6黒い侍とフィルス王の力「其ノ肆」
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次の日私は天と一緒に寮に戻ってきた。
「あ、天もいたのね」
「うん、お邪魔します」
「ただいま」
真琴もほぼ同じタイミングで帰ってきた。
「あ、天もう来てたんだねいらっしゃい」
「お邪魔します」
「2人とも夜ご飯食べた?」
「まだ食べてないよ」
「じゃ一緒に食べない?」
「真琴が何か作ってくれるの?」
「作りは出来ないけどこれいっぱい買ってきたから」
真琴は袋いっぱいに入ったカップ麺を見せてきた。
「すごい、いっぱい買ったんだね」
「あんたね、そんなんばっかり食べてたら健康に悪いわよ」
「でも、美味しいし楽だよ」
「確かに楽だけどさ、もう3人ともそこで待ってなさい私が3人分ご飯作るから」
「ありがとう三鶴」
「やったー何か手伝う?」
「いい!あんたは座って待ってなさい」
確かに真琴に手伝わせたら味が濃くなるか、甘くなりそう。
三鶴がご飯を作ってる間3人で雑談して待っていた。
「はい、おまたせ」
三鶴は生姜焼き、味噌汁、サラダを作ってくれた。
「おー」
「凄く美味しそう」
「こっちの方が栄養あるでしょ?仮にも貴方達は天理で高校生なんだから偏ったものばつまかり食べてると戦闘に影響がでるでしょ?」
「それに、咲楽はこれから訓練あるんでしょ?栄養取って最高のコンディションで挑みなさい」
三鶴は色々な事を考えてくれたんだね。
「ん〜!」
「美味しいね」
「うん、本当に美味しい」
「そ、良かったわね」
「いいお母さんだ三鶴は」
「ちょっと天褒めすぎよ」
三鶴は少し照れてる
「三鶴お母さ〜ん」
「蹴るわよ」
「うぇ〜ん」
私達は三鶴の栄養たっぷりのご飯を食べなかまら話していた。
「そろそろ時間だね天」
「うん」
「ねぇ私も見守っててもいい?」
「うん、いいよ」
「頼むぞ中央」
「はい、任せてください」
「がんばるのよ」
「ファイトです」
みんなからの応援を貰って自部屋に3人で向かった。
一体どんな訓練するんだろう?訓練内容を何も聞いてないから少し不安だなと考えながら自部屋へ向かった。
「楽ちゃんの部屋はやっぱり可愛いらしいし綺麗だね」
「真琴はちゃんと部屋掃除しなよ」
真琴の部屋はやや汚部屋である。
「じゃ始めるよまずはこれを腕に付けて」
「これって」
天は混沌タイムを渡してきた。
「大丈夫無事は保証するから」
私は混沌タイムを付けた。
「混沌タイム」
装着すると機械音がなった。
「ベッドに横になって」
「まさか!」
真琴がいやらしい想像してるな。
「絶対に真琴が考えてる事は違うと思うよ」
「うん、何考えてるか想像つくね」
天は微笑んだ。
私はベッドに横になった。
「次にこのメダルを入れて」
天はヒビの入った黒いメダルを渡してきた。
「これってフィルス王のメダル」
「元はね今はフィルス王の力を使うことが出来ない」
「うん」
「待って咲楽ちゃん」
真琴が止めてきた。
「頑張ってね」
真琴が手を握ってきた。
「うん、ありがとう」
私は手を話メダルを入れた。
「黒竜」
「堕天!」
着装すると視界が真っ黒になってきた。
気が付くと私が昔住んでる家にいた。
昔お兄さんと母と住んでいたあの家だった。
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「咲楽起きな!休みだからって遅くまで寝てないの」
母の声が聞こえた。
ドアが空いた。
「咲楽が遅くまで寝てるなんて珍しいね、遅くまで勉強でもしてたの?あ、それとも体調悪い?」
え?お兄さん間違えないこの声は私のお兄さん悠お兄さんだ!悠お兄ちゃんだ!
「咲楽大丈夫か?本当に心配だぞ」
私は涙をこぼしてた。
「大丈夫だよ悠お兄ちゃん」
「中学でいじめでもあったか?何かあったらお兄ちゃんに言えよ」
暖かいこの声この笑顔。
「さ、朝ごはん出来てるらしいから着替えたら降りておいで」
悠お兄ちゃんは下へ降りていった。
ここは恐らく2年前の過去だ。
私は着替えて下へ降りていった。
「随分遅かったんだね今日は」
「ごめん、ちょっと夜更かししちゃった」
「もう、ほらさっさと食べちゃいなさい」
「なぁ、咲楽本当に大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「そうか、やっぱり明日から俺が引越しちゃうから寂しいか?」
今の一言で、確信が着いた。
ここは悠お兄ちゃんが蒼月へ引っ越す前だ。
「ちょっとね」
「そうか、やっぱり妹がこんなに心配するなら引っ越すの辞めようかな?」
「みんな待ってるんだから行ってきなよ」
「分かった、居ない間お母さんの事よろしくな」
「うん任せて」
私と悠お兄ちゃんは話しながら朝ごはんを食べた。
「よし」
「悠お兄ちゃんこれからどっか行くの?」
「ああ、蒼月に荷物運ぼうと思ってね」
「一緒に行ってもいい?」
「全然いいよ!みんな咲楽に会いたがってたし」
「やった!」
私は母の車にに荷物を載せて蒼月寮へ向かった。
「そういえばなんで今になって寮へ行く決心したの?」
「寮に行った方がすぐ集まれるし、助けに行く時間短縮できるし、早く奴らを倒せるし」
恐らくやつらはフィルスの事だね。
「寮に行っても頑張ってね」
「うん、咲楽も頑張ってね部活に勉強頑張って」
話していたらいつの間に寮へ着いた。
「よし、じゃあ荷物入れるか、咲楽も手伝って」
「どうしよっかな〜」
「ここまで来たなら手伝ってよお願いだよ」
「いいよ」
私達は蒼月寮へ荷物を運んだ。
外見は今よりも綺麗だった。
悠お兄ちゃんはドアを開けた。
「こんにちは」
「悠さんこんには荷物運ぶの手伝いましょうか?」
「大丈夫、大丈夫妹が手伝ってくれたから」
千織さんは今も昔も変わらなかった。
「悠先輩やっときてくれましたか!これで作戦会議も効率的にやれる」
「綾今日は居たんだね」
「はい今日は部活もなかったんで今日は本読んだり勉強したりしてました」
「相変わらず綾は真面目だね」
そこには昔の綾先輩がいた。この時はショートカットだった。
そして昔も変わらず真面目だった。
「悠先輩その子は?前に行っていた妹さん?」
不思議そうに私の方を見ている。
「ああこの子は妹の咲楽だ」
「この子がこの前話してた可愛い妹さんか〜」
「バカ、咲楽の前でそれを言うな」
どうやら私のいない所可愛いってくれてたらしい。
綾先輩はこちらへ向かってきた。
「こんにちは私は悠先輩の後輩の木刈綾1年生ですよろしくね」
今の綾先輩からは想像出来ないぐらい笑顔で挨拶してきた。
「初めまして、悠お兄ちゃんの妹の咲楽です」
「それより、その荷物重そうだけど持とうか?」
「大丈夫ですこれぐらい持てます」
「結構重そうだけど」
「綾悪いが、俺の部屋のドア空けておいて欲しいんだけど」
「はい、今開けてきます」
綾先輩は2階へ上がって行った。
「あの子は本当に行動も早いし、コミュ力もあるなから将来何しても上手く行きそうだな咲楽もそう思わないか?」
「確かに、現場の指揮官とか?」
「合ってそう!人間的な魅力もあるし」
「ドア空けて置きました」
「ありがとう綾」
「じゃあ運び入れるか」
私達は部屋に荷物を運び入れた。
部屋はやっぱりあの部屋今は私が住んでいるあの部屋だった。
荷物の運搬が終わった。
「悠先輩、咲楽ちゃんはい!差し入れです」
綾先輩はジュースをくれた。
「ありがとうございます」
「ありがとう綾!本当に気が利く良い後輩だ」
「いえいえ」
綾先輩は照れてた。この時から悠お兄ちゃんの事好きだったのかな?
「そう言えば書類下に置きっぱなしだちょっと取って来るね」
悠お兄ちゃんは下へ降りていった。
今は2人っきりだから聞いてみよう。
「ねぇ綾先…」
しまった。
「綾お姉ちゃん」
「何どうしたの?」
「綾お姉ちゃんは悠お兄ちゃんの事好き?」
「い#〆〒〆\な、そんな事ないよ」
図星だった、昔から反応変わらないね。
「そうんだ〜でも、良いお兄ちゃんだよ!私2人が付き合ったら嬉しいな〜」
「そ、それはその私もうれしいな〜」
めっちゃ顔真っ赤だ本当に分かり安い先輩だ。
「いや〜うっかりしてた1番大事な物を車に置いてくるなんてな」
「どうした?綾顔真っ赤だぞ」
「な、なんでもないです」
綾先輩は下へ降りていった。
「どうしたんだ綾のやつまぁいいや」
「この部屋どうだ?」
「凄く良いと思う」
「しかも、」
悠お兄ちゃんは窓を開けた。
この街が一望できるんだ。
「凄い綺麗!」
「だよね〜」
「ま、今日は1回帰るからそれまで間は一緒だけどな」
本当に幸せだ大好きなお兄ちゃん尊敬してるお兄ちゃんかっこいいお兄ちゃんと一緒に居れるなんて私はずっとここに居たいと思った。
「哀れな女だ」
誰?声が聞こえた瞬間辺りが真っ暗になって気がつくと駐車場にいた。
「ここに来て何も変わろうとせず、兄に縋り付くとは」
目の前に悠お兄ちゃんがいたでも、声がおかしい。
「ふん」
悠お兄ちゃんは私の紫のメダルを持っていた。
「なんでそれを」
「堕天!」
紫の装甲へ着装した。
「その姿は」
「お前も着装しろ」
私の足元にホープドライバーとピンクのメダルが置いてあった、いつの間に。私は言われるがまま着装した。
「祝福!」
「さぁ始めるぞ」
紫の装甲は私に襲いかかってきた。
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「死ね!」
私の首めがけて大鎌を降ってきたが避けた。
私は体勢を整えすぐさま攻撃をした。
大鎌で防がれてしまった。
「やっぱり甘いな」
「そんなのやってみなきゃ分からない」
「やらなくてもわかるな」
私は紫の装甲を押し倒した。
今だ!私は攻撃しようとした。
「咲楽」
「ッ…」
紫の装甲の顔と声が悠お兄ちんえ変化した。
私は攻撃を躊躇ってしまった。
「甘いなふっ!」
紫の装甲は私のお腹に蹴りを入れた。
「うっ!」
私は吹っ飛ばれた。
「お前は頭では俺を倒さなきゃ行けないと分かっているが兄の顔になった瞬間本能で攻撃を止めたそれがどういうことか分かるか」
「お前は兄が居ないと何もできないただの弱虫な女だ」
紫の装甲は私の装甲は私の肩を踏んで顔を近ずけた。
「いい加減気ずけ!兄は居ないどんなに探しても無駄だって事も兄がいなと何も出来ないって事もな」
そんなの分かってるよ。
私は兄が居ないと何も出来ないし、全ての行動は兄の為や兄がいたから出来たと言っても過言ではない。
もう、2年が経つんだよね決別しなきゃ行けないね。
「ふっ」
私は紫の装甲の足を払った。
「私はここで決別する!もう悠お兄ちゃんはいないそして悠お兄ちゃんが居なくてなんでもできると」
「そんな事が弱虫のお前にできるか?」
確かに難しいかもしれないでも。
「やらなきゃ行けないんだ」
私は刀に力を溜めた。
紫の装甲も武器に力を貯めた。
「桜居合!」
「はぁ!」
お互い必殺技を打った。
「ふっ!」
紫の装甲に命中した。
「君のお陰で成長出来たよ」
「これでもお前は斬れるか!」
紫の装甲は兄の顔へまた、変えた。
「咲楽やめて!」
「うん斬れるよ」
私は容赦なく悠お兄ちゃん(紫の装甲)を切った。
紫の装甲は灰となった。
「ありがとう」
私は涙を我慢した。
ああは言ったもののすぐに実行に移すのは難しい少しずつで良いから頑張っていこうと私は誓った。
当たりは暗くなった。
気がつくと自部屋へ戻っていた。
「咲楽ちゃん!」
元に戻ったみたいだ。
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私は起き上がった。
「どうだった?」
「うん、ありがとう天弱点を克服出来た気がする」
「良かった」
私は混沌タイムを天に返した。
ん?私のピンクが光初めて紫メダルが出てきてさっきまで使っていたヒビの入った黒いメダルと合体した。
「これで紫のメダル使っても自我を失う事はないと思う」
「うん!天ありがとう」
「でも、紫の装甲使わないでね」
「うん」
「よし私はもう、帰るねじゃあね」
天は帰った。
「ねぇ真琴ロビーにみんなを集めてほしい」
「咲楽ちゃん、分かった」
真琴は部屋を出てみんなをロビーに集めてくれた。
「君から招集するなんて珍しいな」
「訓練は上手くいったの?」
「うん上手く行った」
「それとみんなに伝えたいことがある」
「何よ改まって」
「今回の訓練で私は弱いって事が分かった」
「咲楽ちゃんは」
「真琴」
三鶴は真琴を止めてくれた。
「私は弱く何をするにもお兄さん頼りでこの寮で戦うって決めたのもお兄ちゃんを助けるためとか行って人助けなんて考えてなかったし、何をするにもお兄さんの事ばっかり考えてた」
「でも、そんな弱い自分とはここで決別する私はみんなの為世間のためにフィルスと戦う」
「咲楽ちゃん!」
「凄いたくましくなって帰ってきたね」
「ふん、これからも頑張りなさい」
「期待してるぞ!これからもよろしく頼むぞ!」
綾先輩と握手をした。
「これからもよろしくね咲楽ちゃん!」
真琴は私の上に手を置いた。
「私もサポートするからね」
三奈美も手を置いた。
「これこらも頑張りなさい」
三鶴も手を置いてくれた。
「これって私が何言わなきゃいけないやつ?」
みんなが頷いた。
何言おうかえ〜と。
「絶対勝つぞ!」
「お〜」「お〜」「お〜」「お〜」
絶対に今の掛け声はおかしいでしょ自分で言っていておかしいと思ったよでもなんかみんな乗ってくれた。