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家族との生き方

大日本帝國は正式に華国に宣戦布告を発表した。華国の支配下にある鮮国の軍事基地の占拠に成功しまずは一勝をあげた。鮮国の基地は今はFirst Heroの基地となっている。Rise8は空母を本拠地に鮮国の近くを航海中である。華国も正式に大日本帝國との戦争の準備を始めた。華国の軍事力は大日本帝國の倍を誇ると言う。しかし先日の基地の占拠に驚きを隠せず未だに議論が続いており国内では暴動も起きている様だ。


Rise8空母内。

「アニキ!久しぶりだね!」

「お前は蓮じゃないか!元気にしていたのか?」

「うん。今日からこの船の医療班に入隊したんだ!」

「そうか、お前もこの船に所属したって事はこれからずっと一緒に暮らせるな!」

蓮はこのRise8の隊長の弟分らしく子供の頃から仲がよくずっと慕っていた。俺が祖国開放軍を立ち上げた時に蓮とは別れてしまい以来10年以上顔を合わせていなかった。

「隊長の名前を見た時はびっくりしたよ!だってアニキと名前が一緒でもしかしたらって思って入隊を希望したらやっぱりアニキだったんだ!」

「一つ聞きたいんだが、お前男だよな?」

「何言ってるんだよアニキ!僕は正真正銘男だよ?」

確かに昔から可愛い顔してたが下手な女より可愛い。むしろ彼女にして抱きしめたい。10年という時間は奇跡すらおこすのか。

「可愛いくなったなお前」

「アニキこそ男らしくなったね」

Why?何故?こんなに可愛いのに男?これが俗に言う男の娘って奴か?しかも医療班?天使?でもついてる?おかしい、何かがおかしい。

「とりあえず部屋の鍵渡すからついてこい」

「えーアニキと一緒の部屋がいいよ!」

「そういう訳にもいかないんだとりあえずついてこい」

「はーい!」

そして艦長室に向かった。子供の頃の話や俺と別れてからの話を蓮は話してくれた。

「ここが艦長室だ普段は俺はここに居る事が多い。何か用があればここに来い。あとこれがお前の部屋の鍵だ。個室だから好きに使っていいぞ。あとこの船の地図だ迷子にならない様に無くさない用にちゃんと持っとけよ」

「アニキの部屋は何処にあるの?」

「お前の部屋の隣だ。お前にはさみしい思いをさせたからな。俺の部屋の合鍵も一緒に渡しておくよ」

「いいのアニキ?」

「あぁいつでも遊びに来い」

「昔みたいに一緒に寝てくれる?」

「たまになら構わないぞ」

「やったーアニキ大好き!」

「とりあえず部屋に荷物を置いたらみんなに挨拶を兼ねて昼食を食べるからそれまで自由にしてていいぞ」

「俺は昼食の準備をしてくる。何か食べたい物はあるか?」

「じゃあアニキの作った唐揚げが食べたい!」

「わかった。沢山作ってやるから楽しみにしてろ」

そう言うと蓮は楽しそうに部屋を出た。そして俺はFirst Heroの隊長に連絡を入れた。

「もしもし?Rise8の黍野だけど鶏肉をありったけ欲しいんだけど」

「いきなりどう言う事ですか?確かにこちらは食糧に余裕はありますが理由無く渡す訳にはいきません」

「10年ぶりに弟と出会ったんだ。弟にはさみしい思いをさせてしまったからせめてアイツの願いは叶えてやりたくて」

「そうですか。私も基地の件で御礼もしたかったので丁度いいです。大至急準備して空輸します」

「恩に着る」

数十分後一機の飛行機が着艦した。

「First Heroの隊長から言われて持ってきました。一機しかない冷蔵庫搭載機だったので準備に時間がかかってしまいましたが」

「ご苦労様。こいつは俺からのプレゼントだ」

「これは?」

「知り合いに鍛冶屋がいてそいつに作ってもらった特注のナイフだ」

「そんな高級品頂く訳にはいきません!」

「Rise8の隊長としてじゃなく俺個人としてのプレゼントだ持ってけ」

「ありがとうございます大切にします」

そういうと彼は飛行機に乗って帰った。

「ざっと鶏肉30kgかとっとと料理にとりかかろう」

割烹着に着替えて鶏肉に下味をつけていく。味を染み込ませる間に付け合わせのサラダを作る。そして味付けした鶏肉に片栗粉をつけて大窯でじっくり揚げていく。出来上がった唐揚げを大皿に盛り、蓮のために別の皿にも盛りつける。なんとか昼食の時間には間に合った。全員が集まった所で蓮の紹介をする。

「新人を紹介する。全員注目しろ」

「えーっと今日から医療班に入隊しました蓮です」

人前は慣れていないのか少し恥ずかしそうだ。隊員達の間でざわめきがおこる。

「この舟にやっと女の子が…」

「誰あの子超可愛いじゃん」

「あれが天使か…」

「ノーチェン」

やはりみんな蓮の事を女の子だと思っている様だ。

「ちなみにコイツは俺の弟分で男だ変な気は起こすなよ。手を出した奴は容赦なくこの俺がブチ殺す」

ざわめく隊員達。

「はははまた御冗談を…」

「男…あんなに可愛い子が男…」

「そんな…馬鹿な…」

「アリ、むしろアリ」

「さて紹介も済んだし食べるぞ!いただきます!」

「「「いただきます」」」

「蓮こっちにおいで俺の隣に座りな」

「はいアニキ!じゃなくて隊長!」

「アニキでいいよ」

「これ全部アニキ一人で作ったの?」

「あぁもちろんだ。美味しいか蓮?」

「とっても美味しいよアニキ!」

「おかわりも沢山あるから好きなだけ食べていいぞ!」

「わーぃ!アニキ大好き!」

久しぶりの蓮との食事だ。これからはこいつにさみしい思いをさせない用に頑張っていこう。

「ごちそうさまでした」

「「「ごちそうさまでした」」」

「いつ華国が軍を出して来るかわからない。全員常に出動できる様に準備は怠るな」

昼食を食べ片付けが終わって食堂から出ると蓮が待っていた。

「アニキ!一緒にゲームしに行こう!」

「よしじゃあ一緒に行こう!」

血は繋がっていない。けれども俺にとっては唯一の家族の様な存在だ。蓮を護る為にもこの戦争で負ける訳にはいかない。蓮にさみしい思いをさせない為にこの戦争で死ぬ訳にはいかない。この「地獄」で生き方に新しい希望ができた。


家族との生き方。



7月中は更新が不安定になりそうです。

次回は番外編の予定ですまだまだお付き合いください。

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