6黒い侍とフィルス王の力「其ノ壱」
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私は軽音部をとして人間的に少し成長した気がするだが、フィルス退治には役に立たないであろう。
そうこう考えてる内に今日が終わってもう、放課後だ。
時間が流れるのは早いね。
「ねぇ咲楽ちゃん」
天が後ろから話しかけてきた。
「どうしたの?」
「今日放課後暇?」
恐らく遊びのお誘いかな?天とは転校してきてから何回か遊びに行ったが天から誘うなんて珍しい。
「うん、暇だよどっか行く?」
「うん、実はミオンに新しいケーキ屋ができたらしいんだこのあと一緒に行かない?」
当たった、それよりもミオンにいつの間にか新しいお店できたんだ。
「うん、行こう真琴も誘う?」
「いや、その……」
なんだろうか?天は少し顔が赤くなった。
「二人で行きたいな」
どうやらデートのお誘いだったようだ。
「うん、いいよ」
「やった〜」
天は凄く嬉しそうだった。
「じゃ行こうか」
「二人ともこのあと暇?」
バッドタイミングで真琴がきた。
ここは天のためにも断らなきゃ。
「ごめん忙しいや」
「そうなんだ」
「このあと二人でデートするからまた、今度ね」
「咲楽ちゃん!ちょっ」
天は恥ずかしがってる。
でも事実だし真琴も察してくれるでしょう。
「女子同士もデートっていうの?」
確かにでもここはデートで押し切ろう。
「うん、特殊だけど言うらしいよ」
「ごめんね真琴」
「いいよ、いいよまた今度遊ぼう」
「うん」
「じゃ二人ともデート楽しんできてね」
真琴は手を振ってる。
私は真琴と別れて、天とミオンのケーキ屋に向かった。
新店舗ってこともあって並んでいた。
「結構人気なんだね」
「そうだね、こんなに並んでると思わなかった」
「私たちも並ぼ早く行かないと無くなっちゃうよ?」
「うん」
私達は列の最後尾に並んだ前には大体20人くらいいた。
「ねぇ咲楽ちゃんそういえばこの前のコンサートかっこ良かったよ」
「え?来てたんだ全然気づかなかった」
あの場に天が居たと考えるとちょっと恥しかった。
「MVも取ってたし凄いね咲楽ちゃん」
「たまたまだよ」
「たまたまじゃないよ恐らく物凄い練習したんじゃない?」
「まぁしたけど」
「だったら努力の結果だよたまたまじゃないってそうやって自分の努力を無かったかのようにいうのは良くないよ」
確かにそうだね、日が暮れるまで練習したし、色々な人にアドバイスももらったそれは紛れもなく努力の結果だ。
「そうだね、ありがとうね」
「うん、あと今日は私の奢りねMVと咲楽ちゃんのバンドが1位になったからご褒美的なやつ」
「そこまでしてくれなくても」
天(いいの、頑張った人にはご褒美をあげなきゃ)
天は100点の笑顔でこちらを向いた。
めちゃくちゃ可愛い。
話している内に私たちの番がきた。
メニューはどこにでもあるケーキ屋のメニューと変わらなかった。
私はチョコレートケーキ、天は白いチーズケーキを頼んだ。
そして、私達はケーキ屋の窓側の席に座った。
「おいしそう〜」
天は満面の笑みでケーキを眺めてる。
「ケーキ眺めてないで食べよ」
「そうだね、じゃいただきますっ」
天は美味しそうにケーキを食べてる。
「ん〜美味しい、そっちは」
「こっちもおいしいよ特に中に入ってるチョコがパリパリしてが美味しい」
「本当1口ちょうだい」
「はい」
天は口を開けて待ってる恐らくあ〜んして欲しいんだね。
私は天にケーキを食べさせた。
「ん〜本当だ」
「はい、咲楽ちゃんもあ〜ん」
天も私にケーキを食べさせた。
「どう?」
ケーキは美味しかったが天にあ〜んして貰えて正直少し嬉しかった。
「凄く美味しい」
「でしょ?」
天は凄く幸せそうな顔してる、この笑顔を守っていきたいと思った。
「本当にケーキ美味しいしお店の中も可愛いし良い店だね」
「確かに、女子に人気が出そうな店だね」
「もう、出てるんじゃない?」
私達はケーキを食べ終わってお店をでた。
その後は色々とショッピングした。
「今日はありがとうね」
「こちらこそケーキご馳走様」
「また来ようね!じゃまたね」
私は天と別れた。
「ただいま」
「咲楽ちゃん!」
真琴は凄い勢いで私の方へ駆け寄ってきた。
「どうしたの?」
「今日見ちゃったのんだけど、天にあ〜んされてたでしょ?」
見られてたんだ。
見られてると思うと少し恥ずかしいな。
「なんで知ってるの?」
「だって窓側の席だから丸見えだよ」
よくよく考えると窓側であんな事してたんだそれは見られて当然だね、今になって少し恥ずかし。
「いいな〜天にあ〜んしてもらえるなんて」
「今度天にしてもらったら?」
「してくれるかな?」
「してくれなかったら私がしよっか?」
「なっ」
近くにいた三鶴が変な声を出していた。
「本当!やった!」
真琴は喜んでいた。同性にやってもらって嬉しいものなのかな?
私は嬉しいけど。
「あんた達ロビーで変な話しないの!」
三鶴は顔を真っ赤にしてる。
「三鶴ちゃんもしてもらいたいのあ〜ん?」
「そういうわけじゃないけど、、」
「こんど私がしよった?」
「いいわよ、あんたにそんなことされたら食べ物が不味くなるわ」
三鶴は相変わらず強い毒を吐くね。
「キュン」
真琴は落ち込んでる。
「それより、綾先輩が明日は早く帰ってきてだってよ」
「何かあるの?」
「どうやらフィルスの研究室ハピネスに行くらしいよ」
「フィルスの研究室ハピネス?」
ここにきて初めて聞く単語が出てきた。
「あんたに詳しく伝えてなかったね」
「フィルスを生み出した元凶の研究室よ!そこの生き残りの研究者が私達に会いたいらし岩よ」
「分かった、私も聞きたいこともあるし」
「そう、まっそういう事だからよろしく」
「ねぇ咲楽ちゃん今ここであ〜んして?」
この話まだ続いてたんだ。
「わかったよ」
「あんた達」
三鶴の顔が徐々に赤くなり始めた。
「そんな恥ずかしい事部屋でやりなさい公共の場所でしないではしたない」
三鶴は顔を真っ赤にして怒った。
そして私は真琴の部屋でチョコをあ〜んしてあげたらすごく喜んでたけど、私は何かを失ったような気がする。
昨日言われた通り真っ直ぐ寮に帰った。
「帰ったか、ホープドラバーを持って下へ集合してくれ」
私は荷物を置いてホープドラバーを持って下へ降りた。
「やっぱ怖いよ」
三奈美が何かに怯えている声が聞こえた。
「大丈夫よ、いざとなったら逃げればいいんだから」
「でも……」
どうやら下で不穏な話をしてる。
「何かあったの?」
「実はこれからいく研究室ハピネスはチーム黒刀の近くなの」
「チーム黒水?」
前に綾先輩が話していた4つの内の一つの寮だっけ?
「チーム黒水この街の北にあるチームでそこら辺のフィルスを倒してるチームなんだけどちょっと問題があってね」
三鶴も話ずらそうな感じだった。
「その人達はカツアゲや恐喝をしたりする奴らでね中には話が全く通用しない人や目が合えば殴ってくる人がいる所らしい」
「それは噂でしょ?本当にするかどうか分からないじゃない」
「なんで、そんな人達が天理のチームを作れたの?」
「それは私から説明しよう」
「あのチームは初めてフィルス退治をしたチームなんだ」
「しかも、あいつらのバッグに研究室ハピネスがいるのも厄介ねどうして潰れないのかが不思議でしょうがない」
「そんなヤンキーみたいな人と繋がってる研究室に行かなきゃ行けないの?」
「ああ、だが今回は黒水のやつらは来ないよう研究室ハピネスにお願いしてるだから安心しろ」
「でも、心配だなもし恐喝なんてされたら」
三奈美は凄く怯えていた。
「そんな時は天理の力で撃っちゃうから安心して」
真琴が階段から降りてきた。
「バカ!天理の力をそんな使い方するな」
「まぁもし出会ったらそんなことせず逃げるのが得策だ」
「しかもみんなで入れば怖くないよ三奈美」
「うん……」
三奈美は少しは落ち着いたようだ。
「よし、みんな行くか外で千織さんが待ってる」
私達は車に乗って研究室ハピネスに向かった。
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車で30分研究室ハピネスに着いた。
研究室の外観は古びてて人がいるようには見えなかった。
「こんな所に人がいるのかな?」
「ああ外観はボロボロだがちゃんと人はすんでる、そしてボロボロなのは最初の実験の際にフィルスにめちゃくちゃにされたせていでこうなってる」
こんな所でフィルスが生み出されたんだ。
「ほら、三奈美出て来ない」
「大丈夫だから私が守るから」
「やっぱやだ!怖いも黒水が来るかも知れないし」
三奈美は怯えて車から出ようとしない。
「ほらもう」
三鶴は三奈美を引っ張り出した。
「ほらモタモタしてると本当に来ちゃうよ」
「うう」
仕方ない。
「三奈美私が手握ってあげるから一緒に行こう」
「あんたたくましくなったわね」
「私も咲楽ちゃんと手繋ぐ」
「真琴は1人で歩いて」
「え〜」
「ほら、行くぞ」
私達はドアを開けて研究室ハピネスに入った。
中は埃の被った機械や壊れた試験管の残骸などが落ちていた。
「すみません、蒼月です」
「ああ、来てくれたごめんなさい汚い所で」
奥から茶髪の男性が出てきた。
「紹介しようここの研究長の太田宗次郎さんだ」
「みんな初めまして、こんな汚い所じゃ無くて奥へ」
宗次郎さんは私達を奥へ案内した。
奥の方は割と綺麗だった。
「どうぞこちらへ」
私達は椅子に座った。
「道長くん皆さんにお茶を」
「はい所長」
奥に黒髪の人がお茶を用意してくれた。
「すみません、ありがとうございます」
「それでまずはフィルス退治並びに肆神の撃破本当にありがとう」
宗次郎さんと道長さんが頭を下げた。
「それで少し聞きたいことがあって君たちを呼ばせてもらった」
「まず、1つ目が肆神のメダルについてだ」
「すまないが見せて貰えないか?」
私はユニコーン翠真琴は万炎龍のメダルをテーブルに出した。
「これが肆神のメダルか」
宗次郎さんがじっくり見てる。
「道長くん」
「はい」
道長さんは何かメカメカしい機械を持ってきた。
「う〜ん」
宗次郎さんはその機械を通して肆神のメダル見てる。
「やはりそうか」
「何かわかったんですか?」
「ああ、このメダルがホープドライバーで使えない理由もわかったぞ」
「それは何故ですか」
「ああ説明しよう、このメダルから出てる信号は君たちが使ってる信号と少し異なるためホープドライバーはそれに応えてくれない」
「信号ですか?」
「ああ、簡単に説明すると君たちが使ってるメダルから出てる信号が1だとするそしてホープドライバーからの信号が1だとするこの場合1同士で繋がる事が出来るがこの肆神のメダルからでてる信号は2あるいは3のため繋がる事がでないんだよ」
「それは使えない訳だ」
「ありがとう」
宗次郎さんは私達にメダルを返してくれた。
「そしてもう1つ銀の装甲についてだが、私にも分からない」
「しかも、ホープドライバー以外に着装システムは作っておらん」
「それは本当ですか?」
「ああ、すまない可能性としてはまだ研究者の生き残りがいてその人が作ったか優子が密かに作ってるかあるいは……」
会話に不自然な間が空いた。
「フィルスの中に着装システムを作れる人がいてそいつが作ったかだな、ま最後のは可能性が低いがな」
「そうですか……」
少し残念だなそれについて気になってたから。
「そして最後に黒いメダルあるいは紫のメダルについて話そう」
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紫のメダルそれはフィルスの力で普通の天理の力の倍の力を出すことが出来るが理性を失う。
「紫のメダルを君は使うことが出来るんだったな?」
私に尋ねてきた。
「はい、使いこなすまでは辿り着いてないですけど」
「使いこなさなくいいから」
「ああ私も真琴に同意見だ」
綾先輩と真琴から強いツッコミが飛んできた。
「ああ、全くもってその通りさ、あれは強力だが人を食らう代物だ」
「私がそれを初めて見たのは2年前にいた天理だ」
「そいつは戦ってる最中頭に不思議な声が聞こえると言っていた」
私と同じ状況だった。
「そして次の瞬間その天理のメダルは黒く染まっていったそして次の瞬間黒い天理へと変化したそしてその天理はその力を使いその場にいるフィルスを全て倒した」
「だが倒したて数秒後そいつは黒い煙に覆われ苦しんでいたそしてフィルスとなった」
「私はそんな悲惨な天理をもう、見たくないだから鹿黒さんそのメダルは今後一切使わないでくれ」
そんな過去があったんだ私はそんなことも知らずに軽々と何回も使おうとしてたなんて。
「はい、もう使いません約束します」
「う言ってくれるとありがたい」
「すみません!私からも聞きたいことが」
「私の兄について何か知ってる事があれば教えて欲しい」
「ああやっぱりそうか似てると思ってた君は鹿黒悠くんの妹さんで間違いないかな?」
「はい間違えないです」
「あの子は凄くリーダーシップもあって他の寮の子とも上手くやっていたし黒水の子ともな」
「あのヤンキー達ともですか?」
三奈美がびっくりしていた。
「ああ、当時のリーダーと悠くんは最初は敵対意識があったらしいだが殴り合いの喧嘩をしたら仲良くなってな懐かしいな〜」
お兄さんがそんなことまで。
「そんなこと悠先輩は一言も」
「ああ、みんなの為にも黙ってたんであろう」
「だが、悠くんはフィルスと共にどこかへ消えていった」
「そのフィルスを知っていますか?」
「ああ、そいつはワープを得意とするフィルスでな見た目は全体が白く人と話す事が出来る肆神みたいになやつだ
そしてそいつはフィルス王の座を狙っていたらしい」
私は怒りが込み上げてきたでもその怒りを飲み込んだ。
「……」
「咲楽ちゃん」
「ありがとうございます、私はそのフィルスを倒して絶対に兄を救いだします」
ここまで情報があればきっと見つかる、絶対に倒す。
「他に聞きたい事はないか?」
「いえ、今日はありがとうございます」
「こちらこそありがとう」
わたし達は部屋を出ようとした時だった。
「おい!所長いるか?」
黒いロングで黒い特攻服を来た女の子が入ってきた。
「ひっ」
三奈美は私の後ろに隠れた。
「あん?誰だこいつら?」
「この人たちは蒼月の皆さんだ」
「なんでそんなヤツらがここにいるんだよ!ここは俺たち黒水のシマだろうが」
確定だこの人は三奈美が恐れていたチーム黒水だ。