3. 家庭教師
「さて、初めまして勇者様。私の名前はエリオット=ウォーカーと申します。神巫女であるくるみの家庭教師をしています。」
水森に先生と呼ばれていた男はそう名乗った。水が流れている様に光る青みがかった銀髪。深みのある青い瞳…ファンタジーっぽいな。
「…お前は悪魔って言わねぇのか。」
男はニコッと笑って答えた。
「えぇ、神巫女が召還したとなればそれは勇者以外の何者でもない。そう文献にはありましたので。」
「そうか。」
…胡散クセェ奴だな。しかもさっきこいつ水森の事呼び捨てて無かったか?
「とりあえず勇者様もお疲れでしょう。部屋までご案内させて頂きます。」
男の後を歩きながら薄暗い部屋を出た。部屋を出て気づいたが今までいた所は小さな建物だった。ヨーロッパっぽいな…。あたりは真っ暗で満天の星がきらめく中、レンガ道を照らす灯りがその先にある大きな建物…というか城へと続いていた。
城だな…あのネズミランドもびっくりするほどのでかいファンタジー色いっぱいの城だ。
異世界か…
ここに来る前に出会った女神とやらを思い出した。
『ま、色々とチートあげるし気楽にね〜。』
無駄に見た目だけは良い能天気な奴だったが…チートか。どんだけのチートかこれから調べていくか。
その後お約束通り小綺麗な部屋に案内されて銀髪と別れた。水森に会うのは明日らしい。
寝るか…。
そう独り言を呟いて少し冷たいベッドに潜り込んだ。
遅くなってしまいました(/ _ ; )