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死人とクチナシ〜死を悼む日と11の詩篇〜

405号室にて

待ち合いの(ヒル)さがり。

 (カゲ)りにそっと()れたのは、夢を見た、その所為(タメ)か、(カネ)ての病気が故か。

 窓枠に()められた、見目麗しき石英(セキエイ)

 この頃は、夢に見る、あなたがそう望んだのだ。


 あなたを知った病室へ、向いている此のつま先。

 青過ぎる今日の空の色は、それに似て非なる夢想家。


 古錆びた幻に別れをそっと告げたのは、

 鮮やかな現実が、今まさに香り立ったせい。

 壁際に(トラ)はれた見るももどかしき時計(トキ)は、

 事済めばそれまでの我が身を駆り立てんとする。


 あなたが去った病室は無色透明なれども、

 青過ぎる今日の僕自身は、ひどく身を(ヤツ)し、染まる。


 あなたに逢った病室は、カーテンも屹度真白く。

 青白い顔をした僕は「場違い」

 薄れゆく人翳と、気絶しそうな想いはこの先も、屹度同じように。あなたに残留(ノコ)るというなら。

 ああ無性に、口惜しい。

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