戦場での生き方(下編)
侵入部隊。俺と福井さんは順調に司令部へ登ってゆく。少し登った所に敵兵がいたこちらの方を見ておらず俺達に気が付いていない様だ。
「ここで待っていろ」
突然伸介さんにそう言われた。すると伸介さんはナイフを構え敵に忍び寄る。そして敵の首に腕をかけた。
「司令官は何処だ?」
「知らない…本当なんだだから命だけは…」
「貴様に価値は無い」
そう言うと伸介さんは敵兵の頸動脈をナイフで掻き切った。紅の鮮血が噴水の様に吹き出し辺り一面を赤色にした。伸介さんは返り血を拭き取ると無言で司令部を目指した。しばらく進んで行くと頑丈そうな扉が見えてきた。恐らく司令部である。
「構えておけ」
そう言うと伸介さんは投げナイフ3本を左手に右手にはリボルバーを構えた。俺はハンドガンを構えて呼吸を整えた。伸介さんは思いっきりドアを蹴り破ると同時に投げナイフを中に居た憲兵に向けて投げつけた。投げたナイフは各自に心臓と首そして頭に深々と刺さっている。
「お前が司令官か?」
「とうとうここまで敵が来たか…そうだ私がこの基地の司令官のレイだ」
「今なら降伏も聞き受ける」
「降伏だと?この私に頭を下げろと?フン、バカバカしいそれなら自殺した方がマシだ」
すると突然どこから取り出したのかナイフを構えて伸介さんに飛びかかった。だが伸介さんはナイフを蹴り飛ばすとそのまま敵の首に足を絡めて引きずり倒した。
「あまり私を甘く見るな」
そう言うと伸介さんは敵の顔を全力で殴り出した。血が出て歯が折れても関係ないただひたすら殴り続ける。命乞いも聞かずにただひたすら殴り続ける。最初は抵抗していた彼も既に意識はなくなっている様だ。顔は腫れ血で誰かもわからない。微かに息はしているようだ。
「それぐらいでいいでしょう伸介さん?彼は捕虜にしましょう」
そう言うと伸介さんは無言で立ち上がった 。
「縛っておけ」
そう言うと伸介さんは隊長に連絡を取った。
「司令官を捕虜にした。任務は完了した」
「了解した。ご苦労様。もうすぐこっちも片付くハズだ少し待っていてくれ」
First Hero。司令官を捕虜にしたという連絡を受け制圧作戦も終盤へ向かっている。
「全兵に通達してください、機関銃で掃射を始めるから前線を下がってください。と」
First Heroの機関銃による掃射が始まると敵兵は銃を捨てて逃げ出した。
「敵兵は生かしてはいけません。徹底的に撃ってください」
Rise8。隊長から全員に向けて通信が入る。
「司令官を捕虜にした。全員撤退だ船に戻るぞFirst Heroの機関銃に当たらない様に早く帰ってこい」
その声を聞いた隊員達は前線を後にし後退を始めた。
「水谷俺たちも船に戻るぞ」
「了解っす隊員ー」
侵入部隊。司令官を拘束し怜司さんと紘翔さんと合流した。
「お疲れ様。First Heroにこいつの身柄だけ渡して早く船に戻ろう」
数分後にFirst Heroの隊員がやってきたので司令官の身柄を渡して終えてこれで俺達もやっと船に帰る事が出来る。
「帰ろう」
伸介さんの後をついて船まで歩いて戻った。船には既に皆が集まっておりどうやら最後だった様だ。
「よし、皆帰るぞ!」
小型艇に乗って皆の様子を見る。誰一人として怪我すらしていない。五体満足死人無しあれだけ激しい戦闘だったのに皆無事だ。疲れていたので少し眠っていると俺達の空母に戻っていた。
「夕飯まで自由時間にする。風呂に入るなり銃の整備なり各自ゆっくりしていろ」
とりあえず自室に戻ってシャワーを浴びよう。汗や返り血で体が汚れている。シャワーを浴びて服を着替える。夕飯まで少し時間もあるしベットで横になろう。 そういえばアイツは何処にいるんだろう元気にしているだろうか。そんな事を考えているうちに夕飯の時間になった。
「今日は皆よく頑張った。それじゃあいただきます」
「「「いただきます」」」
今日のメニューはハンバーグだ。少し切っただけで溢れる肉汁、口に入れると肉の味が口全体にひろがる。隊長の料理はやはり最高だ。
「今日はみんなゆっくり休んでくれ。それじゃあごちそうさまでした」
「「「ごちそうさまでした」」」
さて自室に帰って今日はもう寝よう。明日は何があるんだろう。そうして俺は眠りについた。