1/10
ロンドン行き飛行機 ハイジャック
黒いダウンジャケットに黒いパンプスの女性は英国 ロンドン行きの飛行機内に居る。
仕事ではなく、旅行だ。
黒いパンツスーツに眼鏡の彼女は休暇を利用し、英国に行こうとしている
彼女の職業は刑事だ。
キャビンアテンダントが機内アナウンスをしている。
離陸間際、機内に覆面の男が入ってきた。
刑事ゆえ、注視する彼女…。
手にはライフルだ。
「この飛行機は乗っ取った！！」
ハイジャックだ。
「私はこういう者です。機長さんにお会いできませんか？」
警察手帳を出す彼女。
警部 新井有紀と書かれており、顔写真もある。
「やめなさい。私は刑事よ。」
デカがこの飛行機に乗ってやがったか。
ハイジャック犯ＶＳ有紀の対決の構図…。
騒然となる機内…。
その頃、警視庁では…。
「新井の搭乗する飛行機がハイジャックだと？」
参事官は刑事の報告に素っ頓狂な声を上げる。
「参事官、俺に行かせて下さい。」
越川か。
「空港は？」
成田です。越川警部到着まで間に合うか…。
「伊丹、千葉県警に応援要請だ。」
黒いスーツの刑事はグレーのスーツの刑事に応援要請を指示した。
「西野参事官、越川と伊丹を成田へ。」
強面の刑事部長は彼女の父だ
「新井部長、ありがとうございます。」
君は私が認めた刑事だ。娘を無事に助けてくれ。
もちろんです
その頃、成田空港のロンドン行きのジャンボは離陸が出来ぬまま、滑走路に居る
定刻はすでに過ぎている。
警視庁からの援軍は間に合うか…。
彼女は電波時計を見ている
彼のことだ…。父に掛け合ってくれているだろう…。
警視庁のパトカーの編隊は千葉県成田市へ…。
千葉県警と合流し、成田空港へ。
「警視庁の新井刑事部長から応援要請があり、越川警部が千葉に来るようです。」
千葉県警のベテラン刑事は彼の人柄、実力を高く買っている
