表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説の竜騎士の後継者  作者: sold out
第一章
1/8

始まりの時

これよりある少年の物語が始まる。


感想ください!

ついでになるべく一話一話を長くするつもりなので、前書きは少ないと思います。



PROLOGUE

~伝説の幕開け~


≪RYUJI SIDE≫


僕は目が覚めたら暗い森の中にいた。

身にまとっているものは先ほどと何も変わらない。変わったことと言えば、自分のいる場所が変わってしまったことくらいだろう。

しかし、いったいここはどこなのだろう。僕のいた埼玉とはまた違うのだろうか?埼玉ではないならいったいどこだろう。

今のこの状況の中でわかることと言えばやはり森の中にいるということだけだ。しかし、ここは一体どこの森なのだろうか。埼玉に森なんてあっただろうか。いや、あったとしても知らないだけかもしれないが。

埼玉以外の場所ということはないだろうか。例えば……白神山地?だが、いくら白神山地と言えどもここまで森は深くないはずだ。それにさっきまで僕は埼玉にいたはず…。ならばここは一体…

もしかしたら国外かもしれない。アマゾンとか…

もしアマゾンだとしたら、それはそれで大変なことになる。大した装備もないのに。

このような場所に来るなど馬鹿のすることだけだ。

そして僕は何かあるかと思い周りを見てみる。しかし、目も前に広がる光景はすべて木々で覆い尽くされている。そこで僕は人がいるかどうか調べるために辺りを見回す。

しかし、あたりを見回しても人の気配は全くしない。あるのは何かの息遣いと何かが移動している音。だが、なぜだかわからないが、埼玉にいた時より周りの気配のことがわかる気がする。二百メートル先に何かの気配がする。そしてこちらのことを窺っているのもわかる。

僕はそこにいてはいけないと直感が告げるままにその場を後にしようとする。しかしその刹那突如として僕の前に何かが現れた。その姿は深い毛に覆われ二メートルはあろうかという体躯に鋭い爪。一見熊にも見える。そこで僕は自分の中で、「ここはアマゾン。変な生き物がいたとしてもおかしくはない」と一人、頭の中で考えるが直感はそうではないと告げていた。

そしてその熊らしきものは突如僕に襲い掛かってきた。僕は鷹に駆られるウサギの気持ちで懸命に逃げようとするがその熊らしき生き物は何回でも何度でも僕をとらえようとする。同時に、よけにくい場所に攻撃を加えてくるためどうしても避けきれない。

そこで僕がもうだめだと半ばあきらめ、瞼を閉じようとするが、またしても僕の本能が諦めるなと告げているが無理なものは無理だ。そして僕は目を閉じる。

しかし目と閉じた瞬間男の叫び声が森の中に木霊する。僕は目を閉じていたがいつまでたってもその攻撃は僕にあたる気配がしない。そして、恐る恐る目を開けてみるとそこには腰から半分に分かれている熊らしきものの死骸と数人の人間。その人間たちは何かを喋っているようだが僕にはその言語が理解できない。

日本語でないとすると、アマゾンだから先住民とかがいるのかもしれない。そう思い僕は期待のまなざしで彼らを見る。そして、言葉が通じないのでジェスチャーで今の気持ちを表現しようとするがその思いは伝わることはない。

そこで僕は仕方なしに感覚を研ぎ澄ませてその会話内容を読み取ろうとすると会話が打ち切られ短い言葉が一人の女性の口から紡ぎだされる。


「plpu kasu ngrj defr!」その言葉とともに一人の女性の口から言葉が投げ出される。

その言葉が紡ぎだされると同時に僕を中心として淡い光が周囲に広がっていく。その淡い光は暗闇に包まれた森の中を綺麗に見せてくれた。






「おい、大丈夫か小僧。怪我とかしてねぇよな」男に言われて体のあちこちを触ってみるが痛いところはない。むしろ健康そのものの体と言っても問題ないだろう。

その男はかなりの長身に加えて無駄のない筋肉。髪は太陽のように燃え盛る色、そしてこの男の特徴と言われて真っ先に喋ると思うのがその『目』。その『目』の片方の目には大きな傷跡があり、その傷跡は額から口辺りにまで伸びている。一見強面ではあるが、声はかなり渋い。

そこで僕は立ち上がり、その男に一つの礼をし、この場所がどこなのか聞いてみる。


「すいません。ここはいったいどこなのでしょうか?」その言葉に男たちは頭でも狂ったのか?というような顔をしながらしぶしぶ答える。


「…ここは竜渓谷の近くの竜樹海だ。そんなことも知らないでここに入ったのか?」その男の後ろで馬鹿かなどと聞こえるがそのことは聞かなかったことにしよう。

そして僕は先ほどの言葉の内容を少しばかり思い出してみる。……竜?さっきそこの男は竜といったのか?


「……竜ってあの空を飛ぶ伝説の生き物ですか?」すると男たちはまた怪訝そうな顔をすると一泊おいて頷く。

竜……。それは伝説などに出てくる幻の生物。その威力は単体で中規模の都市を壊滅させるだけの力と、中規模の城のような大きさを持つ怪物。そう、化け物。それはここにいると男たちは言ったのだ。


「…この世界の名前は?地球…ですよね?」すると男たちはついに痺れを切らしたように怒鳴る。


「お前は一体何なんだ?この世界の名前?ウラノスに決まってるだろ!チキュウ?なんだそれは一体どこの国だ!?」


ハハ、そうか…ようやく理解した。どうして俺がこんな森の中にいたのか、竜などがいるのかと言うことが。

そう、ここは『異世界』なのだろう。ウラノス…全く聞いたことのない惑星の名前だ。

畜生…騙されてたぜ。『夢』なら覚めるだろうが生憎これは『現実』なのだから。僕は自分の顔をつねってみるが痛い。近くにある木を殴ってみても痛い…。そう…すべては『現実』これはまぎれもない事実なのだ。全くなんで今まで気づかなかったのだろうか。最初に気配が

以上にわかっていた時点で気づいておくべきだったのに。

そこで僕は腹の底から笑い声をあげた。あの高く高く手の届かない空に向かって…。




≪WEST SIDE≫



俺たちはこの『竜樹海』の中をずっと探索していた。目的はただ一つ。竜狩りをするためだ。しかし、竜はいつまでたっても出てくる気配がなく、仕方なく帰ろうとすると百メートルほど先に一人の少年がウルベアに襲われようとしてる姿を確認した。この『竜樹海』にいるくらいなのだから、あれくらい簡単に倒せるだろうと思っているとその少年はあきらめたように間を閉じやがった。そこで俺は無意識のうちにウルベアの元まで走り、腰からそいつを一刀両断にしていた。

その武器をしまい、少年のほうを見てみるとまだ目を閉じている。死んだかと思っていると今度は目を開けて辺りを見回している。…一体こいつはなんなんだ?

その少年の容姿は穢れを知らない赤子のようにまっさらな白色の髪に、均整のとれた顔。体つきは細身であるが、どこか引き締まっているようにも見える。あまり大きいとは言えないが、身にまとうオーラのようなものはなぜか大きく見える。しかし、目には生気が宿っていないように見える。


「おい、なんでウルベアも倒せないような奴がここにいるんだ。…聞いているのか?」俺の呼びかけにも全く答えようとすらしない。その反応に俺は切れそうになったが仲間にいさめられて何とか思いとどまった。すると後ろのほうからティアの声がしたのでそちらのほうを振り返るといぶかしげな顔で呟く。


「この子…もしかしたら私たちの言葉がわかってないんじゃないかな?ウェストが何言っても反応しなかった奴とかいなかったし…」その言葉に仲間の全員が驚きの表情をする。さらにティアは続けて、その少年にある呪文をかける。


「我らの言葉を繋げ給え。ピールス!」そして、俺はまだ疑い半分で少年に声をかけてみる。


「おい、大丈夫か。どこか怪我とかしてねぇよな」そう言った途端その少年は自分の体をあちこち触り始めた。そして、挙句の果てには立ち上がってここはどこだ?だと…。殺されてぇのか!

仕方なくこの場所のことを説明すると、少年はわけのわからないことを言いやがる。チキュウ?なんだそれは。


「ここはウラノスだ。チキュウ?なんだそれは?」今度は自分の顔をつねったり木を殴ったり一体こいつは何がしたいのだと。俺は眺めていると少年は突如として笑いやがった。…くそ、わけのわからん奴だ。

そして少年が笑い終わると、急に少年の目つきが変わった。なんだこいつやる気か?面白い。やってやろうじゃないか。


「…みなさん、ここに何体かの生物が近づいています。人間じゃない。…魔物モンスター?」急に何を言ってやがる。あれくらいの笑い声で魔物が近づいてくるわけがないじゃないか。そう思い魔物の気配を探ってみるが、魔物の気配は全くしない。


「おい、何嘘ついてんだ。魔物なんか近づいてないじゃないか。後ろから俺たちを襲う気か」俺の少しの脅しににも屈することなく少年は力強い声ではっきりと告げる。


「今から約三分後に5…いや8体の魔物がここに来ます」サンプンゴ?何かの暗号か?…いやまて、聞いたことがある。どこかの国の皇族のみが使用しているジカンというものがあるらしいそれはイチビョウ、イップン、イチジカンと数えるらしい。それを3に変えると…ま、まさかこいつ皇族か!?


そのことを考えていると少年は大きな声で「来ます」と告げる。すると少年のその言葉と同時に、8体の魔物が姿を現す。ウルベアよりも1段階上の魔物、トゥーレス。ウルベアのランクがDだから、こいつはCランクの魔物だ。しかし、俺たちの前に現れたことを後悔するんだな。

この少年は先ほどのを見ていてわかるから置いといて…やるか!


俺の得物は一ペアーキ(1.5メートル)ある大剣。使っている鉱石はダマスカス。そこら辺の鉄よりもはるかに硬い物を使用しているのだ。その愛用の剣『デススラック』で一体目のトゥーレスを横薙ぎする。しかし、半分ほどで剣が止まり死にまでは至らない。さすがはCランクそうそう簡単には死なないか。すると後ろからティアが火属性の『ベェルファイア』をすかさず打ち込む。そして一体目は終了。

ティアの容姿は、濃いめの茶色で腰まで届くというくらいの長い髪。モデルと見間違うかと言うくらいの顔とスタイル。着ている服も戦闘向きと言うかは普段着のようなもので、エロかっこいいといった感じのもの。女性にしては少々高いくらいの身長。


続いて2、3体目。そいつらの攻撃を軽く剣でいなしながら後ろに回り込み、脊髄を切る。そしてそのままの反動でもう一体を袈裟切りする。そして、振り下ろした剣を軸として腹部に蹴りを叩き込む。そして、そいつが飛んだ方向には俺の仲間のキースがハンマーを構えて待っている。キースのところまで飛んでいくと、タイミングよくハンマーを振り下ろす。横幅が一ぺーキ(50センチ)ある体が半分以下にまで凹む。そして絶命。残りは5体。すると、あの少年のほうへと一体が走っていく。そして、噛みつこうとした刹那コモスが助けに入った。

キースの容姿は髪が全くない坊主に、顔はごつい。ハンマー使いと言うだけあって顔もそれに近いものがあるだろう。体つきはかなりいい。かなりの大きさのハンマーを使いこなしているくらいだから当たり前と言えば当たり前なのだろうが。


コモスの容姿は森と同じ深い緑色で、背中まである髪を紐で一つに束ねている。顔は中の上。街中を歩いていれば数人の女は必ず振り向くであろうというもの。体つきは大きくもなく小さくもない。いわば平凡。と言ったところであろう。


コモスは何回か回避すると今度は攻め手へと打って出た。コモスは、襲い掛かってきた魔物の攻撃をよく見ると、右目に剣を突き刺すと、今度は引き抜いて口の中に剣を入れ、それを下へと切り下す。そして、そいつは絶命。その光景をほかの仲間も食い入るように眺める。


それからはウェストたちの圧倒的な勝利だった。

残り4体もウェストが危険だと感じ、一斉に襲い掛かるが、ウェストはその場をジャンプする。すると、急に止まることのできない魔物は一斉に頭をぶつけて混乱する。そしてその隙をついて、一体の頭を切断。次の奴は、両足を切断し立てなくすると放置。その放置していた魔物をティアが火属性の魔法で焼き殺す。その次はコモスが一転突破を狙ったのかジャンプすると脳天にまっすぐ剣を突き刺すが、その攻撃は紙一重でかわされてしまう。しかし、剣を突き刺した直後に素早い動きでトゥーレスの脊髄にこぶしを叩き込み、心臓に剣を差込み命を刈り取る。最後の一体はウェストが遊ぶようにいなしていると、ウェストが急に倒れた。…かと思うと、上から襲いかかってくる魔物の重みを利用して剣を突き立てて終了。


その光景を少年は何もすることなくただただ傍観していた。そして、魔物の残していくもの「魔晶」をウェストたちが集めていると、急に少年がその場を立ち去る。追いかけようとしたが何やら植えれしそうな顔をしていたのでそのようなことはやめ、アイテムの収集に精を出す。

先ほどその場からいきなり消えたかと思うと今度はいきなり俺たちの前に姿を現した。そしてその手には何か大きな『卵』が。…そう『卵』。4ぺーキスほどの大きな『卵』。よく観察するとそれは竜の卵。竜卵は金にすると50万クルス(5000万)はする代物である。


「お、おい。それはどうすんだ?売るのか?」もちろん売るだろうと思いながら聞いてみると笑顔で「育てます」ときやがった。こいつ竜騎士にでもなるつもりなのか。ウルベアも倒せないようでは到底無理だろうと思う。しかし、あの気配の察知能力はすごいと思った。俺たちでさえわからないものを発見するなど至難の業だというのにもかかわらず。



≪RYUJI SIDE≫



僕は、『異世界』に飛ばされてしまったようだ。ほんの先ほどまで埼玉にいたというのに、目が覚めると異世界。最初は夢かと思った。しかしこれは現実。

僕はどうしようもなくなって頭を空にしていたら、そんな自分がひどく滑稽に見えてきた。だから笑った。腹の底から。心の底から。


異世界に来たかと思うといきなり魔物に襲われ、竜がいるといわれ、今度は先ほどの魔物よりもレベルの高い魔物が出現。その波乱万丈ともいえるかのような今日一日僕はひどく辟易してた。

しかし、そんなこの場所で嬉しいことがあった。それは『卵』を拾ったことだ。腕の立つ男たちにその卵の中身を聞いてみるとそれは竜の卵らしい。そこで俺は思った。

こいつを育てよう。と。

それは困難が待っているだろうが、それでも僕は進もうと思う。あえてその茨道を進もうと思う。この異世界で見つけた唯一の心の安らぎになると思うから。



「おい、小僧。お前名前は?…俺はウェスト。この魔術師がティア。それから、この両剣を使用しているのがコモス。そしてハンマー使いがキースだ」男たち、いやウェストたちの軽い自己紹介を聞いて僕も一応助けてもらった身だから名前を名乗る。


「僕の名前は龍次。岸本(きしもと) 龍次(りゅうじ)だ。先ほどは助けてくれてありがとう。いくら感謝を言っても足りないくらいだよ。恩返しをしたいんだけど…」僕の言葉を遮るようにウェストが言葉を口に出す。


「恩返しだと…?ウルベアいったいも倒せないような奴に何ができるっていうんだ」その言葉は僕の心をひどくえぐった。しかし、助けてもらった身なのに恩返しをすることもできないなんて爺ちゃんが知ったらたぶん殺されるだろうな。だが、ウェストの言っていることも事実だと思う。

そう、僕は弱いんだ。誰かに依存しなくちゃ生きていけないような貧弱なやつなんだ。だから強くなりたい。誰でも助けれるような強い人間に。最強の人間に。

そう、僕は心の中で決意をすると急に頭の中に言葉が響きわたる。


『汝、この異世界で汝がするべきことは何か』


…僕がこの異世界ですることは強くなること。帰りたいなんて思わない。だから力が欲しい。誰よりも強く、誰よりも優しい力が。


『力を手に入れなんとする』


…自分以外に誰かのために。さっき僕を助けてくれたあの人たちのように、誰かを助けたい。


『……例え誰に裏切られようとも、か』


…例え誰に裏切られようとも


『ならば、求めよ。汝の力の形を。さすれば与えよう。汝の汝だけが思い描く力を』


…僕の力の形は、包み込む強さ。何もかも暖かく包み込む強さ。慈愛に満ちた聖母が人々を見守る様な包み込む力。


『与えよう包み込む力を。そして、貴様はこれより我、『ファウスト』の信仰者としてその力を振るうがよい。そして、声高く言うがよい。『レストレイル』と』


…あぁ、受け入れよう。その力をそして言おう。


『レストレイル』



いかがだったでしょうか?

楽しく読んでいただいたら幸いです。

誤字脱字があったら知らせてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ