その子の名はアル。新しい仲間と新しい町で
短くて申し訳無いです。名前間違えていたので修正しましたー。
一日歩いた。二日歩いた。三日歩いた。そして、アインは疲れた。
「おい、いつになったら次の町に着く……」
「? アイン様?」
次の町にいつ着くのか前を歩いていたレニにアインが聞こうとした所、言葉の途中でレニの後ろに建物が集まった区域。俗に言う町があった。
アインは途中で言葉を止め、何でも無いと手をブラブラさせて答えた。レニはそんな行動に理解しかねるも納得してまた歩き出した。
はぁ、と一息。アインはため息をついてある考えを心の中で呟いた。
(これだったら飛んでくれば良かったんじゃね?)
後の祭りである。
丁度お昼頃。アイン達はコロンと言う町に辿りついた。安堵するアインに、アイン以外の事は二の次のレニは特に興味無いと言った様子で街の様子を眺めていた。
そんな時だった。後ろから声をかけられたのは。元々自分達の後方に人の気配があったのは知っていたが、それなりの距離があったため、気にしないでいた。
特に驚く事も無く、二人は振り向く。すると、ギルドの者らしき男と少女がこちらを見ていた。
「アイン殿で間違いないね?」
「あ? そうだが、面倒事ならいらんぞ」
「はは。そう言わんでくれ」
アインの軽口にギルドの者は軽く笑った。それから、隣に立っていた少女を自分の前にそっと押し出す。
アインもレニも疑問に思っていると少女は緊張した様子で語り始めた。
「あっ、あのっ。初めまして! アル・ミニウムと言います!!」
「はぁ」
少女、アル・ミニウムの自己紹介にレニが何だろうと声をもらす。
「先日、アババ達から助けていただきありがとうございました! その、お礼が言いたくてギルドに無理言ってここまで連れてきてもらいました」
「ちなみに、こんな見た目だが男の子ですよ」
「え?」
ギルドの者の言葉に思わず声をもらすレニと、興味なさげにふーんと言ったアインであった。
反応の薄いアインにアルは一瞬、えっと思った。何せ、これまでの人生で外見と実際の性別を聞いて驚かなかった者は居なかったからだ。
「あ、あの……驚かないんですね?」
「何でだよ。んなもん見た目女かもしれんが男だろ。動き見とりゃ判る」
そんなアインの言葉にアルは瞬時に顔を綻ばした。この出来事が、アルが一気にアインに懐くきっかけとなった。
少しして、ギルドの者は帰っていった。アインは二人を引き連れ町の中を歩き出したが一つ。違和感に気づいた。
(外出している者が少ない? いや、居るには居るが……女が居ねぇな)
周りを見渡してそんな事に気づいたものの、答えが判らないので考えるだけにとどめる。
ある一件の店の前を通り過ぎようとした所、その店から客が出てきた。女である。
その女はアイン達に気付くと顔を青くして足早にその場を去っていった。レニとアルはその様子に首をかしげる。
「レニ、この町にギルドはあるのか?」
「いえ、確か無かったかと」
「……じゃぁ、酒場で情報収集か」
酒場に着いた一行は中に入っていった。中に居た店員、少ない客達は誰かが来たと少し焦った様子だったがアインの後ろにアルの姿を見て落ち着く。その様子に疑問が生まれたがアインは店員を捕まえて注文をした。
「俺はチャーハン」
「あ、私も同じ物を」
「えっと、僕も」
三人の注文を聞いた店員はかしこまりましたと言い残し、厨房に伝えに行った。
暫くし、チャーハン三人前を持ってきた店員をアインはまた捕まえる。
「なぁ? 何故この町には女が少ない」
「……子供連れって事は旅の人だと思うけど、早めに出た方が良いよ」
店員の言葉にレニとアルが顔を見合わせる。
「この町を収める貴族、ジープ・サラーサ・チェロキーは可愛らしい女子供を捕らえては屋敷に連れ込む。帰ってきた者は皆死んだ様な目をして動かない。聞いた話じゃ犯され続けたって話さ」
「ジープ……!?」
店員の言葉にレニが反応した。体を小刻みに震わせ、心なしか顔色も悪い。
そんなレニに一瞬だけ視線を向けたアインが店員に言葉をかける。
「子供連れでな。すぐに出る事が出来ん。宿を紹介してもらえんか?」
「……しょうがないね。ちょいと待ってな」
そう言うと店員は一人の客に声をかけに行く。宿の関係者なのだろうか?
話をし終えると男の客がアイン達の所に歩いてきた。
「よぉ。俺は宿を経営している者だ。それ食い終わったら声をかけてくれ。案内するよ」
宿、ゲットである。
次回はもっと長めにしたいなー




