幽霊船
父親に誘われて船旅をすることになった。
船は格安にも関わらず思ったよりも綺麗である。
両親が知り合いの大人たちと話している間、私は客室のベッドでゴロゴロしながらゲームをしていた。
船が揺れているからだろうか。
DSでマリオカートをしていると妙に臨場感がある。
自分の運転操作が本物だと錯覚してしまう。
夢中でゲームをしていると外から足音が聞こえた。
その足音は私の客室の前で止まり、ドアをノックをした。
コンコン コンコン
麻衣(お母さんとお父さんかな?あれ?鍵もってるのに変だな。他の人が部屋間違えたのかも。両親なら、そのうち鍵を開けて入ってくるよね。きっとそうよ。)
私はそう考えて放置することにした。
両親だって急用なら私に声をかけるだろう。
コンコン コンコン
またノックが聞こえたが私は特に気にしなかった。
30分が経ちガチャっと扉が開く。
両親が客室に戻ってきた。
麻衣「おかえりなさい。さっきはどうしたの?ノックしていたよね?」
しかし両親は何のことか分からない様子だった。
話を聞くとずっと知り合いの大人たちと居て私の客室には1度も来ていないという。
両親も知り合いの大人と操縦士以外この船には誰も乗っていない。
あの時、私の客室をノックしたのは誰だったのだろうか。