らないんだったな・・・・俺は、この世界の人間じゃないんだ・・・・


・・・・だから、この世界のことは何も知らないんだ」


リリー「そう言う事だったのね・・・・・それなら納得できるわ・・・・


貴方があの剣を使えたことも・・・」


俺「? この剣はそんなに特別なものなのか?


俺はただ、霊力を宿した剣と聞いたんだが・・・・」


リリー「それは少し違うわね・・・・・正しくは、持つ者の魔力を霊力として引き出せる剣よ」


俺「・・・・え? 魔力? 俺にか・・・・?」


リリー「珍しいことではないわ、異世界に居る人間には、


魔力を持っている者が多いけど、それに気づかないだけよ。


ただ、貴方の魔力は、普通の人間のそれとは比べ物にならないくらいに大きいようね。


私の魔法を受け止めれるくらいの力が出せるのだから」


俺「そうだったのか・・・・・・」


リリー「・・・・・それはそうと、私達の身に何があったのか、話してあげるわ」


そう言うとリリーは、テーブルに腰掛けた。


リリー「貴方も座っていいわよ」


俺「あ、ああ、そうさせてもらう」


俺は、リリーの対面に座った。


リリー「じゃあ、まずは、私たちの過去について言わせてもらうわ・・・・・」


そう言うとリリーは語り始めた。


続く

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