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スガさんとカタキの旅  作者: あーく
第一章 出会いと敵打ち
11/20

10話目 ~紅く燃え上がる闘志 Xは滅ぼす~

毎日更新開始!!バトルじゃあああああ


それでは本日分どうぞ!!


 急展開の9話の続き



「親父こそ何やってんだよー?こんな息子に剣なんて向けちゃって」


 スガさんの息子、本名は不明がスガさんに軽い調子で話しかける。吸い込まれるような宇宙で、まだお互いの剣をぶつけ合ったままだ。


「お前こそ何やってたんだよ。前に見かけた時斬ろうとしたけどお前消えたじゃん」


 キィン


 剣を押しあう力が強くなり、二人は後方に飛び退く。そして、そのまま近くの小さい星に着地する。大気圏とかそういうのはなく、月のようなものと考えればいい。

 二人とも息が出来るのだから、宇宙よりかはこちらの地面がある方が戦闘しやすいだろう。


「だって俺さぁもう」




「―――――私達が全て奪ったからな」




「……出たな、Xとやら」


 突如人格でも変わったかのように、声の調子が変わる。体は先ほどまでとまったく変わらない。ただ、目の色が真っ黒に染まっていた。そして、スガさんを睨む。

 スガさんは息子に起きた事態、何故Xが息子と一緒にあるのか、それが分かった気がした。強くXを睨みかえす。


「ああ、そうだ。私達はX、私達の大部分を占めている仲間のために、全てを滅ぼす」


「その後は?」



「何も無い」



「とりあえず滅ぼすってんのかよ……」


 少し呆れた様子で、スガさんはTruth・ブレードを肩に担ぎ直す。


「こっちだって勢いっぱい生きてんだ。勝手に殺されちゃ困る」


 態勢はそのままに、怒気を孕んだ声で言い放つスガさん。


「ほう、やはりお前もか」


「何がだよ」


お前の息子(コイツ)を殺した時も、お前の息子(コイツ)の目の色が変わったからな。それが真実の一族の力か。私達の中ではお前の息子(コイツ)だけが真実の一族だからな。それまでは知らなかった」


「……この目の色かよ……」


一度溜め息を漏らしたスガさんは顔を伏せる。いつのまにか目の色が赤くなっていて、Xはそれを不思議に聞いたのだ。もっとも、聞いていて嬉しくなる質問ではないが。そして、もう一度顔を上げながら語っていく。


「アイツは白くなるから、“真実の白眼”だったっけ。“彼”ってのもあったよな。なんか全ての始末人だったらしいし。まぁ俺は


 ――赤くなってるんだけどな……。“紅い真実”の名は伊達じゃねーぞ」



 スガさんの二つ名、“紅い真実”は、SAS(うちゅうぐん)密偵(スパイ)をしているうちについてしまったらしく、その目の色と、真実の一族という所からきているらしい。


「まぁそこはいい。とりあえず私達は宇宙を滅ぼす、お前の息子の力や皆の力でな。お前はどうする?実の息子を殺すのか?」


 その言葉にスガさんは顔を(しか)める。なんともうざったらしい言い方だったのだ。


「もうアイツは死んでんだろ?だったら俺は、スガ=フリークの名において」




「―――――アイト=フリークの弔い合戦をする」





 スガさんの息子の本名は、アイト=フリークだった。そして、その息子、アイトを殺した奴らを殺すため、宇宙の滅亡を防ぐため、スガさんは全ての決意を決めた。


 Truth・ブレードを構え、左足に力を込める。すると、自然に左足がグッと後ろに下がる。目の色は燃えたぎるように、血のように赤くなる。Truth・ブレードもそれに共鳴するかのように、赤いオーラを放っている。


「そうか、お前の決心はついたか。ならば私達は……」


 アイトは、アイトの形をしたXは、スガさんを見ると、満足そうに呟いて全ての視界から消えた。




「―――――そのまま(ほうむ)るのみ」




 Xは一瞬でその星の上空に移動していた。剣を一振りする。そうすると一筋の斬撃が生まれ、星に向かっていく。スガさんはその様子を少し遅れて捉える。


「あ、やっべ」


 少しだけ慌てた様子でその斬撃を、



 ギィィィィィン



「こっえええ……」


 Truth・ブレードで受け止めた。だがその衝撃がすごいのか、足がどんどん後方にずり下がっていく。


「流石は真実の一族だ。そうでなければ楽しくなどない!!」


 Xはその様子を愉快に笑って見ている。それが少し嫌になったスガさんは、思いっきり斬撃を宇宙の彼方に跳ね飛ばす。


「じゃあこっちから行くぞッ!!」


 スガさんは飛び上がり、Xに向かっていく。そして、剣を振りかぶる。



 キィィィン


 キィィン


 キィィィン



 宇宙を飛び回り、接触すれすれで斬撃を繰り出していく両者。さながら、紅い流星と、白い流星だった。


「そんなもんかよッッ!!」


 スガさんは何も進展がない様子に少し苛立って、一度停止しようとする。宇宙にも慣性の法則が働くのか、少しだけずれた位置で完全に停止した。


「私達も退屈していた所だ、来るなら来い」


「ドMかお前ッ!!」


 さっきから「~ッ!!」という言葉を連発しているスガさんだが、流行ってでもいるのだろうか。

 飛んでいるままスガさんが剣を右手持ちにし、Xの方に突進すると、Truth・ブレードの刀身が今までよりもさらに血の様な赤に染まっていく。

 そして、そのまま技を繰り出す。

 

 

「トゥルース・バーストォォ!!」



 ザキィィィィン!!!!!!



 スガさんは、剣を振り下ろす。それはあまりにも速すぎる斬撃。そのままXを斬って、背後に回っていた。

 そのXは右腕がすっぱり斬れている。どくどくと血が流れて行く。


「ははは!! やはり脆い物よ!! 人間の体などな!!」


 大きく口を開けて、笑うX。右腕が斬れているのに、だ。


「アイトはもっと強かったと思ったけどな。やっぱ死んでんだからか」


 スガさんは剣についた血を振り払い、皮肉めいた口調で言い放った。




「ならばコイツ本来の力を使えたら?」




「おいおい……!!」


 Xの問いに、スガさんは冷や汗をかいてしまう。しかもかなりヤバいという表情で。


 アイト=フリークの二つ名は“彼”。宇宙の規約を犯した星を(めっ)する、始末人だった。それゆえに、宇宙に点在する国家の上層部では、アイトを“彼”と呼び、星が滅される事を危惧していた。


 そんなアイトの力を、父親であるスガさんはよく知っていた。



 次話に続く

 

 


燃え尽きるまで頑張りますっ!!



お知らせ;11話は3月16日午前11時くらいに投稿

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