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スガさんとカタキの旅  作者: あーく
間章 ~地球とか色々~
15/20

1話目 ~どうするの? これから~

一応一章から続いてます。ちょっと触れとかなければな、と思った事を書かせていただきました。


ではどうぞ!

 Xを倒した二人がTM(タイムマシン)報道陣(おっかないひとたち)から逃げた後の事。



 場所はスガさんのTM内。ちゃっちゃとXを殺ってしまった二人は、報道陣に追われる事も無く、宇宙空間をイオンエンジンで航行し、ゆったりのんびりしていた。


「ぐはあぁお茶がうめぇぇ」


「ここは炭酸でシュワーッと! っすよ!」


「疲れた後は風呂入って熱々のお茶って決まってるんだよ」


 テーブルに湯呑みを置いて、椅子に座っているおじさんの名はスガ=フリーク。そして、冷蔵庫の前に立ちコーラを一気飲みしかねん勢いで飲んでいる青年の名は、カタキ=ギムーヴ。


 略してスガさんとカタキ。二人は良く分からないが、一緒に旅をしている。


 いや、スガさんの言う事は少しおかしい。疲れた後だろうが風呂に入った後だろうが、暇さえあればお茶を飲んでいる。これがスガさんのTM内での日常だからだ。


「つーかカタキ」


「なんすか?」


「そういや少数民族消失事件ってXがした事なのか?」


「……そうすねぇ。少なくともあのXは言ってませんでしたね。そんな事」


 あのX、という事は他にもXという極めて危険な生命体がいる事を指しているのかどうかは分からない。


「あのXは、か……。まぁあれじゃねぇの? もしかして、あのXが少数民族消失事件で殺されてしまった人の怒り、って事」


「その可能性ですか……。ってことは僕は家族も殺しちゃったんでしょうか」


 そう言うと苦笑するカタキ。そこまでの後悔はないようだが、あの憎しみに満ちたXだ。もう今更悔んだって仕方がないというものだろう。

 だからと言って、Xがお前の家族もいるぞ? 的な事を言おうが、カタキは迷わずに弔うのだろうが。スガさんが、自らの息子、アイトに関してもそうだったように。


「まぁそれはそれでしょうがねぇ事だよ。あんなのだったしな」


 その事に関してはスガさんも深くは考えなくていいという意見の様で、一度お茶をズズッとすする。この音で緊張感などいらなくなるようなものである。


「ていうか少数……略しちゃえ。あの事件の詳細って僕もよく分からないんすよね。子供だけが一度逃がされて、そこで色々襲撃にあったりしてはぐれはぐれになった結果、僕は生き残れたんすけど……。多分大人たちは交戦してたんでしょうね」


「俺も直接は関わってないから分からないんだよな。犯人はまだ捕まってねぇけど」


 スガさんは、SAS(うちゅうぐん)の元密偵であり、その事件も一般人よりは詳しく知っていた。だがその事件を直接解決するような立場では無かったので、軍内に広がっていった情報を知っている程度だったのだ。

 そしてカタキは、その事件に巻き込まれた身だ。

 そもそも、少数民族消失事件とは、四年前に起こった事件である。未だに犯人は捕まっておらず、解決はされていない。


 ちなみに少し前のスガさんの推測は、あながち正解なのだが、そんな事は知る由もない。


「ま、詳しい事はともかくだ。カタキの一族だけじゃなくて、他の一族も殺されちまったらしいからな。犯人と、倒しちまったXぐらいしか分からないだろ」


「そっすね。僕としては皆の敵を取りたいっすけど、弔いは出来ましたし。というかスガさん」


「んぁ?」



「息子さん、Xに殺されちゃってましたよね」



「あぁ。まぁなんかとてつもない何かがあったんだろうな。アイツぁ(やわ)な事じゃ死なないし」


「それはXが吸収した、って事なんじゃないすか?」


「確かにな」


「ってそうじゃなくて!! だーかーら!!」



 この後カタキが放つ言葉は、もっともなものであった。




「スガさん、これからも旅を続ける理由ってあるんすか?」




「あーそっか……」


 参った、というように髪を掻くスガさん。元々スガさんの目的は、いなくなった息子を探すためであった。だがしかし、その息子、アイトはXに殺され、消滅してしまった。もうスガさんには旅を続ける理由が無い事になるのだ。


「で、スガさん?」


「んーまぁどうせやる事はねぇし、SAS(うちゅうぐん)時代にためておいた金はまだまだあるし、適当に旅すっかなぁ……」


「そうすか。じゃ、僕もついていっていいすか?」


 今、お互いの目的は一致していない。だがカタキは、スガさんと旅をしたいというのだ。



「ま、勝手にしろ」



「やったー!! わーいわーい」


 スガさんはあっさり承諾し、はしゃぎまくるカタキ。


「まぁお前といると絶対退屈しなさそうなんだよな」


「え? 何か言いました?」


「お前がうるさいって事だよ」


「まぁ認めますよ、それくらいは」


「認めんのかよ……。ま、とりあえずはな



 これからもよろしくな、カタキ」



「もっちろんすよ、スガさん?」


 二人は目線を合わせ、スガさんは問い、カタキは笑って答える。



 どうやら、この二人の旅はまだまだ続く事になりそうだ。


 明日に向かって、未来に向かって。




「とりあえずスガさん」


「あ?」



「お腹、空きました」



「今そんな事言うなやあああああああ!!!!!!!!」


「自然の摂理すよ」


「空気を読め空気を!!」


「別にハラ減ったんすから別にって、スガさんお茶をぶっかける態勢やめてくださいよ!!」


「ハハハ、お前にはこれくらいしないとだめらしいからな」


「お茶がもったいない!!」


「じゃあ水にしとくか」


「そういうことじゃなくて!!」


「はいやーっ!!!!」


「当たるかぁ!!」


 スガさんがカタキに水をぶっかけ、カタキはそれを見事にかわす。だが、水がTMの操縦席にびしゃっとかかってしまう。

 別に防水だからどうってことはないのだが、その後がいけなかった。


「いでっ!! あ、なんか押しちゃった?」


「え、それ無差別に移動しましょうボタン」


「え?」


「え?」


『え?』


 カタキがよろけ、ボタンを押してしまい、TMは勝手に行き先を決め、ワープしようとする。二人は顔を見合わせて何も出来ない。

 というか、そんなボタンが何故あるのだろうか。いらない度ナンバー1である。



 そのまま止まることなく、宇宙の彼方へTMはワープした。





はい、ようやく少数民族消失事件について語れました。大体。

これで今回のバトルとはケリがついたかな? と思います。



それでは!

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