はじめてのダンジョン。
大草原の中を少年が獅子の頭と山羊の体、蛇の尾を持つ怪物に追いかけられている。
「.......このままじゃ死ぬッ!!」
慌てて逃げる、人間の足じゃ追いつかれるだろう、というか追いつかれた。
獅子の頭が僕の足にかぶりつこうとする、あ、もう終わりか、僕の人生早かったな、カード出す暇
も無く終わってしまった。
と思った瞬間、まさに矢継ぎ早に矢が獅子の山羊の体に何本も突き刺さる
尻尾の蛇がとんがり帽子を被った少女を睨みつける。
獅子の頭を持つ怪物の狙いは、矢を放ったとんがり帽子にマントをはおった
何故か超ミニスカの美少女に決まった。
少女を目掛けて駆け出そうとすると、短剣を持ったドレス姿の貴婦人達に止められる
足、腹、右の目を切りつけて、華麗に距離を置く。
しかし怪物の勢いは止まらない。
そんな時近くにあるオリーブの木のある扉が開いた
「急げッ!!」
「わかっているわッ!!」
オリーブの扉の中に入る。
ひと段落、死ぬかと思った......。
笑いながら僕らをこんな目に合わせた女が近づいてくる。
◆◇◆◇◆◇◆
20xx年 5/26
晴天の日、電車の窓からビル群を見る、もう5/26か
春が来たと思ったら今度はもう夏が来る。
ポケットの中でスマホが震える、あ、LINEが来た。
リナ「今日はのエリュティア島のゲーリュオーンを
なんとしてでも倒すから覚悟しといてね」
「分かったけど、ペース早くない?
もう少しゆっり行こうよ」」
と僕は返す。
リナ「そんな暇無いの、倒すからね」
電車の中を見ると国民的アイドルグループAKT69の香椎リナが
アルバム「核弾頭」のコスチュームの軍服で
「痴漢、セクハラは帝国的制裁!」と敬礼しながら言っている広告がある。
(このポスターも大分危ないぞ?)
僕はそのセンターの女の子の顔の部分と同じLINEアイコンの
トーク画面を閉じる。
僕はイヤホンで洋楽をジャカジャカ流している、愛だとかあなたがほしいだとか
きっとそんな事言ってるのだろうかJPOPで聴くとうすら寒いが
英語だと分からない、ユーロビートも心地よい、だから洋楽ばかり聴く。
壁をつきやぶってと英語で歌が流れた、この曲は何回も聞いてるから
僕の中で和訳されてる
もう一回窓を見る
灰色になった世界に最近色味が増してきた。
それは1つの出会いのせい
回想
4/26
高校生二年生になって少し、学校の廊下で
男子達が歩、じっと男子達が、体操着姿の女子共の尻を見ている。
「どこ見てんの~?」
とリーダーの垢抜けた美人が言う
「ケツ論から言うとケツだね」
と男子の一人が言う、他の男子は大爆笑する。
その女子はくだらない下ネタを言った男子の隣の前から気になるサッカー部の
エースに言ったのつもりだった
下らないやつから下らない返しをされてムッとする。
ふざけた野郎、ジョークを言うのが得意、特に下ネタが得意。
秀逸なジョークで人は笑う、みんなは彼の言うジョークで笑う
それは秀逸なジョークという物がしっかりと対象を洞察してないと言えないからだろう。
前述したのはただのクソセクハラだが。
だとしたら、彼はそれなりに洞察力はあるのかもしれない。
彼女が欲しくてたまらない高校生相沢ユウ
彼は決して顔立ちが悪くないのに彼女ができないのは
もしかしたら人よりも彼は色々な事が見えすぎてるせいかもしれない
普通に生きてれば、いい所よりもあらが目立つ。
本人にその見えすぎているという自覚は無いが
ギリギリのセクハラや下ネタって男子高校生に凄くウケがいい
まぁ彼の場合少し調子に乗りすぎてしまったせいか、女子ウケは最悪だ。
前言撤回、多分彼女ができないというのはそのせいだ。
相沢ユウは男子に凄くモテている、彼は悪意のある悪口は決して言わないし
面白いし、何よりも少しシリアスな話をすると何処までも聞いてくれる。
茶々入れたアドバイスも無しに、話手に整理させ、最後に頑張れと言う。
本人に男子からモテてる自覚は無いし、別にモテているとか
そういうのは大した問題ではないが。
しかし相沢ユウは彼女が欲しくてたまらない、ちょっと男勝りで、ボインな
女、しかし今や男子とて女々しい時代そんな女は何処にいる?
野郎共から挨拶され。
「それじゃあね」
とバックパックを背負い、帰路に着く、電車に揺られ数十分。
ユウは家に帰り、散らかった部屋のベッドに横になり無造作にスマホを開く
今ハマっているソシャゲーのアプリを開く。
URLが送られてきた、そこに行くと
ユウのやっているソシャゲの大元の多国籍企業マザーズ社の企画みたいだ。
「※個人用メッセージです、プレイヤーネームYOUさまに当社からお知らせがあります」
何故僕が?、キャンペーンに応募した訳でも無いのに?
GWの5/3に新宿のとあるビルに来て欲しいと来た。
マザーズ社のソシャゲーアプリにも個人あてにメッセージが届いてる、
悪戯では無いみたいだな。
その日は空いてる、......というかGWなんていつでも空いてるけど。
(新作ゲームのモニターとかか?だったらいいな、新作ゲームがやれて
アルバイト代も貰えるかもしれないなんて)
マザーズ社のソシャゲーアプリを見て昨日当てた
最高レアリティ排出率ピックアップ時0.02%のダイヤのAヘラクレスを見てニヤニヤする。
このソシャゲーは余り露骨な萌キャラなんて出していないが
有名なイラストレーターを起用したクラシックなデザインとTTRPG風の非常に戦略的なシステムで
世界中で人気になっている。
様々な神話の世界のキャラを取り込み、大規模なファンタジーのシナリオに
老若男女問わず、みんな夢中だ。
ざっと言うと様々な神話の世界という地下牢ダンジョンに入れられて役割を決めて
ジョーカーというラスボスを倒して抜け出すという設定。
僕の引いたヘラクレスは言わずもがなギリシア神話の大英雄。
位階、ダイヤのA
SSSランク
役割として使うと大英雄 身体能力超強化+勇気ランクSSS+神々の恩恵
武器として使うとヘラクレスの弓 どの位置からでも攻撃でき
敵一体に特大ダメージ。
能力として使うと 身体能力超絶強化+武力超強化
クエスト中に一回のみのスキルカード
12の功業、12回の特大ダメージを連続でも
分けても使える
使役魔 ヘラクレス(攻撃力体力素早さ最強)
排出率はピックアップ時で0.02%というアホみたいな数字だ。
このキャラのピックアップは2回目で、1回目のPUの
時みんな引いて、環境が壊れた。
なのに何故まだ環境ブレイカーのまま2回目をやったのか
不思議だ。
ネットを見ると何十万も課金して大人達はヘラクレスを引きに
いっている。
このソシャゲーは排出率は異常に低いが、その分プレミア感は高い
国際的に大会も行われている。
かなり大規模な大会で、賞金も2000万円+各種メディアに
取り上げられるという物。
公平性を課すために、キャラに制限はかかる
基本的な無課金キャラしか大会では使えない。
僕はこの大会の
高校生部門で優勝していた、でもそれだけ。
スポーツやって国体で優勝した訳でも
無いし、高校生部門は賞金が無い、グッズとかそんな感じ
なによりゲームの大会とかはモテない、学校で少しだけ話題になった。
でもレベルの高いプレイヤーとルール平等で競い合うのは
楽しかった。
このゲームの戦略性は大会仕様のルールだとチェスや将棋よりも
ある、ただゲームだからという偏見。
それの高校生大会が、今年の2月かなぁ?
色々な人と戦って仲良くなってコミュニケーションを取ったりして
その時は凄く楽しかった、また大会開かれないかなぁ......。
20xx年 5/3
ゴールデンウィークの最中にその住所に僕は向った。
新宿のとあるビル
(......マザーズ社の系列でも無いけどどうしてこのビル?)
僕は待合室に案内された、一人の少女が居た
(!?)
僕は驚いて目の前に少女を見る。
あれぇ、なんかこの子昨日見たぞ?
ていうか毎日電車で見ている
昨日もテレビとか僕の買ってる雑誌のグラビアで見た。
......いや、人違いだと恥ずかしいな......
......でも、そこにいるのは間違いなく
「香椎リナ!!......さん?」
「こんにちは」
黒髪ショートカットの少女は礼儀正しくペコリとお辞儀をした。
香椎リナ、彼女はアイドルにしてマザーズ社のソシャゲーの世界大会準優勝
容姿端麗さらにはIQ180で話題になったトップアイドルだ。
(......言葉に詰まる)
「私と君だけみたいだね、名前なんて言うんですか?」
「あ、あ、相沢ユウです......」
「タメ口でいいよね?、ユウ君もタメ口
でいいよ?」
「あ、ありがと......リナさん」
「リナでいいよ私もユウって言うし」
「......うん、リナ!」
(昨日読んでた雑誌のグラビアモデルが、目の前に居て平静で居られる訳ないだろっ!!
すっげー綺麗、目切れ長で、小顔で、ノーメイク?、唇も薔薇色で......)
(......ぱいおつ、かいでー)
※おっぱいでかいなこの野郎という意味
目が膨れあがったクリーム色のニットの胸部にいく
(学校の女子とは色々と桁が違う......可愛い、そしてエロい、エロ過ぎる)
「ユウ?」
「ひゃいっ!?」
「あんまり、胸見ないでくれる?」
「そこの空気見てましたw」
「なんでマザーズ社から、急にこんなメッセージが来たんだろ?」
なんとかお近づきになりたくて言ったユウのギャグを
無視してリナは話を続ける。
......おかしいな、ケンタ辺りなら、気絶する位笑うのに
ちょっと気まずいかな......。
なんとかしないとな......。
ユウは学校だと女子共から嫌がられるが、男子のリアクションから
こういうギャグはユウの事を知らない人には結構通じるものだと思ってた。
しかしどうあがいても男と女は違うものだ。
ドアが開いて女の人が入ってくる。
「こんにっちわぁーっ!!(はぁと)」
スーツ姿お姉さんが入ってきた、黒髪ロングにストレート、26歳位かな?
すっごく綺麗で......エロい。
ソシャゲみたいにランクつけるならリナはSSS、お姉さんはSSか。
僕は芸能人レベルの美人二人と同じ空間にいるのか......!?
......いや一人は芸能人か。
(ひゃううぅぅっ!!)
胸がでかい!!Gカップ位あるぞ、タイトなスーツの
胸の部分が盛り上がるとこんなにエロいのか......!?
脳が殺された。
「そんなに胸を凝視されると困るわ......。」
「そこの空気見てましたw」
「ではお二人とも案内しますね」
僕を無視して案内する。
......まずいこの空気、何故だ?クラスの男子共は吐くほど笑うのに
......こいつら、もしかして笑いたくても下ネタで
簡単に笑うなんて、女性としてはしたないとか思っているのか?
なんとして取り戻さないとッ......!!
(......次は僕の鉄板ネタだ!!)
ただでさえ女子と余り喋る事の無い癖に超絶彼女欲しいマンのユウ
こんな滅多にお目にかかれないシチュエーションで興奮して
だだ滑りまくるのも無理がないのかもしれない。
「ごめんね、リナちゃんゴールデンウィーク予定あったでしょ?」
「いえ、マネージャーに前もって言ってて、オフにしてもらってたし
マザーズ社のイベントに招待されるなんて、昨日興奮して眠れませんでした」
リナは本当に嬉しそうに言う、国民的アイドルにもこんな一面があるのか!
無邪気に笑う笑顔がとても可愛らしい。
「ユウ君はさっきからリナちゃんと私のお尻しか見てないわよね?」
「ケツ論から言うとそうですねw」
僕を無視してお姉さんは案内を続ける
空気がとても重くなった。
「歩きながら話そうか、
お二人ともマザーズ社のソシャゲのトップランカーね
他にもいるんだけども、他の方には別の場所に来てもらったわ
だって案内する場所は何個、いや何百個もあるんですもの」
「何マンコはないとですか??」
(これならいける!!)
二人の後ろでプリっとしたケツを見ながら歩いてた僕は言った。
お姉さんは無視した。
その時
声が廊下に響き渡る
リナがブチ切れて叫んだ
「あんた、さっきからなんなのっ!?
セクハラまがいの事したり
クソ寒い下ネタ言ったり
下ネタでしか笑いとろうとしない奴なんて
見ててクソ寒いんだよッ!?」
「あぁっ!?うるせえよっ!!
僕は少しでもこの初対面で緊張してる場を
和ませようと、こういう事してんだよ、てめぇなんだ?
急に切れて生理中かよっ!!、あぁっ!?」
僕は好きになっていたリナに全身全霊のネタを否定されマジ切れされて
びびって涙が出そうになるのを逆ギレする事で堪えた。
「あの、二人とも本当に静かにしてもらえますか?
それとリナさん切れるのも
無理ないですよ、私もその年なら切れてました、最低です」
ユウを見るお姉さんの目が笑ってない。
僕は好きになりかけてたお姉さんに対して何もかも否定されて
辛くて泣きそうになるのを、唇を血が出るまで強く噛む事で涙を堪えた。
床に僕の血がポタッと垂れる、血の小花が咲いた。
「.......ふんッ!!」
とリナは僕から露骨に距離を置く
(もう帰りたい......)
ウケるつもりで言ったギャグがこんなに空気を重くするとは思わなかった......。
唇の血を手で拭った。
「というか話、大分ずれましたけど、ここですね」
エレベーターで地下5階に降りた。
綺麗な廊下の奥に穴がゲートで塞がれている。
横にオフィス件待合室がある。
「穴ですか?」
「これはダンジョンです」
はぁ、ダンジョンですかぁと僕とリナは口を合わせて言う。
「最近漫画とかで話題のですか?」
リナが聞いた
お姉さんが口を開いた。
「えーっと、がぁーっと説明しますね、
マザーズ社の企画、実は政府と人類滅亡救済の共同企画で
お二人にはこのダンジョンを攻略してもらいます
何故か神話の世界を体現してるんですよね
その話はまた後でします。
攻略と言うと、今から渡す特別な
トランプのカードは特殊な能力を持ち
このダンジョンでは記載されてる能力を再現できます
ゴールはジョーカーというラスボスを倒す事です。
4枚のカード入りのパックを配ります、ワクワクドキドキですね~
はい説明書。
ここまできたので、まず体験してみましょ~、
大丈夫です、歳と実力を考慮してこの二人にしてますし、
この入口は最初は私達が攻略してるので
そんなに強い敵いませんから
まずは二人で組んで冒険した方がいいですよ、生死かかってるし
全力で
うーんと、すぐ逃げられても困るので
最低6時間位居て下さい、6時間経ったら扉開けます
まぁその位いたら慣れるでしょう。
あ、逃げたら国家反逆罪ですから、それじゃあどん!!(はぁと)」
「」
「」
唖然としている僕等はダンジョンに突き飛ばされた。
真っ青な空が見えた。
日本のそれでは無い幻想的な風景が広がる。
巨大なオリーブの木が出入り口になっていた。
「......頭混乱する」
リナは頭を抱えている。
「いきなりどうしたらいいのか......」
僕も不安になった。
「と、とにかく」
と説明書をリナが開く、目が光る。
「この、ダンジョンに置ける攻略の仕方
とか、概念ってマザーズ社のソシャゲーと
一緒だよ!!カードの強さも位階通り!!
ルールも一緒。」
「東京の地下からこんな神話の世界みたい
な風景って何?」
僕は明らかに日本の物では無い、それも街などが全く見えない高台からの
延々とした森まで続く草原を見て言う。
ザァンと風で草が揺れて緑の波が起きる
「それも書いてるわ」
僕はガイドブックを見てみる
なるほどここは今ソシャゲーでも
舞台のギリシア神話の世界か。
こういったダンジョンが世界中にあって
僕とリナは大会優勝者でトップランカー
だから攻略者に選ばれた。
ふむふむ、色々と納得できる訳が無い。
「大会優勝者って言ってもまだ高校生だぜ?」
「ちゃんと全部読んでよ」
何故かソシャゲーのトップランカーしか
カードは使役できない。
「こんな事ってあるのか......」
僕はさらに下を見る。
ラスボス、ジョーカー討伐後カード化
カード買取価格500~1000億。
僕は吹き出した。
まず社会に出なくてもいいし、金にモノを言わせて
好き勝手しまくれる、それでも余るのでは無いか?
「と、とりあえずパック開けてみようか?」
動揺している、リナがパックを丁寧に開けた
「......ふーん、これは当たりかな?、貴方も開けたら?」
びりびり
「......んんんんんっ!?」
「......何よ?」
「いや弱すぎてびっくりした」
「そう、残念ね」
どうでも良さそうにリナは言った
「あのさ」
僕はつばをごくりと飲んでリナに話かける。
「......いや、僕のカード、そんなに強くないんだけど
あのさもし、もしだよ?、僕がさ
この世界のジョーカーを倒して、カード化してさ.....」
「そんな事はまずありえないだろうけど、何?」
「いや、そのそれジョーカーあげるから
......あのさぁ、つかの事を聞くけど彼氏とかいる?」
なんでいきなりそんな事きくのか......彼氏なんていたこと無い
不機嫌そうにリナは答える
「......いないし、興味も無い」
僕はホッとした、しかし居ないからと言って「あれ」
とは限らない。
「......じゃあ、ていうかその......」
「......何?」
僕を睨みながらリナは言う。
「言いにくいんだけど......」
「もぉッ!!さっきからなんなのッ!!
言いたいことあるなら言いなさいよ!?」
「......処女?」
「」
リナは驚愕するどころか、唖然としている
声も出せずにいる。
「その反応は処女だね?
1000億円だってね?ジョーカー、じゃあリナ
もしねジョーカー倒したら、それあげる
だから......僕と付き合わなくてもいいから」
「」
「エッチさせて下さいッ!!」
「......死んでも嫌ああああああああああああああああああああッ!!!!」
ギリシア神話の世界が揺れるかと思う位リナは絶叫する。
「じゃあオーラルセックス!!」
※挿入以外のエロい事全般。
「誰か助けてええええええええええええええええええええええええッ!!!!」
「じゃあ裸見せてくれる!?」
「お姉さん、国家反逆罪になってもいいからッ!!
助けてええええええええええええええええええええええええッ!!!!」
「胸だけ!」
「うえええええええええええんッ!!!!」
「下着だけ」
「......ウェッ、......ウェッ、ヒックッ!、ヒックッ!!」
「......ブラチラ」
これでも駄目か、と僕はしょんぼりしながら言う。
何故ユウはそんな事を口走ったのか、それは彼と女子との接触が
中学生で止まっていた事が起因する。
中学生なら、なぁ、あそこみしてよ~、え、いやだ~!!
みたいな会話をたまに体育会系がしている。
それとユウはこの美少女リナに一目惚れしていた。
ユウが初めてリナの事を見た時、時計の針が止まり
○ueenのi was born to love youが流れた。
全く女性耐性が無い童貞、こんな事口走るのも
男子達に押されて作ったセクハラ野郎というキャラ
女と男は違う生き物だと言う事を知らずにひたすら自分は面白いヤツと
過信している。
......まぁだから女子からバイキンみたいだと思われるのだが
とにもかくもユウから下ネタを抜いたらせいぜいソシャゲの一回限りの
大会優勝者としか残らない、......それでも十分凄いことだが、彼の
求めている最上位カースト、なんだかんだ女子に悪口を言われても
モテまくってるヤリ○ンとはベクトルが違い過ぎる。
ここまで泣くリナを見てユウは途中危ない事を言ってしまったかと
思ったが、もう勢いは止められない。
しかし厳密にはユウとの女子の接触が無い訳ではない
男子以外にもユウは自分の性的対象ではない地味な女子となら
普通に話せるし、男子同様気配りもできる。
ただ彼女らの熱い視線にユウは全く気づかない。
それにユウには国民的トップアイドルの美少女に
肉体関係を迫れるある「理由」があった。
「......それ位なら、ヒックッ......
......ていうか、自信満々に言うからびっくりしたけど
......あんたなんかにジョーカー倒せないか」
「そうだよ無理無理、......もしもの話をしているんだよ僕は?
これもさっきのジョークの続きさ?」
話をジョークだと言うことにする、だとしても笑えないジョークだった。
リナの顔が切り替わる。
「リナ冷静になりました」
「流石トップアイドル
オリンピック選手並の切り替え」
オリンピックの選手には何かミスをした後でも
競技を続けるためのメンタルトレーニングがかかせない。
「あーそうだよねぇ、あんたなんかに無理でしょ
もし倒したら......リナ、何でもしてあげるよ?」
上目遣いで馬鹿にしながら僕を見てくるリナ
あ、胸の谷間見えた......エロい。
僕はゴクリとする
「......期待しているよ」
「......まぁ、でもキモいからあんまり近寄らないでね」
リナはさっと僕から距離を置く。
草むらから大蛇がぬうっと顔を出す
いきなりだったし、こんなにでかい蛇テレビでも見た事無い。
僕の心臓は一瞬止まり、すぐにドクドクと動きだし
目の前の状況を理解する。
「...リ、リナ、でかい蛇が......ッ!!」
続けてもう2匹程現れる、これ敵という事だろうか
リナも一瞬固まっていたが、冷静になり、カードを取り出した。
リナは片腕を突き出し、客達をめがけてハートを射抜くアイドルの様に
ポーズを取る。
「ようこそッリナの舞台へッ!!、いでよ我が使役魔!!ハートの10
ゴルゴーン三姉妹ッ!!」
「なんだその掛け声は」
すぐに冷静になれる性格はさっき見て分かるが、カード使うのに掛け声なんている?
とユウは思った、
綺麗にカードを片手の指にはさみ、それを敵に向けて言った。
「リナの役割は、クラブの6、セイレーン、魔道士ッ!!」
ポンッと、とんがり帽子にミニスカ、マントの萌え魔法使いの姿に変わる。
「武器はハートの5、下級天使、弓ッ!!」
カードを持ってない方の腕に弓と矢が現れる。
「そして能力はダイヤのJ、ペガサス、ランクSS、最上級風属性、疾風の加護ッ!!」
リナが疾風に囲まれる、風でパンチラしそうになる
エロい、でもしっかりとパンチラ対策に
スパッツを履いている畜生。
なるほど、この様にして自分の役割や武器、能力、使役魔を決めるのか。
それに合わせて具現化する。
「すげえ、なんて引きだ」
「リナに任せてッ!!」
「頑張れ、リナ」
ユウは棒読みで相槌を打った。
大蛇は三姉妹達に睨まれると石化し、リナは構え、弓が
疾風をまとった矢を放つ、一気に石化した像が砕け壊滅した。
「後、半日はこうしてチュートリアルこなしてましょう、あんたも
なにかしなさいよ」
「僕、全部6以下なんだ......足手まといになるだけだよ。」
「なら、そこで見てなさい......おりゃあああああああっ!!」
まぁソシャゲーのファンなら割と嬉しいシチュエーションでも
あるな
僕は生死がかかっているからそんなに変なテンション上げれないが。
そんな事より、一段落したさっきから妄想がきりきり胸を締めつける。
アイドルとギリシア神話の世界、訪れた非日常
男勝りの愛くるしいリナの顔とボインな体。
(もし倒したらリナの穴という穴
永久レンタルしていいわ、絶対に無理だから
......リナ、何でもしてあげるよ?)
僕はニヤリとリナの後ろで笑った。
スペードの8 B 神軍の兵士 役割 騎士 武器 神の軍の剣 能力 腕力強化 使役魔 神の兵士
ハートのJ S アマゾンの女王 役割 密林の兵の長 武器 女王の弓 能力 遠隔サーチ 使役魔アマゾンの女王
クラブのJ S アポロン 役割 大魔導師 武器 豊穣の杖 能力 感覚超絶強化 使役魔アポロン
ダイヤのA SSSランク 役割 大英雄 身体能力超強化+勇気ランクSSS+神々の恩恵
武器 ヘラクレスの弓
能力 身体能力超絶強化+武力超強化
使役魔 ヘラクレス
スキルカード 12の功業、12回の特大ダメージを与える
分けても使える
これはユウの成長の物語、これからたくさんの人と出会い、たくさんの事を経験し
たくさんの事を知り、たくさんの事を考える。
チートスキルのカードを引き当てたけど、本当の意味でチートな物はユウは持っていた
色々な出会いを通して、少年は何を見るのか?
そんなお話。
読んでくれてありがとうございます。
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こういうところ直してほしい、こういう文体がいいなど
改善点の意見はどんなに厳しいものでも参考になるので
気軽に貰えたらとてもうれしいです!
読んでくれて本当にありがとうございます!!