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異空間世界グランディクス(更新停止)  作者: 綾禰
大魔法使いアババ篇
3/8

仕事内容の把握。犯人は誰だ

街では事件が起きてます→街の偉い人登場→お家に来てください







 オクスン達に案内されてたどり着いた建物をレニはポカンと見上げてしまったレベルだった。


 同じ街の建物とは思えない程の館で、長い事旅をしてきたレニだったが初めて見るサイズ只々惚けてしまった。


 これだけの家が建てれるお金があったら、アイン様ともっと楽に旅が出来るのに……。


 そんなレニの思考は置いといて、イザヨとアババは門番に扉を開けさせて中へと入っていく。


 応接室に案内されたレニは外見通りの広い部屋を見渡した。


 部屋の中心に楕円形のテーブルがあり椅子が四つ。片側に二つずつが並べられていた。周りには見た目からして立派な装飾品が飾り付けられていて、観賞用のコップや皿。剣などがあった。



「ヒョヒョヒョ。部屋の物が珍しいかえ?」



 席に座る様に施されるなか、アババがそう聞くとレニは滅多に見る機会がありませんので、と答えた。


 四人が座るとちょび髭を生やした初老の男が三つのティーポット、コップ、そしてミルクと糖蜜、ジャムを入れた容器をサービスワゴンに載せて運んできた。



「ストレート、レモン、ミルク、ジャム入りとご用意出来ます」


「……では、ミルクを」



 初老の使用人が客であるレニの側に初めに行き、レニの希望を聞いてお茶をいれる。


 続いてアババ、イザヨ、オクスンと順に用意していく様を見てレニはこの三人の力関係を簡単にだが推測する。


 作業を終えた使用人は一礼をし部屋を出ていき、扉が閉まった事を視認してからレニが口を開いた。



「それで、どういった仕事の依頼で私を?」


「ああ、では本題に入りますかな。我々の話とはだね、貴女に一つ。アババ様一人ではそうそう対処しきれない仕事を依頼したいのだよ」


「対処しきれない? 魔法使い(アルバア)であるアババさんがですか?」


「うむ。今この街で何人もの行方不明者が現れている。そして、色々と調べていった結果。モンスターが犯人だと言う事を突き止めたのだが」



 モンスターと聞いてレニは驚いてしまった。


 確かにグランディクスにはモンスターと言う一般の人では簡単に太刀打ち出来ない存在が居る。だがしかし、そのモンスターの数自体は少ないのだ。


 モンスターは空間の歪みから現れる。その空間の歪みの発生率と言うものが、全くの未知数であると同時に確認された回数が少ない。


 だからこそ、対処出来るペースで出現していたのでグランディクスの人々は生き抜いてこれたのだが。



「モンスターですか。確かに……見たところアババさんはモンスターを相手にするには少々年をとり過ぎている、いえ、失礼しました」


「ヒョヒョヒョ。わしもこの年になってばばあ扱いされる事を気にしておらん」


「そう言っていただけるなら助かります。モンスターが相手として、それ以外の情報はありますか? 特徴や、住処や、知性がある様なら目的とか」


「特徴と言いますかな、外見は犬型で人間よりも一回りも二回りも大きいやつです。やつらは街から東に向かった所にある洞窟を縄張りにしています。目的は餌と、子供の狩りの練習……でしょうな」



 この街に来てすぐ入った飲食店の店長から聞いた若い娘と言うキーワードを思い出したレニ。


 成る程確かに。比較的力がある男や、小さな子供では無い理由に納得した。



「そうですか。だから成人男性を三人、時間をかけずに一人で圧倒した……モンスター相手でも戦える可能性を持った旅人である私に声をかけたのですね」


「そうです。話が早くて助かりますな。報酬は成功した時に払いましょう。今日ゆっくり船旅の疲れを癒して明日の昼。早速お願いします」


「ふふ……まだ引き受けるとは言っていないませんのに。もうその気になっているのですね」



 そう返すレニにイザヨは目をぱちくりして動きを止めた。



「ヒョヒョヒョ。お嬢ちゃんの言う通りだねぇ。だけど、断る気も無いのだろぅ?」


「ええ、意地悪な事を言ってすみませんでした。イザヨさん」



 そう言って謝罪の言葉をのせて微笑むとこりゃ参りましたな、と苦笑して応えた。



「では、私はこれで戻りますね。場所を移動するからどれ程の事かと思いましたが思ったよりは簡単そうです」


「心強いですな。では明日、オクスンに迎えに行かせますよ」


「はい」



 話は終わったとレニが席を立つとオクスンがどこから取り出したのか、鈴を鳴らすと先程の初老の使用人が再び現れてレニを出口まで案内した。


 レニが門の所まで来ると先程は居なかった門番らしき女性が立っている事に気づいた。



「彼女には門番をしてもらっています。夜は館の中は寝静まってしまいますので」



 夜間警備と言う事だろうか?


 レニはとりあえず門を通り過ぎようとしてまたも驚いてしまった。


 何故か、それは門番に原因があった。


 門番は赤い髪の可愛らしい少女で、どこか地球の中国っぽい雰囲気をもっていたのだが驚くのはそこではない。



(……立ったまま寝てる。何て器用な)



 確かに器用だが、はっきり言ってこの少女は門番の意味を成していなかった。




短い……

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