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ラスールの神遊び  作者: 宮野アキ
1/7

プロローグ・遊びの始まり。

崖に面した道沿い。


 セミでも泣き出しそうな強い日差しが差している中、5台の観光バスが通っている。

 バスには六野宮高等学校様という紙がバス正面右上に飾っている。


 そんなバスの2号車と示している中、後ろの窓際に座っている少年は楽しそうに林間学校と書かれたしおりを見ている。

 そのしおりには、【二年三組 30番 宮城 翔】と名前が書かれていた。

 身長は160㎝も無く、小柄で筋肉があまり付いておらず体は細身。

 男性にしては髪が長く、格好によっては女の子と間違えてしまう様な幼い顔立ちをしている。


 そんなジャージ姿の宮城は外の景色を見る。


 もうすぐ林間学校に着く頃だろうな♪

 楽しみだ。

 山の探索に、カレー作り、キャンプファイヤー。

 どれも林間学校として在り来たりかも知れないけど、普通の日常では味わえないから楽しみだな。

 ……そういえば、佳奈さんが『肝試しをやろう!』って言って張り切ってたな。

 先生に内緒でやるって言ってたけど、その辺の根回しはどうするんだろ?

 まあ、佳奈さんはその辺の頭の回転は速いし何かしてるんだろう。とにかく楽しみだ♪


 「翔、そんなに楽しみか?林間学校は……」


 低い声が横から聞こえた。

 その方向を見ると退屈そうにしている顔がこっちを向いている青年がいる。


 難波 俊直。

 身長は約180㎝、筋肉がしっかりと付いており、男性らしい顔と短髪。男から見てもカッコよく惚れてしまいそうだ。


 そんな難波は気怠そうに話を続ける。


 「自然に触れ合おうなんて、余計なお世話なんだが。なんでわざわざこんな事をしないといけないんだか……」


 またそんなこと言って、内心楽しみにしてるのが顔を見ればわかるよ。まったく、素直じゃないな。


 「……そんなこと言わないの」


 突如後ろから難波の首筋を細い指が軽く撫でる。


 「ぎゃぁあああ!!」と、まるで小動物を脅かした様なリアクションを難波はとった。

 軽く顔を赤くし、息を切らしながら後ろに眼光を送る。


 「何しやがる佳奈!!」


 難波が睨む先にはいたずらっぽく笑う女性がいた。


 芦田 佳奈。

 身長は170㎝近くあり、程よく締まった体に程よく肌が焼けている。黙っていれば美人なのだが、イタズラ好きで、よくこうやって友達とかをからかっている。


 そんな佳奈は右横に流しているサイドテールの三つ編みを軽く触れながら上目使いで不敵に笑う。


 「あら、どうしたの?そんなに息を切らして?」

 「どうしたの?じゃあ、ねぇよ!!いきなり何しやがる!!」

 「俊直くんが詰まらなそうにしてたから、楽しませようとしただけじゃない」

 「それでなんで、首筋を触る事になるんだよ!」

 「楽しかったでしょ♪」

 「そんな訳あるか!」


 難波と佳奈の言いやいが続く。宮城は二人の様子を見て微笑む。


 相変わらず楽しそうにじゃれるな。小学校からの付き合いだけど、いつも見ていて飽きないや。


 言い合っていた難波と佳奈が宮城の視線に気付き言い合いをやめた。


 「どうかしたのか?」

 「いや、俊直を見てると飽きないなって」

 「そうね、俊直くんをからかうと面白いもんね

 「お前ら……いい加減にしろよ」


 いつも通りふざけ合ういつもの日常……だからこそこういったイベントの非日常感が尚更楽しい。この林間学校はどんな面白いことがあるんだろう。みんなでどんなことをして楽しもうかな。


 運転手の後ろに座っていたジャージ姿の先生が立ち上がり、マイクを手に取る。


 『そろそろ林間学校に着く。それぞれバスを降りる準備を……』


 先生が言葉言い終える前に、どこかの生徒が大声を上げだす。


 「上の方から落石が来る!!」


 生徒達は驚き、一斉に山の上の方を見る。するとそこには直径10㎝は有ろう岩が複数、かなりのスピードで転がって来る。


 『みんな、頭を伏せろ……!!』


 複数の岩が観光バスに直撃する。

 物によってはそのまま崖に落ちたり、衝撃で爆発、潰されるものまである。

 五台あった観光バスは先頭を走っていた4台のバスが被害に遭った。

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