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予期せぬできごと
私は、絵本の中の女の子に話しかけた
「いいよね、あなたはずっと子どもでいられて
私、大人になんてなりたくない
あなたと替われたらいいのにな」
私がそう言った瞬間、部屋の中がグラリと揺れたような気がして、私は思わず目を閉じた
目を開けた時、そこには、絵本の中の女の子が立っていた
「あなたは大人になりたくないの?私は大人になりたいよ
この絵本の中でずっと子どものままだったから、大人になりたいと思ってた
あなたと替わってあげる」
そう言って、女の子が私の手にふれたとたん、私は絵本の中に吸い込まれた
部屋の中で、私と入れ替わった女の子が言った
「替わってくれてありがとう」
「待って、待って」
一生懸命叫んでみたけど、それは声にはならず、私の目の前でページは閉じられた
つづく