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World of Different  作者: ROA
第1章 [転移編]
2/18

2話[掃除日和]

第二話 [掃除日和]


俺「・・・・・・・・・」


俺「ん・・・あ、朝か」


障子の隙間から差し込む朝日で、俺は目を覚ました。


俺「さてと、起きるか」


俺は起き上がり、布団をたたんだ。


俺「零は起きているかな?


・・・・・とりあえず行くか」


俺は部屋を出て、居間へ向かった。


ガチャ、


俺は扉を開けた。


そこには、朝食を食べている零がいた。


零「おはよう、アンタの分も作ってあるよ」


俺「ああ、ありがとう」


俺「それじゃあ、いただきます!」


俺は、零の対面に座り、朝食を食べ始めた。


ガツガツガツ・・・・・


俺「美味い!」


俺は零の料理をすぐに食べつくした。


俺「美味しかったぜ」


零「ありがと」


零「そうだ、私、今日用事があるの、だから留守番していてくれない?」


俺「あ・・・ああ、分かった」


零「じゃ、よろしくね~」


そう言い、零は部屋から出て行った。


俺「・・・・・さてと、とりあえず、食器を片付けるか・・・」


俺は食卓に乗っている皿を持ち上げ、台所へ持っていった。


俺「えっと、流し台はっと・・・・・」


俺は台所の中を、そう呟きながら見渡した。


俺「ここか」


俺は流し台に皿を置き、水を出して、皿を洗い始めた。


・・・・・


十分後・・・


俺「よし、こんな感じで良いか。


・・・・・さて、零に言われたとおりに、掃除でもするか」


俺は家を出て、庭の方へ行った。


俺「ホウキはどこだろう・・・・」


俺はあたりを見渡した。


そして、家の裏に立てかけてあるホウキを見つけた。


俺「よし、これで庭の掃除ができるな」


(・・・・・しかし、本当に掃除が苦手だったみたいだな、


ホウキの毛先は、新品のそれと変わらないくらいに、綺麗なままだ。


ホウキは持っていたが、二・三回使ったところで、


使うのをやめてしまったんだろう。)


俺「っと、冷静に分析するのは置いておいて、今は掃除をするのが先決だ」


俺はホウキを手に取り、掃除を始めた。


・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・何分ぐらいたったのだろうか、


家の裏手に落ちている落ち葉や枯れ木は、大体片付いた。


俺「あとは玄関付近だな」


俺はホウキを持ったまま、玄関のほうへむかった。


すると、何者かが玄関のほうへ歩いてきているのが見えた。


俺「・・・・・だれだ?」


俺は反射的に家の陰に隠れて様子を伺った。


何者かは、玄関の目の前まで歩いてきた。


(さっきまでは遠くで見えなかったが、どうやら女性のようだ


見た感じ、零と同じか少し高いくらいの身長か、年も零と大差なさそうだ。


服装は、落ち着いた雰囲気だな。)


俺「とりあえず、様子を見てみよう」


女は、玄関の前に来ると、トントンと戸をノックした。


女「零、いる?」


(どうやら、零の知り合いのようだ、)


俺「話しかけてみるか」


俺は家の陰から出て、女に話しかけた。


俺「あの、すいません」


俺の声を聞いた女は、驚き、俺の方を見た。


女「だ、誰!」


俺「あ、いや、怪しいものではないです!」


だが、俺の姿を見た女は、とても疑った目でこちらを見て、


女「本当かしら・・・・・」


こういった。


俺「本当です! 俺は神埼 真と言います、


訳あって零さんの家に泊めさせてもらっているんです」


女「・・・・・にわかには信じがたい話ね・・・」


(とりあえず今は、どうにかして信じてもらわなければ・・・・)


俺「どうしたら、俺のことを信じてくれます?」


女「そうね・・・・・何か証拠となる物をがあれば、


信じてあげないことも無いけど・・・・・」


女は、「そんなものは無いだろう」と思ったような顔をしている。


(・・・・・どうしようか・・・・零が居たらすぐに解決するんだが・・・・・)


俺は悩んだ、そのとき、


零「ただいま、あ~疲れた」


と言い零が帰ってきた。


零「ん? あれ? 静葉(しずは)じゃない、どうしたの?」


静葉「あら、零、ちょうどよかったわ、


この男、あなたの知り合いなの?」


零「知り合いというか、ただ家に泊めてあげているだけ」


俺「・・・・・これで分かってくれたか・・・・?」


静葉「ええ・・・・・それにしても、


あなたはよく、知らない男を家に泊めさせることができるわね、


普通はそんな事できないわよ」


(良かった・・・どうやらこの世界が変なんじゃなくて、


零がただ単に、純粋なだけだったのか・・・)


静葉の話を聞いて、少し俺はほっとした。


静葉「まあ、今の所は何も被害が無いようだし、それでいいわ・・・でも」


静葉は俺のは方を向き、睨みつけるように、


静葉「もし零に何かしたらタダじゃすまないわよ」


と念を押した。


俺「わ、わかりました・・・」


俺はあまりの威圧感に無意識にそう言っていた。


零「ま、まあ争いはそれくらいにしてさ、とりあえず、家に入ろうよ」


静葉「・・・・・そうね・・・・・そうしましょう」


そう言い、静葉は零の家へ入っていった。


俺「・・・・・・」


(とても威圧感のある女性だな・・・・・


これは、零と違ってうかつに話しかけれないな・・・


とりあえず、彼女の前では、あまり目立たないようにしよう・・・)


零「アンタも早く入りなよ」


零はこちらを見てそう言った。


俺「あ、ああ」


俺は頷き、零の家に入った。


零「ほら、二人とも座って!」


静葉「ええ」


俺「はい」


そう言い俺と静葉は、座った。


零「まあ、まずは自己紹介から始めたら?」


静葉「・・・・・そうね、零が言うならそうするわ・・・・・」


静葉「じゃあ、まずは私から・・・・・


私は『北上(きたがみ) 静葉(しずは)』よ、まあ零とは小さいときからの友達よ、


とりあえずよろしく」


静葉「・・・さてと、次は貴方の番よ」


静葉は、「早く言え」と訴えかけるような顔をして、俺のほうを見ている。


俺「あ・・・はい、わかりました」


俺「えっと、俺はさっき言ったと思いますが、神埼 真です、


これと言って何か特徴的なものは無いです・・・


静葉さん、よろしくお願いします」


と言い、俺は頭を下げた。


静葉「ふーん、以外に礼儀正しいじゃない」


俺「・・・ありがとうございます」


静葉「で、私が一番聞きたいのは、何で貴方が零の家に泊まることになったのか、


それについて聞きたいわ」


俺「えっとですね、それにはいろいろと分けがありまして・・・・・」


俺は零の家に泊まることになった成り行きを説明した。


静葉「なるほどね・・・・」


俺「分かってくれましたか?」


静葉「まあ、とりあえずね」


俺「そうですか」


(良かった、何とか丸く収まった・・・・のか・・・・?


ま、まあいいか)


零「そういえば、静葉は何しにここへ来たの?」


零は、静葉に問いかけた。


静葉「そういえば、言うのを忘れていたわね」


そう言うと、静葉は真剣な顔をし、話し始めた。


静葉「実は、紅葉(もみじ)さんが村外れの森の中に、今まで無かった屋敷が建っていた、


今は害は無いそうだけれど、もしかしたら何かが起きる前触れかもしれない・・・・と、いっていたわ」


零「なるほどね、分かった警戒しておくよ」


静葉「それじゃあ、用も済んだし、私はこれでお(いとま)させてもらうわ」


そう言い静葉は立ち上がった。


零「あ、そう? 気をつけてね」


静葉「ありがとう、それじゃあ」


静葉は出口へ向かって歩いていった。


零「じゃあね」


少し間を空けて、俺は零に質問した。


俺「なあ、零、紅葉って誰なんだ?」


零「そう言えば、知らないんだったね」


そう言い零は俺のほうを向き話しかけた。


零「紅葉さんは、村を治めている賢者様だよ。


俺「け、賢者? そんなに凄い人なのか?」


零「もちろん! 凄い人だよ!


何百年と生きた、大賢者様だからね!」


俺「ふぇ!?」


俺は、自分の耳を疑った。


(確かに今、何百年も生きた、と言っていたよな・・・・


ま、まさかな・・・・そんなに生きれる人間が居るはずが無い・・・・


だが、待てよ、ここは少なくとも俺の居た世界ではない、ということは、


何年も生きる者が居ても、おかしくないのかもしれない。)


俺「な、なあ」


零「ん? なに?」


俺「その紅葉って人は本当に人間なのか?」


そう言うと、零は少し困った顔をしてこう答えた。


零「実は、紅葉さんが何者かは、誰も知らないんだ。


何せ、私達の世代が生まれる前からここに居るからね」


俺「そうか・・・・」


(やはりこの世界では、今までの常識を捨てる必要があるな・・・)


零「さてと! 予期せぬ来客があったけど掃除の続き、よろしくね!」


俺「ああ、わかった」


俺は外に出て、また掃除を始めた・・・・


(紅葉とは何者なのだろうか、そして突如として現れた屋敷、


なんだか、悪い予感がするな・・・・・)




だが、この後、この予感が的中するとは


このとき彼は思いもしなかった・・・・


第二話 [掃除日和] END

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