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箱の中の祝福  作者: 海華
11/41

5燃える予告龍「其ノ壱」

66

 先日の戦いで私たちのリーダー綾先輩が必殺技を使えるようになった、これで戦闘の幅も広がるだろう。

 だが、私が今やることは……。

「コンサートまであと二週間みんな気合い入れてこう」

 そう、軽音部のコンサートだ。

「ほら、潤くんも和也くんほら」

「真琴はいつも元気だな」

「まぁ平常運転だね」

「なぁ真琴」

「ん?」

「歌の方はいいのか?まだ咲楽とそんなに合わせてないだろ?」

「確かにそんなに練習してないかも」

「演奏の方は8割方できてるからそっちの練習やりなよ」

 確かに練習したのは一回だけだね。

「真琴やろう、私演奏の方はなんとか大丈夫だから歌の方の練習しよ」

「OKわかった」

「こっちは個人練習しながら二人の歌聞いてるから」

「なんか恥ずかしいな」

「本番はもっといっぱいの人の前で歌うんだからこんなところで恥ずかしがってる場合じゃないよ」

「そうだね、みんなよろしく」

 私と真琴は二人に見られながらも歌の練習に励んだ、途中みんなのアドバイスもありながらよりいいものへと進んで行った。

「デスメタルゥゥゥ」

 澪先輩が奇声を発しながらこちらへ向かってきた、だがこの先輩はこれが通常運転だ別に病気なわけではない。

「練習見にきたぞ、どうだコンサートまで間に合いそうか?」

「はい、なんとか」

「そうか、じゃ急ですまないが君たちの演奏いやソウルを聞かせてくれ」

 演奏って言っちゃてるじゃんわざわざわかりずらく言い直さなくてもいいのにね。

「はい、私達のソウルを聴いてください」

 私達は澪先輩に演奏ソウルを聴かせた、まだ完璧ではないが形にはなっていった。

「…」

 澪先輩は黙こんでいた。

「どうですかね」

「うん、演奏はもう練習の必要はないそこは完璧だなんならブラックウィンドウより上手いかもしれないただ」

 ただなんだろう?

「歌が問題だな」

「歌が…」

「あぁ真琴と咲楽の息が合っていないそこは残り二週間で頑張って合わせてみろ」

「はい、咲楽ちゃん頑張ろう」

「うん頑張ってみる」

「最後にもう一つ」

 澪先輩は私の方を見た。

「君からソウルが感じられない」

「ソウル?」

「ソウルだ、いわば気持ちだ歌に気持ちが乗っていない」

「ただ書いてある通り歌っているだけで気持ちがない」

「気持ちですか?」

「そうだ、真琴を見てみろ」

 )真琴の歌声、そして歌詞これに彼女のソウルを感じる」

「君の演奏は確かに凄いがソウルが入ってないこれだとAIにやらせてるのと何も変わらない」

「私からのアドバイスは以上だ、頑張れよ」

 澪先輩は去って行った。

「……」

「咲楽ちゃん」

「ねぇ真琴」

「何?」

「ソウルってなんだろう」

「ん〜言葉で説明するの難しいね平たく言うと気持ちかな?」

「確かにソウルは何かって言葉にすると何かって説明は難しいな」

「咲楽いいか?」

「はい」

「ここに入る時ブラックウィンドウの演奏聴かなかったか?」

「聴いたけど」

「じゃああの演奏聞いてどう思った?」

「それは」

 私は正直に自分がどう思ったか答えた。

「凄い気合いが入っていて力強い演奏に歌だった」

「うん、それが澪先輩のソウルだ」

「もしまだパッとこないならこれ聴いてみて」

 潤くんは私に一枚のDVDを渡してきた。

「これは先輩方の演奏が収録されているこれを見たらソウルが何か掴めるはずだ」

「うん、」

「ねぇ今日は解散にしない」

「そうだね」

「だなよし今日は解散」

 この日は解散して練習はまた後日となった。

 

67

 この日は真琴と私はまっすぐ寮へ帰った。

「ただいま」

「今日は随分早かったのね」

「うんまぁ色々あってね」

「そう」

 私はまっすぐ部屋に向かった。

「何かあったのか?咲楽が元気なさそうだが」

「実は」

 真琴がみんなに部活であったことを話した。

「確かにあの子にはそういうの苦手そうだもんね」

「澪はそういう所こだわるからな悩んでも仕方ないな」

「真琴、咲楽が悩んでたら力になっててあげて欲しい」

「わかりました、ただ今は一人にしてあげましょう」

「そうだね」

 私は帰って早速借りたDVDを見てみた。

 そこには一年の時の澪先輩が写っていた。

「みんな行くよ」

 今とは全然キャラが違い大人しそうだった。

 澪先輩の演奏が始まった。

 今とは違い歌い方演奏の方法も普通だったと思っていた。

 しかし、それは思い違いだった曲の後半になった次の瞬間。

「行くぞ!!」

 まるで何かに取り憑かれたのかと思うぐらい全てが破天荒になった。

 そして客席からは歓声が聞こえ始めた。

 さっきまでの丁寧な演奏はないが演奏を通して何かを伝えようとしてるのが分かるような気がする。

 そして演奏が終わった。

「みんなありがとう!」

 そしてここからはいつも通りの澪先輩の演奏だった。

 激しくメッセージ性のある。

 恐らくソウルとは伝えたい事やメッセージ性の事なんだろう。

 DVDが終わった。

 コンコン。

 部屋をノックする音が聞こえた。

「私だよ入るね」

 真琴だった。

「DVDみた?」

「うん」

「どうだった?」

「澪先輩が言うソウルと違うかもしれないけど自分なりのソウルがわかったかもしれない」

 「そっかでも正直難しいよね、咲楽ちゃんには言ってなかったけど軽音部はそのソウルがわからなくて辞めちゃう人が何人もいたんだよ」

 「でもその感じなら大丈夫そうだね」

 「うん、心配かけちゃったね」

 「明日澪先輩にもう一回聴くてもらおう」

 「うん、私なりのソウルを澪先輩に届けてみるよ」

 「うん!じゃ今日はその為にもゆっくり休んで」

 と言いつつも不安ではあるけど、当たって砕けろだ。


68

 「わかったかソウルが?」

 「はいどんなものかなんとなくですけどわかりました」

 「ほお、じゃ早速聴かせてもらおうじゃないか」

 私達は演奏の準備をした。

 「みんな行くよ」

 真琴の合図で演奏が始まった。

 昨日の私とは違うって事を澪先輩に聴かせてあげないと。

 そして、この時が来た私が歌い出す時が私なりのソウルを澪先輩に聴かせた。

 私の中にある思いやメッセージなどを乗せて歌った。

 言葉にならないこの思いを届け。

 「ほぉん」

 澪先輩が静かに頷いている伝わったかな私のソウル。

 こうして演奏が終了した。

 手応えはあったでも、私のソウルが伝わったかどうか不安だった。

 「どうですかね?」

 不安気に真琴が尋ねた。

 「わかったみたいだなソウルが」

 「お前のソウルしかと受けたった」

 澪先輩が私の胸に拳を突きつけた。

 「やった」

 「ふぅ一安心だ」

 「よし」

 「のソウル届いたみたいで良かったです」

 「おう!ちゃんと届いたぞ君の桃色のソウルが!」

 ソウルって色なの?!まぁなんにせよ伝わったみたいで良かった。

「コンサートもこの調子で行けば大丈夫だ」

 「はい」

 こうしてソウル事件は幕を閉じた。

 事件?まぁいいか。


 69

 あの後もより良いものにするために練習を続けた。

 気がつけば夜9時20分になっていた。

 「みんなそろそろ帰らなきゃやばい時間だ今日は終わりにしよう」

 「うわ本当だそろそろ奴らがくる時間じゃん襲われたらやだな」

 奴らとはフィルスの事だろう。

 「和也奴らみた事ないのか?」

 「見たやつに話を聞いたぐらいだよ」

 「実は俺みたことあるんだよ」

 「マジかどんなだった?」

 「前夜の11時くらいにベランダに出たんよそしたら」

 「そしたら?」

 「全身真っ黒のやつと騎士みたいな格好したやつが戦ってたんだよ」

 「マジか奴らって本当にいたんだ」

 「いたよ、だから俺たちも襲われないうち帰ろう」

 「そうだな」

 「二人も帰りは気をつけて帰れよ」

 「うん、気をつけるよありがとう潤くん」

 「特に真琴」

 「どういうこと?」

 「なんか訳もわからず奴らに戦いとか挑みそうなタイプだし」

 うん、和也くんあってる。

 「それって私がバカだって言いたいの」

 「まぁ」

 「大丈夫だよもし奴ら見つけたらすぐに逃げるから」

 「そうしてくれ間違えても戦うなよ」

 「潤くんまで」

 私達はくだらないことを話しながら帰った。

 「じゃあまた明日」

 「バイバイ」

 私達は二人と別れた。

 「咲楽、真琴が戦いそうになったら引っ張ってでも逃げろよ」

 「うん、そうする」

 「私たちも帰ろっか」

 「うん」

 早足で私たちも帰った。

 「それにしても私戦いそうだってね」

 「戦いそうじゃなくて戦ってるけどね」

 「そうだけど、私普段から天理オーラ出てるかな〜)

 咲楽(全く出てないよ」

 「良かった〜バレたかと思ったよ〜」

 「それより咲楽ちゃんホープドライバー今持ってる?」

 「持ってないよ」

 「だよねじゃ急いで帰ろ」

 私達は急いで帰った。

 「やっと寮の近くまで来たね」

 「うん、急ごう」

 「それより、今って何時」

 私は時計を見ると9時はとっくに過ぎていた。

 「9時15分だね」

 「やばいじゃん」

 「早く帰らないとフィルスに出会ってもおかしくないね」

 私達はさっきより急いで帰った。

 「ねぇ咲楽ちゃんあれ」

 真琴が指差す方にはフィルスがいた。

 「フィルスだねしかもこっち見てる」

 そう思った瞬間。

 フィルスはこっちへ向かって走っていった。

 「真琴寮に急いで電話して」

 「うん」

 真琴は寮に電話した。

 「もしもし三奈美ちゃん?今フィルスに襲われててすぐ来てほしいあと私達のホープドライバーも持ってきて欲しいお願いね」

 「うん、すぐ向かうね頑張って逃げて2人とも」

 「すぐ、来てくれるって」

 「ここは逃げながら時間を稼ごう」

 「うん」

 私達は逃げ続けた。

 壁に隠れたり、茂みに隠れたりしたしかし着装してない私達はただの人に過ぎないすぐに追いつかれてしまう。

 「咲楽ちゃんこっち」

 真琴の提案で廃墟の方へ向かった。

 私達は廃墟へ入った。

 「このまま屋上まで逃げよ」

 「うん分かった」

 私達は屋上に逃げることにした。

 凄く怖い、だって生身の人じゃフィルスに簡単に追いつかれちゃう。

 私達はやっとの思いで屋上まで辿り着いた。

 「うまく巻いたかな?」

 そう思った矢先床を突き破りフィルスが出てきた。

 「どうしよう」

 「く...」

 今の状況は絶望的だ、着装してない天理とフィルスどうすれば。

 そう思った瞬間。

 プシューン

 空から青いレーザーが降ってきた。

 フィルスの一人が消失した。

 そして、空から銀色の装甲の天理が現れた。

 誰だろう?


70

 「真琴あの天理は?」

 「私も知らないどこのチームだろう」」

 その天理はフィルスの群れを片手に持ってる銃でフィルスを撃ち続けた。

そしてフィルスの大半が消えた。

 そして最後の一人のフィルスにその天理が近づいて。

 その天理はフィルスのお腹を殴りそのフィルス灰となった。

 フィルスは全滅した。

 「凄い」

 銀色の天理は振り返りこちらへ向かってきた。

 よく見るとその天理はホープドライバーをしておらずその代わりに腕に何か機械的なものを巻いていた。

 「助けていただきありがとうございます」

 真琴がお礼を言った。

 「……」

 銀の天理は何も言わずに飛んでいってしまった。

 なんだったんだろう。

 「真琴、咲楽大丈夫か」

 綾先輩の声が聞こえた。

 「はいなんとか」

 「フィルスはどこにいるのよ」

 「それが」

 真琴は今あった事を説明した。

 「じゃフィルスはその銀の天理が倒したと」

 「はい」

 「しかもその天理ホープドライバーをしてなかったです」

 「妙だな、まぁ君たちが無事なら今は良い帰ったらゆっくり話を聞こうじゃないか」

 私達は寮へ帰ることになった。

 それにしてもあれはなんなんだったろか?


71

 「何より二人とも怪我がなくて良かったまずはそこに喜ぼう」

 「うん、無事で良かった」

 「あと、これから帰るのが遅くなりそうな時は千織さんに連絡するようにしてくれ」

 「はい、気をつけます」

 「それと君達が言っていたホープドライバーを使わない天理も気になるな」

 「天理はポープドライバーがないと着装できないはずだ、しかも新型の着装モジュールができたなんて聞いたことないぞ」

 「優子先輩が作ったとかじゃないんですか?」

 「私はそんなの聞いてないぞ」

 「今電話で聞いて見ましょうか?」

 「ああ、頼む」

 三鶴は優子先輩に電話を掛けた。

 「もしもし三鶴です」

 「おお、三鶴かどうした」

 三鶴は今日あった状況を説明して銀の天理について聞いてみた。

 「ん〜そんなの聞いたことないな」

 「そうですか?」

 「それよりお前達ユニコーン翠倒したんだってな」

 「はい、なんとか倒せました」

 「おめでとう!」

 「ありがとうございます」

 「そのなんたまいきなりで悪いんだが、ユニコーン翠に関連ある話なんだが」

 「はい」

 「この前君と真琴、咲楽が来た時にフィルスが現れたとき鱗が落ちてきたのを覚えているか?」

 「はい覚えています、朝には消えちゃうって言ってたあれですよね?」

 「それだ、実はあの落とし主が判明した」

 「本当ですか」

 「ああ、その正体は」

 「はい」

 凄く緊張感の走る言い方をしている。

 「龍の形をしたフィルスだった」


72

「なんだと」

 「しかもそいつは自分の事を肆神、万炎龍と名乗っていた」

 「肆神……」

 また現れたか肆神。

 「そして、そいつは今まで鱗を落としていたのは殺害予告状だったと語っていた」

 「私たちは肆神に狙われている」

 「そこで君たちに頼みがある」

 「私達と万炎龍を倒すのを手伝って欲しい」

 「全員きてくれとは言わない、蒼月から何人かきて欲しい、頼む」

 優子先輩の思いは電話越しにも伝わる相当ピンチなんだろう。

 「わかった、メンバーについては今後話合おう、それにしても優子から頼みごとされるなんてな、珍しいこともあるもんだな」

 「ですね、それについては任せてください私たちが力になります」

 「本当か助かる」

 「それにしても新しい着装モジュールか気になるな、何かわかったら連絡する」

 「はい、お願いします」

 三鶴は電話を切った。

 「銀の天理についてはわからないどころか新しい問題が増えるなんてな」

 「みんな一応肆神と戦って良いよういつでも準備してくれ」

 結局何もわからなかった。


73

 私はこの日はすぐ寝れると思ったが当たりはいつもの草原だった。

 はぁいつものか。

 「コスモス」

 「やあ、ユニコーン翠撃破おめでとう」

 「コスモスのアドバイスのおかげだよ」

 「情報が役に立って良かったよ」

 「あと、このメダルはどうしたらいいの?」

 私はユニコーン翠が落としたメダルを出した。

 「それは今は使えないかな?だから使える時がいつか来るからその時まで大事に持ってて」

 「わかった」

 「それより、今度は万炎龍を倒すんだよね」

 「うん、倒さないと仲間がやられちゅうからね」

 「そうかじゃやつの特徴を教えるね」

 「やつに弱点はなく、装甲は硬い」

 「そんなやつどうしたら良いの?」

 「簡単だ同じ所を攻撃し続ければ装甲が剥がれるそこを叩けばいいよ」

 「ありがとう、それと」

 私は銀の装甲について聞いた。

 「ふっ、知らないね」

 コスモスはなぜか笑った。

 「本当に?」

 「うん、それよりそろそろ朝だよ」

 「うん、色々ありがとうね」

 「うん、検討を祈るよ」

 コスモスはグッドマークをして別れた。

 


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