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六話 みんな大切でみんなのためにがんばれる

明日でラストです。

さあ、ハッピーエンドにできてるでしょうか?


「やああああ!」


木剣で稽古相手に鍔迫り合いを重ねた後にわずかの隙を見て、突き。相手は片手盾で寸でのところで防ぐがちょっと押してるのがわかる。僕ちょっと強くなってる?


「! ならば」


稽古相手は片手盾で攻めてきた。今度は僕が追い詰められる側だ。木剣で応戦するも弾かれて僕は尻もちをつく。


「腕をあげましたね、やはりルイ王子の稽古の成果ですかね」


兄上との稽古のおかげで僕は少しずつ強くなっていった。厳しめの稽古だと感じていたけど、徐々に慣れていって今では剣の稽古相手を本気にさせることができるまでになった。


「この後に勉学の兄上と『海辺の国からの姫君』について語り合うんだ。今日はここまででいい?」


「いいですよ」


****


勉学の兄上はあの本だらけの部屋で待っていた。今日読んでくれる本を抱えて、


「遅い!」


「はい、ごめんなさい勉学の兄上」


「じゃあ、始めるぞ」


兄上は物語を語る時いつも生き生きとして、物語の人たちと歴史を超えて友人だったみたいに語る。僕は歴史のお堅い本を読むと居眠りをする。兄上はお堅い本も語り合える兄弟が欲しいようだから、今度は剣の兄上も誘おう。


「おい、聞いているか?」


「はい、今度は『シューティングスター城の歴史』を剣の兄上を交えて語り合いましょう!」


「嬉しいけど、嬉しいけど。ほら、大広間にロバートに会いにいくんだろう?」


「はい」


(必死に顔が緩むのを防いでるな、兄上)


****


大広間ではダンスの兄上が一か月後の舞踏会に向けてダンスをしていた。


「ダンスの兄上」

「ノア、今日はだめだよ。父上と話してるから」


ダンスの兄上と父上は母上の幽霊が旅立って以来、ここで舞踏会を開くようになった。それまではずっと舞踏会は開かれていない。母上がそのほうが喜んでくれるとダンスの兄上は言った。父上と話す機会が増えてとても喜んでいる。ん?


最近鳩がこの部屋に舞い込んでくる。何かを脚に括りつけられている、手紙?


「またか、この国に滞在している海辺の姫君の手紙に返事はしていないのか、ロバート?」


「ダンスの腕前次第だと伝えています、父上」


父上、なんとなく次に言いたいことがわかります。ダンスの兄上は断る気ですよね。海辺の姫君は今頃は必死にダンスの稽古をしていることだろうな、きっと。


「まあ、教えてあげなくもないけど!」


「そうか」


父上は僕のほうを振り向き、明日の昼にゆっくりと話そうと言ってきた。僕は何かまずいことでも言ったんだろうか?


****


翌日の昼、本も多く、剣もいくつも飾ってあり、綺麗な絵画も飾ってある父上の部屋で話すことになった。久しぶりだな五歳の頃以来だな。あの時は母上のことで僕が落ち込んでいた頃で父上は一日中傍にいてくれたな、泣いてばかりいる僕にあまり声はかけてくれんかったけど。


「あの問いに対する答えは出たか? ノア」


「え? あ! はい」


「答えよ」


『何かやりたいことはないか? どんな小さなことでもいい大事に思えるものを見つけなさい、そのためならがんばれるものを』


その答えを探していた、ずっと。でもいつの間にか三人の兄上たちに剣や物語やダンスを教えてもらっていてすっかり忘れていた。剣の兄上と稽古をして兄上がすごく強くてかっこいいけどお茶目だって知った。勉学の兄上は最初は怖くて近寄りがたかったけど物語を語る時に生き生きと本当に目を輝かせていて親しみが持てた。ダンスの兄上ははっきりものを言うところもあるけど誰よりも家族思い。


「みんな大切でみんなのためにがんばれるって思えるようになりました」


よどみなく本心を言えた。父上はしばらく間をおいて、


「……ここ数か月のノアの成長は目を見張るものだった。中でもわたしが王位にふさわしいものはと意識し始めてから兄弟間の交流も冷めていたからな、済まないことをしたと思っている」


「寂しい思いをさせたな、あの時の泣いている時に声を掛けることができなかったように」


「!」


父上は剣の兄上よりも強くて勉学の兄上よりも気難しくてダンスの兄上よりも家族思いで、僕よりも不器用なだけだったんだ。僕たちはとっても父上にそっくり。そんな父上にどう答える?


「今の僕を見てください。もう泣いてはいませんよ? どんな表情に見えます?」


父上は僕そっくりの笑顔で答えた。


兄上たちが部屋に入ってきた。ずっと気になっていて聞き耳を立てていたようだ。窓の向こうには天使の羽のような雪が舞い降りていた。


みんな成長した!

いいカンジに書けたと思います。

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