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World of Different  作者: ROA
第二章 [地底編]
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15話[妖怪少女]

第十五話 [妖怪少女]


俺「よし、じゃあ話しかけるぞ」


零「良いよ」


静葉「ええ」


俺達は、彼女の後ろに歩き寄った。


俺「あ・・・・あの・・・・・すみません・・・」


???「!!! 誰だい!?」


彼女はそう言い、奥へと飛びながらこちらを振り返った。


俺「ちょ・・・・ちょっと待ってくれ! 俺達は君に危害を加えない!」


???「??? もしかして・・・・アンタ達が聖奈様の言っていた人間?・・・・・」


俺「・・・・ああ・・・・そうだ、俺達は人間だ、地上の賢者


紅葉に頼まれて、此処まで来た」


???「! やっぱり! 妖怪達とは違った雰囲気を感じたからね!


ようこそ! 地底中央館へ! 私は『エル』と申します!」


彼女は笑顔でそう話した。


リリー「ご丁寧にどうも、それで、私達を呼んだ理由は何なのかしら?」


エル「はい! それについては、聖奈様が直々に説明すると


仰っていたので、私が案内します!」


そう言うと、エルは後ろを向いて、俺達を招いている。


エル「私に付いて来て下さい!」


そう言うとエルは、歩き出した。


俺達もそれに従い、歩き出した。


零「でも、エルさんって、他の妖怪より凄い強いんだね!」


零がそう言うと、エルは立ち止まった。


エル「!! もしかして見ていたんですか・・・・・?」


零「うん・・・・・あ、もしかして・・・・見られたくなかった・・・・・?


それだったら、ごめん・・・・・・」


エル「あ、いや、嫌だと言いますか・・・・その、ちょっと、あのですね・・・・


恥ずかしいと言いますか・・・・・・」


零「?? どういう事?」


蓮華「戦っている時の性格の事を、見られたくなかったのですよね・・・・」


エル「はい・・・・・よく分かりましたね・・・・・


・・・・・戦っていると、つい出ちゃうんですよね・・・・あの性格は・・・・


早く、あの性格と別れたいのに、何年もしていた癖というのは、


なかなか抜けないものですね・・・・・」


エルは俯いて、寂しそうに言った。


零「・・・・・・なんだか、私にはよく分からないけど・・・・


無理に忘れようとすると、かえって思い出しちゃうからさ!


だから、気にしないで放って置けばいいと思うよ!


意識せず、いつも通りのままでいれば! いつか忘れるよきっと!


それに、それが戦いのせいで出て来る様だったら、


もうエルさんが、戦わなくても良くなる様に、私達がしてあげるから!!」


エル「・・・・・・ありがとうございます・・・・・やっぱり、人間は、


他者を思いやるというすばらしい心を持っている・・・・・


私達妖怪も、その心を持っていれば、戦うなんてことも無くなるのですが・・・・」


零「ううん・・・・・・エルさんはもう、その心を持っているよ!!」


エルがそう言うと零は言い返した。


エル「え・・・・・? 私が・・・・・?」


エルは驚いた顔で、零を見た。


零「うん! だって、さっき妖怪達が逃げて言った後に、エルさんは、


『あいつには、こんな風な殺し等して欲しくなかった』って言ったじゃない!


これは、エルさんが、他者を思う気持ちが有るから、こう思えたんだよ!」


エル「!!! そう・・・だった・・・の? ・・・・フフッ、そうだったのね・・・・・


ということは、あいつにも・・・・・この感情が・・・・あるのね・・・・」


零「絶対有るよ! 根拠は無いけど・・・・・でも! 絶対に!! 私は信じるよ!」


エル「ありがとうございます・・・・・そういえば・・・・貴方達の名前・・・・


まだ聞いていなかったですね・・・・・失礼ですが、聞かせてもらっても・・・・」


俺「ああ、いいぜ! 俺は神埼 真!」


静葉「私は、北上 静葉」


リリー「リリー・ドールよ」


蓮華「宝城 蓮華と申します」


零「そして私が、白川 零!」


エル「零さん・・・・・」


零「零でいいよ!」


エル「で・・・・ですが・・・・・」


零「堅苦しいのは嫌なの、だから!」


エル「分かりました・・・・零!」


零「うん! それで良いよ! でも、分かりましたじゃ、まだ堅苦しいよ」


エル「あ・・・・そうだった・・・・ごめん! 零!」


零「そう! それ! その喋り方で!」


エル「分かったよ!」


(・・・・・種族の壁を越えて、友情を掴んだ・・・・これが、零の良い所だろうな・・・・)


笑顔の二人を見て、俺はそう思った。


続く

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