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World of Different  作者: ROA
第1章 [転移編]
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5話[従者]

第五話 [従者]


俺「だ、誰だ! 何処に居る!」


俺の声は静かなエントランス中に、響き渡った。


???「・・・・・誰だとは・・・失礼な人ですね・・・・」


俺「姿を見せろ!」


???「何を言っているんですか? 私なら貴方の目の前に居ますが?」


俺「ハッ!?」


落ち着き、前を見ると、階段の上から、俺を見下ろす一人の影があった。


???「ようやく気づきましたか・・・」


そう言い、その影は階段を下りてきて、俺の前まで来て立ち止まった。


???「ようこそ、私はここでメイドをしている蓮華(れんか)と申します」


(・・・・・メイド?)


さっきまでは遠くで見えなかったが、近づいてきたことで、


奴の姿ははっきりと分かった。


俺「お前達が、幻獣を召還した犯人か?」


蓮華「ええ、貴方の仰る通り、その幻獣は我が主であるお嬢様によるものです」


俺「なぜお前達はそんなことをするんだ!?」


蓮華「お嬢様は人間に嫌悪感を抱いていらっしゃるのです。


なので、その人間共を始末するため、幻獣を召還したのです」


俺「人間って・・・・お前も人間だろう! 同じ人間を痛めつけて楽しいのか!?」


蓮華「私を! 貴方達みたいな愚民と! 同じにしては欲しくないですね!


私は他の人間とは違うのです!」


俺「・・・・・・」


蓮華「だんまりですか・・・・まあ良いです、貴方はここで死んでもらいます。


お嬢様のためにも!」


(・・・・・戦うしか・・・・ないのか!)


俺は剣を抜き、構えた。


蓮華「どうしたのですか? かかってこないいのですか?」


蓮華は俺のほうを見て、余裕そうな表情で挑発している。


(・・・・・ダメだ、今挑発に乗ってはいけない・・・・


たぶん、アイツには何か策があるのだろう・・・・


それが分からない今、迂闊に突っ込めない。


ここは何を言われても、様子を見よう)


蓮華「来ないのなら、こちらから行きます!」


そう言うと蓮華は、俺のほうへ向って走ってきた。


(き、来た!


し、しかし人間を斬る訳には・・・)


考えている間に、蓮華は俺の目の前に来て、右足で蹴りを繰り出していた。


俺は剣を降ろし、とっさに右手を挙げて蹴りを防ぎ、蓮華から距離をとった。


(くッ・・・・とっさに手で防いだが、とてつもない力だ・・・女とは思えない。


まともに食らったらタダじゃすまないな・・・)


するとまた、蓮華はこちらに向って走ってきた。


(とりあえず、今は回避に専念して、対抗策を考えなければ)


蓮華は俺の目の前に来て、パンチを繰り出してきた。


(また来た!)


俺は、それをギリギリでかわした。


(・・・・・はッ!!)


パンチはかわしたが、息をつく間も無く、蹴りが飛んできた。


(や、やばい! かわしきれない!!)


蓮華の蹴りは、俺の右脇腹に入り、俺はその場に膝を付いた。


(やばいぞ! 痛みで立ち上がれない! このままでは・・・)


蓮華「所詮、貴方もただの人間ですね。


まあ、同情はしませんし、したくも無いです。


さてと・・・・・さっさと死んでもらいます」


そう言い、蓮華は俺のほうへ寄ってくる。


(クソ・・・・・やっぱり俺は、何も出来ない、力のないただの人間だ・・・・


死はそこまで迫っている、天国への道・・・・いや、地獄への道が近づいている・・・・


逃げたくても逃げれない、大人しく此処で覚悟を決めないといけないのか・・・


ああ、もっと色々なことを知りたかった・・・運命とは残酷だ・・・・・


・・・・・・・・・・・いや、此処で死ぬのが運命なんて誰が決めたんだ?・・・・


それは俺が勝手に決めた運命であり、あくまで仮定じゃないか!


そうだ・・・・そうだ! 俺はまだ生きている! 最後まで(あらが)うべきだ!)


蓮華「これで終わりです」


俺「うおぉぉぉぉぉ!!!!」


蓮華「なッ!?」


バッシィィィィィン!!!


蓮華が、蹴りを出そうとした瞬間、俺は、渾身の力を込めた拳を、


思いっきり蓮華の顔面に放った!


蓮華「キャァァァァア!!!!」


予想外の攻撃により、蓮華は俺の拳をもろに食らい、


その場にしゃがみ込んだ。


蓮華「あ、あああ、ど、どうして立ち上がれたの・・・・ありえない・・・


ちゃんと急所を打ったのに・・・・・」


俺「・・・・・俺にも良く分からないが、これが属に言う火事場の馬鹿力って奴なのかもな。


・・・・・まあ俺は行かしてもらう」


蓮華「・・・殺さないのですか・・・?」


俺「殺す? 何故? 俺は此処に人を殺しに来たんじゃ無い、


ただ、この世に召還した幻獣を消して欲しいだけだ」


蓮華「やはり・・・・・それだったのですね・・・ですが、貴方はお嬢様には勝てない。


・・・絶対です」


俺「・・・・やってみなければ分からないだろう?」


蓮華「・・・・・」


俺「・・・・・」


(気絶したのか? ・・・・だが・・・・・やってみなければ分からない・・・


なんて言ったが、正直、彼女ほどの力の有る者を従えるなんて奴に、勝てるのか?


・・・・・いや、勝てるかじゃなく、勝つしかないな。


さて、早いところ先を急ごう!)


そうして蓮華を倒した俺は、階段を上り、元凶へと近づいていった。


続く

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