4ユニコーン翠の思想「其ノ壱」
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私達はあのフィルス(フィルス車)を倒して寮へと戻った。
「ただいま〜」
「みんなご苦労だった」
綾先輩が戻ってきてた。
「大森からある程度のことは報告を受けている」
「私がいない中よくやってくれた!そして大森よく指揮官を全うしてくれた」
「いえ、みんなが助けあってのことです」
「それと、鹿黒!君の作戦も良かった」
「ありがとうございます」
「しかし、少し危険だな、技が決まってなければ君は確実に重症を追っていたもう少し自分を守る戦い方してみろ」
「はい…」
褒められた後に怒られた。
「でも、あの技がなかったらみんな死んでたんだし」
「そうですよ、しかもめっちゃかっこよかったのですからあの技」
「まぁ今回は多めに見てやるか」
「低い声での桜居合って言う所なんてかっこよかった」
ぶり返されるの辛いな。
「やめて少し恥ずかしい」
真琴はそこまで見てたんだ、洞察力はすごいけど、恥ずかしい。
「そういえば、綾先輩こんな時にどこに行ってたんですか?」
「あぁ風翠寮の人たちとこれからのフィルス退治に関して少し会議しててな」
「綾先輩風翠ってなんですか?」
「君にはまだ説明してなかったなこの街にはこの寮以外に風翠、炎塔そして黒水っていうチームがあってな!フィルスが出現した場所から1番近いチームが退治へ当たる決まりがある」
「そうなんですね」
ここ以外にもフィルス退治のチームがあったなんててっきりここだけかと思ってた。
「それで決まったことが幾つかあるそれをみんなに話そうと思う」
「まず一つ目が来週風翠寮と合同でフィルス退治することになった」
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「合同でですか?」
「合同練習みたい」
三鶴(そんな気軽なと思うわよ」
「合同じゃなきゃ倒せないほどと強い奴なんですか?」
「あぁ風翠からの情報によると11時から1時の間に現れるらしいしそいつの事を通称ユニコーン翠と呼んでいる」
「ってことは時間制限があるってことなんですね?」
「あぁ、その通りだ」
「しかも、こいつらは人々の活気を奪っていく、活気を奪われた人は無気力になり廃人化する」
「それって命までは取らないってことだね」
「でも、廃人化したらそれって生きてるっていえるの?」
「そして、その活気を枯れそうになった植物に与えてるらしい」
「じゃ植物のために活気を集めてるんだね」
「最後に奴の特徴なんだが、見た目は白く薄い黄緑色のオーラを出しているユニコーンだ」
「かわいい、仲間にしようよ」
三鶴(バカなの?フィルスが仲間になってくれるわけないでしょ!」
「そっか、、」
真琴は残念そうにしてるでも三鶴が正しい。
「そして緑の雷を操り素早い、拘束を試みるも緑の雷で拘束具を壊される」
「それで人数で押し切ろってわけね」
「まぁそんな所だ」
「詳しくは来週風翠のやつと話し合ってから決める」
「絶対に倒そう」
「そのいきだ」
「咲楽ちゃんからそんな事言うなんて珍しいね」
「そういうのいつもは真琴が最初に言うもんね」
「今日は咲楽ちゃんに譲ってあげる」
「それからもう一つ」
綾先輩は私の方を見る。
「君の紫の装甲についてだ」
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現状あの紫の装甲については分からないことだらけだ。
「綾先輩何か分かったんですか?」
「すまない詳しくはわかってないしかし一つだけ分かったことある」
「あの紫の装甲はフィルスの力と一緒ってことだ」
「っ……」
ショックで言葉も出なかった。
「フィルスの力?」
「え?」
「咲楽ちゃん...」
「みんなが動揺するのもわかる、詳しく話そう」
「風翠にあれに似た力を使ってた人がいてな、そいつは黒い装甲の力を使いすぎ、最後にはフィルスになった」
「じゃ咲楽ちゃんも」
「その力を使いすぎると最後は」
「咲楽ちゃんもフィルスに」
そんな私も奴らみたいに。
「そうならない対策は一つあの力を使わないことだ」
「その為にも彼女だけじゃなくみんなで強くなってみんなでフィルスを倒す事だな」
「よし!みんなで強くなって、咲楽ちゃんに無理な戦い方をさせないようにしようよ!そして咲楽ちゃんを絶対フィルスになんてさせないよ」
「真琴」
みんな、ありがとう。
「それじゃ今日は解散だ今日は疲れただろうゆっくり休め」
こうして解散した、私は風呂に入りぼやっと今日あったことを考えてた、私ってなんだろう?
ん、風呂場のドアが開く音がした使用中の札はかけてあるはずだけど。
「咲楽ちゃん一緒にいい?」
真琴だった。
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同性でも少し恥ずかしかった。
「いいよ」
「ありがとう 」
許可得る前に服脱いでるんだから無理って言いずらいでしょう。
しばらく無音が続いた水が滴る音以外しなかった。
「あのね」
真琴が口を開いた。
「私ね咲楽ちゃんがくる直前までフィルスと戦うのすごく怖かったの」
意外だいつも一番張り切っているのに。
「戦闘に出ても怖くてすぐ、隠れちゃってさ2、3発しか撃つことができなくてさ」
「いつも綾先輩に怒られちゃってさ、、でもね咲楽ちゃんがきてから変わったんだよ」
「後輩ができたからってのもあるけど、この子と一緒なら私もできるかも、って根拠とかないんでけど」
「だからね」
真琴が涙目だった。
そして私の肩を掴んだ。
「絶対にフィルスにならないでね」
真琴...
「うん、わかったよ 」
「絶対にだよ」
「絶対に」
こうして二人でしばらくお風呂に入った真琴がここまで私に打ち明けてくれるなんてね。
真琴のためにも絶対フィルスにならない!
「真琴頭乾かしなよ」
「大丈夫大丈夫最近暖かくなってきたから」
もう真琴ったら女子力捨てたのかな?
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私は眠りにつく、気がつくとあの草原にいたそこにはやっぱりコスモスがいた。
「やぁ」
「またここに来るなんてね」
「まさかまた来るなんてね」
「そういえばユニコーン翠のフィルスを倒すんでしょ?」
「うんそうだよ」
「やつはこの街の肆神の一人だからね簡単には倒せないけど」
「肆神ってなに?」
また初めて聞く単語だ。
「肆神はフィルスのリーダーみたいなものかなそれが各所に四体いるんだそいつを倒すのは大変だよ」
「それでも、やらなくちゃ」
そうしないとこの街の人々が苦しいままだし。
「わかった、じゃ対策を教えるねユニコーンは素早いし硬いでも攻撃が通る場所が1つだけあるそれは角だよ」
「あの角の攻撃力は確かに強いけど、だからそこを狙えばいい角を破壊できれば勝機はあるよ」
「うん、わかった」
「君ならできる気がするよ!」
「それと紫の装甲について何か分かった?」
「それについては僕もわからないなごめんね」
「おっともうすぐ夜が開けるよ」
「わかった、またね」
「うん、またね」
こうして、コスモスと別れた、目を開けると朝になっていた。
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放課後。
「今日からこのメンバーで練習だね」
「うん」
「咲楽ちゃんには言ってなかったけど、6月12日にコンサートがあるのだからみんなそれに向けて練習してるんだ」
「そうなんだ」
昨日あんなことがあったのに何もなかったみたいに話してくれた。まぁいいか。
「曲とかはできてるの?」
「一曲だけできてる」
「コンサートは各バンドが2曲ずつ演奏するからあと一曲作る感じ」
「曲って誰が作ってるの?) 」
「メロディーは俺で、歌詞は真琴が作ってる、編曲は主に潤がやってる」
「そのコンサートってオリジナル曲じゃないとダメなの?」
「そんなことないけど、私達はできるだけオリジナル曲でコンサートに挑みたいから」
「あ、これ一曲目の楽譜ね」
「どうかな」
真琴が楽譜を渡してくれた、楽譜を見てみる。
メロディーはまぁ特に言うことはないけど、歌詞は凄いメッセージ性があった。なんていうか独特だが悪くない真琴らしさも出ていて人を幸せにしてくれそうな歌詞だった。
「二曲目は今作ってるからまってな」
「俺がな」
「取り合いず少し個人練習したらみんなで合わそう」
「おう」「おう」
二人息ぴったりだね。
「わからないことがあったら私に聞いてね」
「うん」
「いや、曲作ってる俺に聞いてな」
「うんそうするね」
曲はそこまで高度なものじゃなかったため、すんなり覚えられた。
数分後。
「そろそろ合わせるか」
「やろうやろう」
「じゃいくか1、2、3」
演奏はまぁ初めにしては上手く行った。それよりも真琴だ。
あの子の歌声を初めてきいたけど凄くいい歌声をしていた、途中少し音程が怪しかったがそれは練習すればなんとかなるでしょうあと1ヶ月と数日あるし。
「今の良かったんじない?」
「前練習した時より良かったんじゃないか」
「まぁな」
「それより咲楽さん凄いね少し練習しただけでここまでできるなんて凄いよ」
「ありがとう」
「ただあれだな、演奏中はもっと笑顔でやりな」
「だな、結構引きつってしそれじゃ見てる人楽しく演奏聞けないな」
「そんなに?」
「うん正直人に見せられる表情じゃなかったね」
少し落ち込むな、シュン。
「演奏は完璧だったよ、帰りに笑顔の練習しよ」
帰宅途中真琴と笑顔お練習をした、顔を引っ張られたり、写真撮られたりした。
絶対周りから変な目で見られた。
「帰ったらみんなに見てもらおうよ」
「え?恥ずかしいんだけど」
「そんなことないよ、前より素敵な笑顔になれたと思うよ」
帰宅したらロビーに三鶴がいた。
(ねぇ本当にやるの?」
「そりゃ見てもらって感想もらったほうがいいでしょ」
「分かった」
「ねぇ三鶴」
「何よ」
三鶴に満面の笑みを浮かべた。
「は?)
三鶴は嫌そうな顔していた。
「どうだった?」
「普通にキモいんだけど」
シュン。
「真琴ダメだったみたい」
「そんなことないよ、前より全然いいし練習の成果出てるよ」
真琴が慰めてくれた。
「泣きたい……」
私は何も無かったように部屋に戻ろうとすると。
「ちょっと待ちなさいよ」
「7時に物資調達に行くからあなたも手伝いに来なさい」
「うん、分かった」
「あと、さっきは言いすぎたわね、正直可愛いかった」
「え?」
「ああもう、7時にロビー集合ね真琴もねあとホースドライバーも忘れずにね」
三鶴は照れていた、やっぱりツンデレちゃんだ。
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7時になったのでロビーに向かうと三鶴、真琴それに千織さんがいた。
「来たわね」
「行くわよ」
「行くってどこに行くの?」
「炎塔寮よ」
「炎塔寮?」
「そうこっから2、3km先の寮、天理はみんなそこで物資調達してるの物資調達の他にも武器などの修理や武器の開発などもしてるの」
「まぁ行けば色々わかるわ!さっさと行きましょ」
私たちは炎塔寮へ千織さんの運転で向かった。
「ついたわね、じゃ行くわよついてきて」
「私は車を置いてから皆さんのもとへ向かいます」
千織さんは車を駐車場に停めに行った。
私達は三鶴について行ったそこには赤いレンガの建物があった。
「ここが炎塔寮よ」
「ここで物資を調達するんだよ物資調達する時はあらかじめ炎塔寮の指揮官の東ノ原先輩に連絡してからここに来るんだよまぁ足りないものがあったら三鶴ちゃんに言えば連絡してくれるから」
「そうね、あと資金は千織さんが払ってくれるからそこの心配もいらないわ」
「あと、誰かさんみたいに無駄なものは買わないこと」
誰のことだろうね、まぁ言わなくてもわかるか。
「えへへ」
私たちは炎塔寮へ入った。
「すみません物資調達にきた蒼月寮の浦部です」
「ああ、三鶴か」
そこには赤茶のロングの女性がいた。
「紹介するはこの人が炎塔寮の指揮官の東ノ原優子先輩」
「初めまして、前線の鹿黒咲楽です」
「ああ、よろしく君のことは綾から聞いてるよ二つのメダルを使ってフィルスと戦う子だろ?」
「それと、悠先輩の妹ってこともな」
「お兄さんのこと知ってるんですか?」
「ああ、よく知ってるさ私に剣の使い方や戦い方を教えてくれたの悠先輩だからな」
「だから君が天理だって聞いた時はびっくりしたよ兄弟揃って天理で前線だなんて」
「さ、この話は今度にしようさ、本題に戻ってくれ」
「優子先輩!ライフルの弾とサブマシンガンの弾、あとライフルの修理お願いします」
「お、毎度!真琴ちゃんと戦えるようになったのか?」
「はい!後輩ができたので私もちゃんとしなきゃって思ったらなんか戦えました」
「そうかそうか成長したな」
優子先輩は真琴の頭を撫でた。
「えへへ」
真琴は嬉しそうだった。
「優子先輩!あとグリップと包帯をもらえますか」
「おうよ!」
「咲楽!貴方の刀も先輩に見てもらったら?この前結構無茶な戦い方したんだから刀が痛んでるかもよ」
「うん、そうさせてもらう、優子先輩お願いしてもいいですか?」
「お、いいぞ君がどんな戦い方をしたのか見てみたいからな」
「優子先輩は武器の傷を見てその人がどんな戦い方をしたかわかるんだよ」
「凄い、鍛冶屋みたい」
「あはは、そう褒めるなよ!もう今日はおまけしちゃうぞ10%オフだ」
「本当ですか?ありがとうございます」
「さあ、咲楽刀を見せてみろ」
私は刀を出して優子に見せた。
「ここで補足天理は着装しなくても武器を出すことができるんだよただし1回以上着装した人に限る」
「ねぇ真琴誰に話てるの」
「誰でしょう?」
真琴は今日も絶好調のようだ。
「ふむ」
優子先輩は刀を鞘から抜いて等身を真剣な眼差しで見ていた。
「ふ、はっはっはっ」
優子先輩は急に笑い出した。
「これは結構チャレンジャーな天理だ!そこも悠先輩にそっくりだ!この武器泣かせが」
「よし、咲楽の武器は私が見よう!涼太いるか」
「はい!なんでしょう」
奥から金髪の男の人が出てきた」
「涼太は真琴の武器を治してくれ!私は咲楽の武器を直すから」
「わかりました」
「優子先輩その人は?」
「そうか蒼月寮の人には自己紹介してなかったな」
「こいつは私の弟子だ」
「弟子?」
「優子先輩弟子いたんですか?」
「弟子ではないですよ!」
「すみません挨拶が遅れました。二年の後方支援の小林涼太です」
「ねぇ真琴うちにそんな名前の生徒いた?」
「聞いたことないよ」
「皆さんが私を知らないのものも無理もないでしょう!自分は別の学校の生徒なんで」
「それは知らなくても無理もないわ」
「みんなも知っての通り天理は花ノ山学園に転校しなきゃ行けないんだが、こいつは学校が嫌いだから通信の学校に通ってるんだ、まぁ特別ってやつだ」
「先輩、僕は学校が嫌いなんじゃなくてこの街の人が嫌いだから通信の学校に通ってるんですよ。毎回そこ間違えないでくださいよ」
別にどっちでもいいな。
「そうだっけか?まぁ細かいところはどうでもいいや」
「さ、作業にかかってくれ」
「わかりました、真琴さん武器をお預かりしますね」
「はい、おねがします」
真琴は涼太に武器を預けた。
「2、30分まっててくれ」
「ありがとうございます」
「物資調達は終わりましたか?」
千織さんが車を置いてやってきた。
「はい!今頼んでるところです」
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30分経って優子先輩と涼太が戻ってきた。
「できたぞ」
優子が頼んだ物資を持ってきてくれた。
「まずはこれが頼んでた物資だ」
優子先輩は三鶴に物資を渡した。
「ありがとうございます」
「真琴さんライフルとサブマシンガンの修理完了です」
涼太は真琴に武器を渡した。
「うん、ありがとう」
「あと、涼太くんタメ口で大丈夫だよ、同じ歳なんだから」
「分かったよ、真琴」
「よし!」
「咲楽も修理終わったぞ」
「ありがとうございます」
優子先輩から武器を受け取った。
「刀が欠けにくいコーティングをしておいた、それと耐久性も上げておいた」
「はい!」
「お支払いはこれでお願いします」
千織さんはカードを優子先輩に渡した。
「毎度!」
「じゃそろそ帰りますか?優子先輩ありがとうございます」
「おうよ!また来い!」
私達が帰ろうとした時だった。
ブザーが鳴った。
「フィルスめでやがったな、やばいな今日は二人しかいないのにな」
「よし!蒼月の三人ホープドライバーは持ってきているな」
「はい!」
「私達と一時的にチームを組んでくれ」