過去の夢。克服出来るかレニ
新しい町に着きそう→アル登場、仲間に→酒場へ→チャーハン食べるよ!→ついでに宿ゲットズサー
前回投稿分に少し追加しました。※でページ内検索するとそこまで飛びます飛びます
町の人々からあまり歓迎されない形ではあったが、宿を紹介してもらい一泊するアイン達。
一度泊まると決まったからだろうか、宿の店員達は開き直って愛想良く対応をしてくれた。
泊まる際、特に困る様な出来事は無く就寝の時間を迎える。そんな時だった。レニは悪夢でも見ているのであろううなされ始めたのは。
夢を見ている。まだ責任と言う言葉を感じなかった頃。十五歳の頃。レニは生まれ育った村に居た。
農家は畑を耕し、女は家事に追われ、子供は元気に遊んでいた。平和だった。
レニは夢だと自覚する事無く、おぼろながら家に帰ろうと思った。
遅くはない速さで駆ける。駆ける。すれ違う村人達に挨拶をしながらレニは駆けた。
やがて自分の家へと辿り着くといきおい良く扉を開いた。
中には父と母、そして弟が居た。丁度お昼頃だった。レニの家族は食卓に揃っていて、帰ってきたレニを暖かく出迎えた。
逞しかった父。優しかった母。生意気だった弟。皆で食事をとる姿は幸せだった。
いきなりの話ではあるが、レニが生まれ育ったこの村。美形が生まれる血筋として噂が流れるほど美男美女が揃っていた。
ただの噂で終わらない。確かにそこに住む人達は美しい容姿が揃っていた。
そして、それが悲劇を生む原因にもなってしまった。
食事をとり、会話が弾もうとした瞬間。悲鳴が聞こえてきた。
父は何事かと、慌てて表へ出る。母は心配そうに、レニと弟は扉の所から覗き込んでいた。
「!? な、これは……二人共見るな!」
父の言葉は遅かった。レニの目に飛び込んできた光景は十五歳、いやどんな年齢にも惨劇に映る光景だった。
男が血を流し倒れていた。女が服を裂かれ泣き叫んでいた。
「!?」
その惨状を生み出していた男達は嬉しそうに、楽しそうに殺し、犯し、笑っていた。
そして、その中心に貴族の姿。ジープ・サラーサ・チェロキーの姿があった。
「はっ!?」
レニは全身の汗を流しながら目覚めた。汗だけでなく、涙さえ流していた。
「ゆ、夢……そう、夢……よね」
両手で顔を覆い、小さく声を漏らす。そんなレニに声をかける人物が居た。
「レニ」
アインだ。何故アインが居るのか? 答えは簡単だ。親子部屋として宿を借りただけに過ぎない。アルは熟睡している。
「……アイン様。起こしてしまいましたか」
「もとより眠っていない。過去の夢でも見たか? ジープの名を聞いてから様子がおかしかったからな」
「はい……。夢を見ていました……私以外の村の人達が殺されてしまった頃の、夢を」
※
朝、朝食の席。アインの横にアル、迎えにレニが座って食事をしていた。
「アイン様。今日は早速近くの町へ赴きギルドでジープの情報を得ようと思うのですが」
「俺に面倒をかけさせないなら好きにせい」
「そこは心得ております」
レニの返答にそうかと言いつつ焼き魚を頬張るアイン。
そんな二人の会話を聞いていたアルがレニに待ったをかけた。
「昨日少し調べてみたんですけど、近くの町にもギルドの支部が無かったですよ」
「え? そうなのですか?」
「えっと、はい。この町だけでなく、近辺の町も貴族であるジープが収めていて、ギルドの建設を阻止していたみたいです」
「と、なると……少々面倒ですが、町の方々から情報を仕入れるしかありませんね」
「ま、そう言うこったわな」
アインの言葉でその場を収め、早速外出する二人であった。
何故二人か? アインは宿で寝ています。
外出した二人であったが、やはり町の人々はレニとアルの姿を見ると顔をしかめてしまう。昨日聞いた若い女と可愛らしい男の子が二人に当てはまるからであろう。
話をしようにも、門前払いが多かった。
「他を当たってくれ」
「巻き込まれたくないんだ。他の人に聞いてくれ」
「そんな事よりこの町を出なさい」
中には気を使っての言葉もあったが、殆どが二人が狙われた時に巻き添えをくらいたくない。そう感じ取れる態度の者達だった。
レニとアルは人々の態度に落胆しつつも歩みを止めなかった。
「なんとも、取り付く島もありませんね」
「目をつけられたくないって事でしょう。仕方ありません」
そんな会話をして歩いていた時、レニは正面から歩いてきている二人の男に気づいた。
男二人はレニ達に気付いておらず、呑気に笑い合いながら歩いていて目を見開いて見つめるレニに気づいていない。
「……見つけた」
「? レニさん?」
「私の村を襲った男……見つけました!」
アルからしてみれば突然の出来事だった。
レニが気づけば目の前の男に殴りかかったのだ。いきなり過ぎて理解が追いつかなかった。
「いきなりなにしやがる!」
「うるさい! あなたたちのせいで私は、私たちの村は!!」
そう短い言葉のやり取りをし、レニは大きく振りかぶり、されど目にも止まらぬ速さで男を殴り飛ばした!
男は一回、二回と大きく跳ねるとそのまま気絶し横たわる。
もう片方の男は焦って構えもせずレニに殴りかかる。しかし! レニは迫り来る拳を上へ逸らすと体を回転させ後ろ回し蹴りを男の横っ腹へと叩き込んだ!
男は吹っ飛ばされなかったものの、余りの痛みに膝をつき苦悶の声を出す。そんな事を構わずレニは更に回転蹴りで頭を蹴り抜く!
男は衝撃で耳から血を出しながら地面にその体を擦らせながら飛んでいき体を痙攣させる。
「うぅ……助けて、くれ」
「……貴方達は、そう言った村の人達にどうしましたか? 助けるどころか、殺したくせに!!!」
そう声を荒げて叫んだレニは右手に魔力を集中させ氷を作り上げる。
作り上げた氷は形を成していき、氷の刃へとなった。
「今度は、貴方の番です」
氷の刃が男の胸へと突き刺さり、先ほどよりも大きく痙攣し絶命した。
その時、初めに殴り飛ばされ気絶していた男は目を覚ますなり仲間が死んでいて恐怖に怯える。
レニはそんな男の様子を冷めた目で見つめ、そして笑った。嫌な印象を与える笑顔で。
「では、ジープの事でも教えていただきましょうか」
レニによる手加減など知るものかと言う拷問を受け、男はジープの屋敷や今まで仕出かした事、ジープの事を知る限り話した。
アルはレニの過去を聞いていた事もあり、ジープの悪行を聞いてレニの復讐心も理解出来た。そして、子供心でもジープは死ななければならない存在だとも感じるのであった。
レニはアインに得た情報から夜にジープの屋敷に強襲する事を伝えた。二つ返事で了承の言葉を聞いて早速、今夜決行する。




