むこうの世界のこと
【むこうの世界のこと】 担当 桜
お兄ちゃんにパスされちゃったので、かんたんに書きます。
ハゼはなんだかいいにくそうにしてたけど、ティーアの話をまとめると、だいたいこんな感じ。
むかしむかし、この世界には、ニンゲンとビースルという、二種類の「ヒト」が住んでいました。
ニンゲンは、どんどん暮らしを豊かにしようとしました。そのためには、自然を壊すことも平気でした(これって、わたしたちの世界でもいっしょだと思う)。
ビースルは、お花や木々や、自然をできるだけ大切にしていました。自然の流れのなかで生きていくためには、がまんも大事だって思ってました。
なので、ニンゲンとビースルは、もともとあんまり仲良くありませんでした。
あるとき、ニンゲンたちは考えました。もっともっと、豊かになるには、どうすればいいだろう?
ビースルたちは、そんなニンゲンを笑いました。もうじゅうぶん豊かなのに、なんてばかなんだろう、と。
ニンゲンは、研究を重ねました。そして、とうとう、最高の豊かさを手に入れることに成功しました。
でもそれは──ハゼもティーアも、ここんとこくわしく教えてくれないけど──ビースルたちから見れば、とてもばからしい、そしてとても愚かな、「やってはいけないこと」でした。
なので、ニンゲンたちは罰を受けました。
いまでは、ビースルたちの暮らすところと、ニンゲンたちの暮らすところは、大きな壁で区切られていて、交流はまったくありません。
とにかく、ビースルはニンゲンを嫌っています。
以上!
あれ、わかりにくいかな。
とにかく、わたしたちが最初の日に聞いたのは、こういうお話だった。実はこれ、あとからだいぶ事情が変わってくるんだけど……それは、またあとで。