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荻くんの日常

作者: 嫉妬の化身

 俺、荻安友。私立神凪高校に通う2年生。俺の家は父、母、兄、俺、妹の五人家族というごく一般的な家だ。

 俺の朝は早い。早朝の4時に起き、弁当と朝飯を作る。朝飯当番は、俺の役目だからだ。それから、学校の支度をして飯を食べて5時前に家を出る。家から学校までは、30キロほど離れているため早く出ないと、遅刻してしまうからだ。

 俺は、朝早く起きているが、その時はまだ俺の1日は始まってはいない。俺にとって1日が始まるのは、学校に着いてからだ。それまでは、ノンレム睡眠をしているようなものだ。

 学校に着いたのは、8時ぐらい。校門に着いたところで、後ろにいた生徒に声を掛けられる。


 「おい、荻」


 おっ、今日は早いな。彼は、同級生の小林三郎。彼は、長男なのだがなぜか三郎という名前だ。初めて聞いた時は、思わず笑ってしまった。


 「お、おはよう。な、何か用でもあるの?」


 ふっ、我ながらいい感じで言えたな。俺は、家族以外の前では気弱な生徒を演じている。彼も例外ではない。


 「ちょっと来い」


 そう言い彼は、体育館の方へ向かう。はー、また体育館裏か。学習しないなー。そんな事を思いながら三郎についていく。

 体育館裏まで行くと、他に4人の生徒がいた。右から古山卓三、村井洋介、大川桃人、鈴木聡。


 「荻、持ってきたよな~」


 古山が聞いてきた。何を持ってくれば良いのか、そんな事はわかっている。金だ。だが、俺はあえて、持ってきているにもかかわらずあえて、言おう。


 「な、何をだい?」


言った。言ってやったぞ~。さあ、どうする。


 「てめぇ、調子に乗るんじゃねーぞ!」「さっさと出せや!」「殴られたいのかー!」「もうやっちまおうぜ!」「おらー!カス野郎が!」


 そんな一気に言われても聞き取れねーよ。聖徳太子じゃねーんだから。的な事を思いながら、奴らに殴られまくる。


 「や、やめてくれ!」


 なーんて、そんなこと全く思ってねーよ!うっひゃー、気持ちええー!もっとやってくれー!もっと罵ってー!

 もうお気づきになったと思うが、俺は、そうマゾなのだ!しかも、同年代の奴らにやられないと興奮しない特殊なマゾだ!

 三郎たちはいい奴らだ。俺をいじめてくれるなんて!

 高校に入ってすぐに奴らに目をつけられていた。俺は、こんなチャンスは二度と来ないと思って奴らに近づいた。案の定いじめてくれたよ。最高だね!


 「さっさと出しやがれ!」


 そんな事言われたって、もっといじめて欲しいから出さないよー。


 「や、やだよ!」


 「おい!先公来たぞ!」「何!」「やべぇ、逃げるぞ!」「くっそが!」「この続きは、また後だ!」


 な、何だって!?待ってくれ、俺はまだ、いじめて欲しいんだけどー!しかし、時すでに遅し。奴らは行ってしまった。


 「くっそー!」


 思わず声に出してしまった。やばい!先生が来てしまう!いじめられてるのがばれたら、奴らがいじめてくれなくなってしまう。急いで教室に向かう。幸いな事に、見つからなかった。

 教室には、そこまで生徒はいなかった。残念な事に、三郎たちは違うクラスだった。とりあえず、自分の席に向かう。すると、誰かが近づいてきた。


 「おはよう、ヤス君。大丈夫だった?」


 そう優しく声を掛けてくれたのは、唯一の友達の山田薫。外見は女だが、どう見ても女にしか見えないが男である。せめてもの救いで男の娘だったら良かったのだが、男気が半端ではなく、柔道3段の実力を持つ男の中の漢である。(外見は女、いや超絶かわいい美少女なのだが)

 彼、いや薫との出会いは入学式の時だ。かわいい子がいるなと思い正直に、かわいいと言ったら背負い投げをくらったことがきっかけで話すようになった。

 薫は、俺が毎日ご褒美、いやいじめられているのを知っている。だから、こうして優しく声を掛けてくれているのだ。しかし、薫には悪いが俺は、そんな優しさは要らない!優しくしてくれるなら罵って!投げ飛ばして!締め技掛けて!関節技掛けて!

 もちろん、そんな事は言えない。


 「ああ、おはよう。全然平気だよ」


 むしろ嬉しいさ!


 「無理しないでね」


 薫が上目使いで見てくる。や、やめろ!そんな風に見られたら襲いたくなってしまうじゃないか!俺の理性と願望がせめぎあう。今回はなんとか理性が勝った。しかし、こんな事を繰り返されたら、いつかとんでもない事になってしまう。そうなったら、責任を取って結婚しよう!


 「分かってるって」


 そんなこんなで、昼休みになった。そして、三郎たちに呼ばれてトイレに行く。うーん、ワクワクしますなぁ!


 「おい、いい加減出したらどうだ」「渡したら楽になれんだぞ」「ほら、早く」「こっちも急がしいんだよ」「早くしろよ。先公来ちまうだろ」


 全く俺の気持ちが分かってないね。本当困り者だよ。だけど、今回はすぐ渡そうかな。だって、このあとは薫と楽しい楽しい昼食の時間だからね!


 「わ、わかったよ」


 そうして、言われた金額を渡す。だが、その金は俺が徹夜して作った偽札だけどな!暇だったから作ったらかなり良く出来たので、こいつらに渡すのは大抵偽札を渡す事にしている。


 「素直に渡しておけば良いものをよ」


 そんな事を言って三郎たちは帰っていった。全く!五発ぐらい殴っていけよな!

 そうして用事を済ませた後、薫と楽しく昼飯を食べて午後の授業を迎える。

 その後は、何もなく家に帰宅してしまった。いつもなら三郎(笑)たちが、明日も持ってこいと言ってくるのに。明日、俺が金持って来なかったらどうするんだよ。はっ!まさかこれは、放置プレイというやつなのか?ふおぉぉぉぉぉ!想像したらなんか興奮してきたぞ!放置プレイ、ば・ん・ざ・い!

 そうして、家で家族と夕飯を食べて自室に戻る。明日も早いからもう寝ようかな、なんてことは思わない!まだ俺にはやるべきことが残っているのだから!それは、家での趣味をするといこと!

 そして、スマホのSNS系のアプリを開く。そこには、俺のことを誹謗中傷している言葉が並んでいた。う~ん、今日もたくさんきてるな~。俺の家での趣味、それは、言葉を見ながら相手のことを思い浮かべ、脳内SMプレイをすることだ!これを、だいたい12時までやり続け就寝する。

 こうして、俺の日常は続いていく。

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