5話目 ~真実は如何に~
どうも、あくりる!です。本日分ですね!前回が変な所で切っちゃいましたので、今回は結構すっきりしていただけるかと。シリアスですがよろしくです!
4話の終わりから
「俺は“真実の一族”だ。さっきのTruth・ブレードがその証拠。ちょっと待ってろ」
そう言うと、右手に力を込め、剣を顕現させるスガさん。
「これがそれな。一応俺だって戦争は経験してるぜ?」
「いや、それはなんとなくわかりますよ」
「だよな」
結局はいつもの調子の二人だが、色々と明かされる事が多すぎる。
「知ってるとは思うが、真実の一族ってのはもう伝説の人間だよな。自分で言うのもなんなんだが、類稀な体力、戦闘技術を持ってる。それと年をとっても比較的若々しいらしいけどな。俺ぁわかんねぇけど。どっちかって言うと、軍隊作ってるよりかは傭兵な感じだな。実際、俺もSASの密偵やってたし」
「スガさんマジすかwww密偵とかwwwじゃあ仕事ちゃったりもしてたんすか?」
カタキが笑っている中、スガさんは続ける。
「んーまぁ殺ったな。そんで俺の息子は、宇宙最高機関、SSOの特別部隊に所属してて、危険な星を排除する役目をしてた。この力あってだけどな」
スガさんはTruth・ブレードを振って見せる。
「でもアイツは今行方不明だ。原因不明だけどな、ってことだけどおkか?」
スガさんは、カタキに聞く。カタキは頷き、
「はい、おkっすよ。じゃあ僕の事も説明しますねー」
「おう」
カタキは、いつものアホっぽい口調ながらも真剣な事を言い始める。
「あーっと、なにから言えばいいのかな。うーん……。いや、言っちゃうと、スガさんの真実の一族よりも、僕って珍しいかもしれませんね。僕は“天空人”です」
「マジかよおま……。とっくに滅びてんじゃなかったのか?」
「それがねー、違うんすよー」
“天空人”という単語に大層驚くスガさん。一体何者なのだろうか。
「噂程度で知ってるとは思いますけど、天空人は空に生きる人達です。翼は持たずとも、初期宇宙開拓時代からいたし、謎っすよね。なぞなぞ。浮遊石と呼ばれる不思議な力で空に建造物を作り、暮らしていました。僕の幼少時代もそうです。だけど、僕が12の時に平和は崩れました」
「……今お前何歳だ?」
「16っす」
「……そっか。少数民族消失事件か」
「はい。あれは凄かったっすからね」
「ああ。そのとき俺はSASにいたけど、結構対応に迫られてたよ」
スガさんは過去を振り返るように言うが、その事件に憤りを感じているような気もした。
「未だ犯人は特定できていませんけど、あの事件で僕たちは離ればなれになりました……。ほぼ人はいなくなったっすからね。僕は命からがら逃げ出して、地上に降りてきました。つてもあって、高校に編入してまぁそこでも色々あったんすけどね。あ、ちなみに僕は高校を15で卒業してます。特別措置です。で、今の便利屋とかいうのになる訳っすね。はい」
「んで、その剣はなんだよ」
スガさんは、カタキが両手に持っている二本の剣を指差し聞く。
「あ、これは天空人が習得する剣術で、認められるともらえる奴です。こっちの緑っぽいのがエンド=ブレードで、赤っぽいのが、ルイン=ブレードです。二刀流っすよ! 二刀流!」
そう言い無邪気に剣を振りまわすカタキ。
「あぶねぇよ。しまっとけよ」
「あ、はいはい」
カタキが剣を鞘に収めると、ベルトに付けられるキーホルダーのようなサイズになった。
「持ち運び便利系かよ」
「スガさんだってそうじゃないっすか」
「だよな……」
剣を二人共しまったため、いったん大通りに出た二人は、また話し始める。
「ってか、さっきスガさんが斬ろうとした人って誰すか?マナーとか弁えましょうよ」
歩きながら二人は話す。
「それ一番お前に言われたくない……。似てたんだよ、アイツに」
「ああ、息子さんすか。でも斬りつけるのはなんで?」
「向かい側から来て、知ってる人だったら普通声かけるだろ?なのにアイツはそれをしなかった。もし気付いてなかったとしても、斬りつけたら剣で押さえてくるだろーし。なんでどうもおかしいんだよ、ありゃあな」
「幻影っすか」
「多分な。まぁなんなのかはわーんねーし。どっか行こうぜ?」
「そっすね!」
二人はその大通りを歩いて行く……。
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「真実の一族……か……。あんな所で会うなんて思わなかったな」
誰かが呟いた。周りには闇しか広がっていない。
「ごめんなー、親父……。俺やっちゃったよ」
ふっと微笑みを漏らす誰かは、そのまま宙に浮いている。
「もう何もできねぇか」
誰かが呟くと、闇に一筋の光が差し込んでくる。先ほどまでは暗くて、何も見えなくて分からなかったが、その誰か以外にも人が何十人、何百人、何千人、何万人といる。
「呼ばれてんのかよ……。ああちくしょう、元の役職がいけねぇんだよな……。表にいられるし……」
光に引き込まれるように、誰かは消えていった。
「ふふふ、つくづく良いものを見つけた」
闇の中では無い、街中のビルの上。誰かは立っていた。しかし何かが違う。人格が変わっているかのようだ。
「私達のこの黒い体では表舞台には立てないからな。コイツはいい素材だ」
堪え切れないかのように、高笑いをする誰か。そして右足に力をこめ、ビルを飛び移っていく。人の成し得る技では無い。
「既に宇宙は私達の存在に震撼している。そろそろ全てを滅する時はやってくる。それも、全ては……」
『殺されていった私達の怒り!!』
「犯人なんてわかりゃしないからな。どうせだ。全部殺ってしまおう」
彼等の叫びは誰にも届かない。しかし、彼等の存在は、スガさんとカタキを戦いへと結び付ける事となった。
自分でもすっきりしました。次話からはまたアホっぽくやっていくんだろうな……。
お知らせ;6話目は3月5日午後5時くらいに投稿