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異空間世界グランディクス(更新停止)  作者: 綾禰
大魔法使いアババ篇
1/8

旅人二人港街

初めまして。もしくはお久しぶりです。綾禰(アヤネ)です。この度私事で放置状態になっていたグラディを再開及び、書き直ししようと言う事でリメイクさせてもらいます。一度見ていただいた方でも描写の書き直しもあるので大丈夫かと思います。どうぞ宜しくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 その昔、我々が存在している世界とは違う次元に存在している世界。俗に言う異世界の地球と全く同じ環境の星『グランディクス』でたった二人の男が星の生命エネルギーを守るために全ての戦力と戦い、星全ての戦力は星の生命エネルギーを利用した手放すには大変に惜しい魔法を行使し続ける為にグランディクス全土を巻き込んだ戦争を起こした。


 その戦いは一年と言う月日を用い、グランディクスの生命エネルギーは守られる形で終戦を迎えた。


 グランディクスに存在する生命は半分以上が死に、当時の魔術を伝える者も絶えた。


 魔法の封印を目的として起きた事から古代魔法封印戦争と名付けられた戦争から千年以上の月日が流れ、人々からは知る人ぞ知ると言った程度の出来事になっていた。


 相変わらず魔法は存在するが、グランディクスの生命エネルギーを利用したものではなく元々生物が持っていた魔力を使い魔法を行使する様になっていた。が、やなり魔力量には個人差があり、万人が使える訳ではないが使われている事が当たり前の世界となっていた。


 魔法の存在のおかげと言うべきか、せいと言うべきか科学文化の発展は高くなく自然環境が破壊されていないレベルだ。


 そしてモンスターと呼ばれる存在があり、古代魔法封印戦争で生じたエネルギーの余波で生じた時空の歪みがグランディクス各地に生まれ、それを通じて魔界と呼ぶ世界からモンスターは現れていた。そして、そのモンスター退治をはじめお店の手伝いからペット探しまで何でも依頼されればこなすギルドの組合が各地に存在している。


 ここまで簡単に、されど長々と説明させていただいたがもう一つだけ紹介させていただきたい。


 この物語は、異世界の地球『グランディクス』を舞台にした各地を転々と旅して生きる男、アイン・スィフル・スタイニウムとその彼を心酔してやまない少女レニ・アルバア・ウムを主人公とした冒険活劇なのである。











 朝食と昼食を食べる丁度間くらいの時刻の港街。


 カモメやらウミネコやら鳥の鳴き声や、船から魚を下ろす漁師や物を売る商売人。船旅をしてきた者達等の声が騒がしくも活気溢れた様子で耳に入ってくる。


 魔法を使い海を飛び越えて来た方が良かったなと、ハゲマッチョな男達に囲まれた男女のうちの青年が思考していた。



「アイン様……他事を考えられている所をすみませんが、この者達の処置お任せ頂き宜しいでしょうか?」



 そんな青年に声をかける少女。青年はアイン・スィフル・スタイニウム、外見は背は高く百九十五センチメートル。グランディクスでも背が高い方であるが、グランディクスには身体測定の文化は無い。無駄に太くない筋肉質で、腰まで届く長い髪。体毛は銀色で自分でも気に入っている。顔付きは綺麗とは言えないがしっかりとしながらも太過ぎない眉毛。鋭い眼光を放っている。鼻筋はすらっとして整っている男らしいかっこ良さを持った青年だ。


 少女はレニ・アルバア・ウム、外見はアインより頭一個分程小さい百六十七センチメートルと女性にしては背は高い方に分類されるがアインに抱き付いた時に丁度アインの胸板に頬擦り出来る位で本人は大変満足している。胸は上の中と大きめであり、出るトコは出てへこむトコはへこんでると言うスタイルは素晴らしい部類。体毛は青よりは薄い、明るい水色で髪の毛は……背中の真ん中位までの長さ。細い眉毛に長いまつ毛。すっきりと綺麗な鼻筋に瞳は丸くたれ目とつり目の中間で、笑うと幼く見えほほえむと大人びて見える。そんな大人の女性の魅力を持ち始めた位の少女だ。


 二人の紹介に長くなったが状態を説明すると、船を降りた二人が街並みを見回してた。木造が主流であるが、所によっては木の柱に 草や藁を被せてそれだけで家と呼ぶ事もある文明時代にしては倉庫なのだろうか? 目に入った建造物はレンガを使用されている様でこの街の発展具合に感心していた所だった。


 人並みを避けながら歩いていると酒場を見つけ、休憩がてら街の事やその他の情報をギルドとは違う一般人の視点から得ようと立ち寄ろうとしたところで、三人の図体のデカい酔っぱらいに絡まれてしまったのだ。


 店にはなかなか客がおり、繁盛イコール美味いの方程式を期待させられる。道には道で酔っ払い特有のでかい声を聞き、足を止め何人かがこちらの様子を見ていた。



「ねーちゃんそんなしかめっつらしてるにいちゃんほっといておれたちのあいてをしてくれよっ!」


「俺たちゃ金も結構あるぜ。楽しませてやんよ」


「ウィーーーッ!!」


 三人が三人ハゲ頭でマッチョであるのでセルフの上から順にABCと表記させていただく。


 早速面倒だ。男のアインは兎も角、美少女とも呼べるレニまでも眉間に皺を寄せ鬱陶しそうにしている。



「あなた達には全く興味ありません。こんな入り口では他の方にも迷惑です。どうぞ、お引取り願い……!」


「そーうそう。他に迷惑だからさっさと行こうぜ」


「ウィーーーッ!!」



 レニが喋っている最中に酔っ払いBに腕を捕まれた。


 レニは掴まれた腕を見つめる目は大きく開かれ、そして俯いた。


 あとC。ウィーって何だよ。



「――て良いのは、――です」



 レニがぼそっと呟いた。表情は俯いていて判らないが恐らく……。



「私に許可無く触れて良いのは、アイン様だけです!!」



 きれた。


 レニは掴まれているBの腕を反対の手で掴み、体をかがめ反動を使い、一瞬の動作で後方に投げ飛ばした。



「ぐあぁ!」


「「うわー!」」



 野次馬まで巻き込みやがったよ。


 レニは外野の被害に全く目もくれず眼前の残りの二人を睨む。


 アインはと言うと、面倒くさそうにため息を一つ。吐き出した。



「なっ! マッチョ丸っ!」


「ウィッ!」



 酔っ払いAとCが驚愕の表情になる。ってかBの名前マッチョ丸かよ。C、ウィーってうるせぇ。



「マッチョ丸の仇だっ!」



 そう言うなりAがレニに右手を大きく振りかぶり襲いかかるが、いかんせん酔っ払っているせいかスピードが遅くレニを全然捉えられる事は出来ない。


 伸ばされた腕を避けながら掴み、勢いを殺さずまた後ろへと投げた。


 投げ飛ばされた先には頭を振りながら立ち上がろうとしていたマッチョ丸がいたが、飛んできたAと頭からゴンともの凄く痛そうな音を周囲に響かせ二人は気絶した。



「ウィーーー!」



 今度はCが右腕を鞭の様にしならせ横薙ぎにレニにぶつけてきた。


 二メートルを超えるであろう巨体が突進してくる光景はレニに限らず恐怖を感じさせるであろうが、レニは全く意に介さず落ち着いて、されど鋭い目付きで動きを見極めようとしていた。



「甘いです」


「ウィッ!?」



 そう一言呟いたレニがCの腕を避け後方に回り頭は脇下に出し、腰からへそへと抱きつく様に腕を回した。


 そのまま背筋を伸ばし、Cを肩にかつぐ体制に。そして後ろに倒れる様にCを頭から地面に叩きつける。



「ウィィ……」



 ズシンッと頭から落とされたCはそのまま気絶。



「お待たせしました、アイン様」



 そう言ったレニがあちらこちらに付いた砂やら埃やらを払いながら立ち上がった。


 これは以前、地球に行った際にあいつに教えてもらったプロレスの技だったか?


 アインはそんな地球の友人の事を考えながらざわついている野次馬を無視して、店に入ってカウンター目掛けて真っ直ぐに歩いて行った。


 後ろから待って下さいとレニが追いかけて来るが全く相手にせず、横一列に並んでいた腰掛の店主らしい人物の前になる所に座った。


 手元や隣を見てみるがメニューらしき物が見当たらない。



「メニューが判らん。この店は何を勧める?」


「あ……は、はい。今は地球料理の流行りに乗ったモノを出しています。例えばチャーハンなどは如何でしょう?」


「それで構わない」


「もう、無視しないで下さい」


「甘えるな、鬱陶しい」



 そのやりとりの後、アインが注文した物が何かを知ったレニを同じ物を注文し野次馬の視線が収まらないままの食事を始める事となった。






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