9話目 ~戦いの始まり スガさんの息子登場~
ごめんなさい。バトルしてないです。最後にちょっとだけです(泣)
それでは本日分です……。どうぞ……。
8話の続き
「どうにかなってくれよ……!!」
スガさんは神に祈るように呟く。
「あ、スガさん」
「んだよ!」
「星を盾にしたらどうすか?」
「星ぃ?」
「適当な衛星でもいいと思いますけど。そうしたら衝撃だって和らぐんじゃないすか?」
「それのった!!」
カタキの提案は、無人の星であれば盾にしてしまえ、という事なのだが、それはかなり有効だろう。衝撃波がTMを襲い、そのままお陀仏、なんて事態よりよっぽどマシだ。
今も、TMの画面には警告メッセージが表示されている。
「手動切り替え!!」
スガさんは操縦席のスイッチを切り替え、自動制御運転から、手動運転に切り替える。操縦桿を握り、アクセルレバーを上げると、ゆっくりかかっていたエンジンは唸りを上げる。
そして急にスピードを上げ、かなりの速さで宇宙を駆け抜けるTM。
「えーっとどの星がいいかな……」
流石は宇宙。そこらに丁度いい星がある訳など無い。あった方が奇跡、偶然、よかったねだろう。
現実なんて厳しいもので、星なんて見つかるはずが……
「あ、スガさん!!あれあれ!!」
「なんて丁度いいんだっ!!」
見つかるのか。宇宙とか理不尽ではないのか。現実め。くしょう。
何故かナレートを何者かに乗っ取られた。失礼。(犯人作者テッヘペロ☆♪)
それはともかく、二人は星を見つけた。どうやら開拓に失敗した星のようで、初期宇宙開拓時代によく見られた、小惑星を人工的に拡大させたものだったらしい。所々自然ありのままでない箇所が見受けられる。
大きさはかなりあるので、衝撃を防ぐには十分と思われた。
「衝撃波が飛んでくるっぽいのがあっちからだから、こっち側に張り付いてればいいのか」
スガさんは器用に操縦桿を操り、TMを衝撃波が当たらない位置へと移動させる。
「スガさんって結構こういうの慣れてますよね」
「密偵のおかげだ」
「僕なんか免許取ったばっかでTMが何故か壊れたってゆーか」
「その話そういや聞いてないな」
スガさんはTMを操縦しながらカタキに言った。衝撃波を防ごうとしている星は、引力に引かれるかのように少しずつ動いていくので、微妙にTMの位置を変えていく。
「説明めんどいんで、http://ncode.syosetu.com/n2110bz/1/ここ見てください」
「は?」
「だから見てくださいってうわああああ」
カタキが意味不な事を言っている最中に、サイレンとともにTMに警告メッセージが再度表示される。
ウイイイイン
「来るかッ……!!カタキ、助手席座ってシートベルトしとけ」
「おkですっ!!っていうかワープすればいいんじゃ」
「あ、確かに」
カタキがもっともな提案をしたので、スガさんはワープが出来るかどうかを確認する。
「ダメっぽい。なんかそういう系の機器が使用不可能だとさ」
「じゃあそのまんま逃走」
「逃げられない」
「え、じゃあもう耐えるしk」
カタキの言葉はさえぎられ、
「―――――来たッ!!」
無音の衝撃波が宇宙を駆け抜ける。TM宇宙船modeで三時間程度しか離れていない星、しかも恒星で無く惑星が破壊され、爆発したのだ。
もし、惑星が爆発したなら、答えは幾つであろうか。
スター○ォーズよろしく、惑星に亀裂が入り、爆発するなんて事ではない。もちろん爆発音なんて聞こえる訳無い。ここは宇宙、真空だ。空気が振動し、音が聞こえる訳なのだから、衝撃波が来るかどうかと言った所だ。
超新星爆発であったら死滅するのは当然だ。ただしそれは恒星の最期。
惑星であったら、内部から爆発した、と考えるか、未知の力で爆発させたとしか思えない。
「つかなんで惑星が爆発するんすかぁぁあ!?」
「俺に聞くなぁああ!!」
「疑問多すぎっすよおおお!!!」
「だから俺に聞くなあああ!!!」
二人もその事は疑問に思っているらしいが、何も分からない。
そして、衝撃波が盾としている星を襲った。
―――――星はバラバラと破片を撒いていき、見る形も影も無くなっていく。
「あーこれ無理だ!!おいカタキ!!」
「はいぃ!?」
スガさんはその様子を見て叫んだ。そしてシートベルトを外す。カタキはそれを見て何だ!?とスガさんを見る。
「TMの操縦頼む!!」
「え、ちょ、スガさあああん!!!!宇宙服も着ないでどうすんすか!!」
「だいじょーぶだからよろ!!」
「はあああああぁぁぁぁ!!!!????」
正気の沙汰とは思えない行動をとるスガさん。それは、宇宙服も着ないで、TMから出て行こうとしているという事だ。
ドアが開き放たれ、TM内の空気が宇宙へ逃げて行く。
「……よし!行っくぜ!!」
スガさんが気合を込めると、スガさんの体が光に包まれる。
そして、TMから宇宙に飛びこんでいった。
「つくづく便利な力だな……」
スガさんは、TMから飛び出した後、重心移動だけで宇宙を移動していた。
何故スガさんが宇宙で息をしていられるのか、どうして無重力の中で自由に行動できるのか。
それは、スガさんの力によるものだった。
そんな理屈で説明は出来ないが、スガさんを包み込んでいる光によって、上の事が出来ると思われた。
「さぁやりますかッ……!!」
スガさんに、盾としていた星の破片が近づいてくる。かなり大きく、旧型の宇宙船ならば一発で崩壊する大きさだ。
しかし、スガさんは怯む様子もなく、Truth・ブレードを右手に顕現させる。
重圧感のある剣を両手持ちにし、大きな破片に向かいながら、右斜め上から剣をふるう。
「―――――トゥルース・バーストッ!!!!」
ザキィィィィィン
恐ろしく速い一撃が繰り出される。鋭い刃は、あれ程の破片を斬っても傷一つない。技を繰り出す前には、特に普通であった刀身は、血のように紅く輝いている。
それでも破壊はされていない大きな破片。何も起きていないのか……?と、その現場を見れば誰もがそう思うだろう。
でもスガさんはそれに構わず剣をもう一度、
ヒュン
とふるった。
そうすると、大きな破片は粉々になった。
「久しぶりだな……」
過去を懐かしむかのように、呟くスガさん。刀身を左手で撫でる。
「どうみたっておかしいだろ、これ……。つか見覚えあるんだよなー」
スガさんはこの状況に、惑星が爆発するという異例の状況を見たことがあるのだろうか。
「……あーそうだそうだ」
どうやらそれを思い出したらしい。
そして、その名を呟こうとする。
―――――しかし、後ろから何者かが襲ってくる。
気付かないのか、スガさんは動こうとはしなかった。
だがそこは、“紅い真実”の二つ名を持っていた、今も持っているのかもしれないが、その二つ名は伊達じゃなかった。
斬られる寸前に後ろに振り向き、剣を振るう。
ギィィィィィン
剣と剣がぶつかり合い、音を立てる。
スガさんはその人を睨みつけ、
「よぉ、このバカ息子。何やってたんだよ」
襲撃してきたのは、スガさんが捜していた人。自らの息子だった。
次話に続く
よっしゃあああ!!!次バトルだあああ!!!頑張るぞッッ!!次話からは毎日更新です!!
※作者が本気になったためです
お知らせ;10話目は3月15日午前11時くらいに投稿