その後の街。裏で蠢く野望
朝食でレニとアインが別れる→森に移動→アババ!謀ったなアババ!→アイン来た!これで勝つる!
今回はかなり短めです。これ以上引き伸ばせなかった!それだけだ!(コラ
アババ、イザヨ、オクスンは死んだ。これまで港町を発展させ維持してきた者達だったが誰も惜しむ者は居なかった。
アインが戦いの場に連れてきていた男とギルドの使いの者がその場で聞いた事、連行した賊の言葉を皆に伝え、街の長を殺したアインを感謝したくらいだった。
その辺りは事前に情報集めと、証人になるであろう者を用意していたアインの思惑通りと言った所だろうか。
捕まえた賊からアジトの場所を聞き出しギルドのメンバー達が赴いた結果、娘達はすでに売り払われ行方が掴めなかったり、性のはけ口にされ精神的に死んでしまった様な者ばかりだった。
アジトに乗り込んだギルドの者達は誰もが顔をしかめてしまったものだ。
「おい! 一人無事だった子が居るぞ!」
「そうか! 良かった。それはなによりだ」
アジトの一室で、ただ一人。足枷を付けられて座り込んでいた非常に可愛らしい容姿をした子供が居た。
近くに居た者がすぐに足枷を外そうとしゃがみこみ、安心した様に話しかける。
「俺達はギルドの者だよ。とくに乱暴をされた様には感じないけど、大丈夫だったかい? お嬢ちゃん」
「……僕、男です」
「え?」
何とも言えない空気だったと後に語られたのであった。
場所が大きく変わってある一室。豪華な装飾品が飾られており、一目で貴族の家であろう事が判る。
その場に、男が二人。一人は腰掛け茶を楽しんでいる。そしてもう一人は部屋の中を歩き飾り物を眺めている。
「アババ・アルバア・アフチックがやられたらしいではないか? グランドよ」
装飾品を眺めていた男が正面に向けた視線をそのままに話しかける。
「何、アババは十分に我々の活動の為に稼いでくれたよ。ただ……私欲が強すぎた。それだけだ」
「それだけだと? アババは私達どころか、このグランディクス全域でもトップクラスの魔法使いだぞ。仮に、私達に牙を向く者が現れた時の戦力が大幅に削がれたではないか」
「しかし、アババを殺した者の情報が無い。それでは刺客を送る事も出来ない。だったら……慌てるだけ無駄さ」
「……むぅ」
「それに、貴方にも気をつけてもらいたいものだジープ。欲深い君だ。いつ民に反乱されるか判らん」
「フン。なに、我が領土の民にはそんな事は出来んよ。私のおかげで、今の裕福な生活が出来るのだからな」
「……裕福ねぇ」
「何か言いたい事がある様だが、私は帰らせてもらうよ。せっかく、アババの所から買い取った娘が届いたばかりだからね」
そう言ってジープはにやりと笑う。その笑みは見た者に不快感を感じさせるものだったが、グランドは横目で見て軽く息を吐く程度の反応を返した。
「ジープよ。忘れるな。我々の目的は破壊神の復活。そして、その後の世界の王だ」
「フフフ……、わかっているよ。しかし、アババが居なくなったのは困ったね。魔法でモンスターを制御しようと考えていたが、アババ以外の方法を探さなければならないのだから」
「アババの代わりは一人では現状不可能だからな。複数で補う形になろう」
「……よし、話は終わりだ。これで帰らせてもらうよ」
「……せいぜい、奴隷共に噛み付かれない事だ」
グランドの皮肉にジープは笑い声で応え、部屋を出て行くのであった。
今回でアババ編しゅーりょー。
次編は旅の仲間も増えて賑やかになりまっする。




