7話[最後の壁]
第七話 [最後の壁]
俺「ついに来た・・・・・」
俺はついに、最上階へと昇る、階段へとたどり着いた。
俺「此処を進めば、いよいよ最後の戦いだ・・・・・
・・・・・・さて、行くぞ・・・・・!」
俺は階段に足を掛けた・・・・・その時!
???「待ちなさい!」
背後から、さっきまで聞いていた声がした。
(こ、この声はまさか!)
俺はその場で振り向いた。
そこには、紛れも無く、さっき倒した蓮華が立っていた。
蓮華「此処から先へはなんとしてでも、通すわけには行きません。
メイドの意地にかけて、貴方を倒します!」
(どうやら、最後に、大きな壁が立ちはだかったようだな・・・・・
この壁を越えなければ、最終決戦へはたどり着けないようだな)
俺「なら、打ち砕き進むまでだ!」
俺「行くぞ!」
蓮華「今度こそ、貴方の最後です!」
俺達は向かい合い、互いに相手の出を伺った。
蓮華「ハッ!!」
少しの間の後、最初に攻撃を仕掛けたのは蓮華だった。
蓮華の攻撃は、さっきまでよりさらに早く、そして隙の無い連続的な攻撃、
だが俺は、さっきまでの蓮華、そして悪魔との戦いで、少しずつ戦いのコツを掴んでいた。
その俺にとって、その攻撃を避けるのは、さほど苦ではなかった。
俺「ここだ!」
すかさず攻撃の合間を縫って、蓮華に攻撃を仕掛ける、
その攻撃は見事に、蓮華に当たった。
蓮華「く・・・やはり、やりますね・・・・・」
蓮華は少し俺から距離を取り、話し始めた。
蓮華「ならば、私も本気を出させて頂きます!」
そう言うと蓮華は、何かをするために構えた。
(何か来る!)
俺は反射的にそう察知し、身構えた。
蓮華「行きます!」
蓮華「食らいなさい! 奥義! チェーンアタック!」
そう叫ぶと蓮華は、俺のほうへ向って突進してきた。
(何だ? ただ突進してくるだけか?
だが、このぐらい!)
俺は、突進してきた蓮華の攻撃をかわし、反撃をした。
が、しかし!
俺「な、何!?」
さっきまで居たはずの蓮華は、消え去っていた。
蓮華「甘い!!」
その声と共に、俺は、顔面に拳を入れられた。
俺「な・・・・!」
(どういうことだ・・・・確かに攻撃したはずだ・・・・しかし、
気が付いたら消えていて、横から殴られた・・・・
一体・・・・今の技は・・・・?)
蓮華「これが私の本気です・・・・さて、そろそろ終わらせます!」
(やばい、攻撃の正体がつかめない今、迂闊に攻撃できない!
ここは、攻撃を受けてでも、正体を掴まなければ!)
蓮華は、また、俺めがけて突進してきた。
(クソ、かわすのは駄目だ! 防御しよう!)
蓮華は俺の顔面へと、拳を放ってきた!
俺「ここか!」
俺は、蓮華の拳を防ぐように、腕を顔の前で交差させ、防御体制をとった。
だが、俺の腕には攻撃を受けた、感覚が来なかった。
と、次の瞬間、俺の腹に鈍い痛みが、走った。
俺「う、がはぁッ!」
腹に拳を入れられた俺は、その場から後ずさった。
(防いだはずなのに・・・・まるで、最初に飛び掛ってきた蓮華が、
幻覚だったみたいな気分だ・・・・・
・・・・・・・待てよ、まさか!
・・・・・そうか、判かったぞ! この技の正体が!)
俺「ふん・・・・効かないな、奥義とやらもその程度なのか?」
俺は、蓮華を挑発し、チェーンアタックを出させるよう誘導した。
蓮華「ッ! この私をあまり舐めるなッ!」
挑発に乗り、蓮華は突撃してきた。
(よし、上手く乗ったな、後は)
蓮華は俺の方へ突撃してきた。
(来た! だが、まだ引き付けなければ!)
蓮華は、どんどん俺との距離を縮め、ついに俺の手の届くところへ来た。
(よし! 今だ!)
俺は、蓮華の方へと突っ込んだ!
すると、どう言う事だろうか!
俺の体は蓮華をすり抜けた!
そしてその奥には、突っ込んでくる蓮華の姿があった!
蓮華「な、そんな馬鹿な!?」
蓮華は驚いた表情でそう言った。
俺「此処だァァァァァッ!!!」
そう叫び、俺は蓮華の顔面めがけ、拳を突き出した。
そして、その拳は見事に、蓮華の顔面に入った。
蓮華「そ、そんな馬鹿な!! お、お嬢様アァァァァァァッ!」
蓮華は叫び声を上げ、倒れた。
俺「お前の技は、相手に自分の分身を見せて、さも、自分が突進してきてるように見せかけ、
体制を崩したところに、攻撃を入れる技だったようだな」
蓮華「こ、この私が・・・貴方みたいな男に二度もやられるなんて・・・・」
俺「まあ、そういうことだ、俺は先へ行かして貰うぜ」
蓮華「後悔しますよ・・・・お嬢様は私よりも強い・・・・貴方が勝てる訳が無いです・・・・」
俺「だから、さっきも言ったが、やらなきゃ分かんないだろう?
それに、ここまで来て進まなければ、外で戦っている仲間達に申し訳が立たない。
だから何としてでも進まなければならないんだ」
蓮華「・・・・・」
俺「ま、もう行かして貰うぜ、時間が無いんでな」
俺は、階段の方へと振り返り、上へと昇り始めた。
(ついに、最後の戦いか・・・・・)
階段を上りながら、俺は心の内でそう呟いた。
さほど考える時間も無く、俺は最上階の扉の前へ来た。
俺「ついにだ・・・・・覚悟を決めよう・・・・・」
俺は一旦、深呼吸をした。
俺「さあ、行くぞ」
俺はドアノブに手を掛け、ドアを開けた!
そこには、バルコニーへと続く、窓から差し込む、一筋の月光に照らされながら、
テーブルに掛け、本を読む、青い髪の少女がいた・・・・・
続く