午前00時30分
今一番解決しなければいけない問題がここにある!!空想ミリタリーの力やいかに!こうご期待!
登場人物
·コードネームD 隊長 少佐
生真面目な性格
特技:読心
·コードネームS 副官 大尉
上と下をつなぐパイプ役
特技:高々度ドローンとリンクした超遠距離射 撃
·コードネームR 斥候 中尉
ムードメーカー
特技:機械式日本刀
·潜水艦艦長 大佐
·某国総督
*隊員は基本装備『光学迷彩』着用
某国の海岸線より50km沖合いにそれはあった。全長263m、日本帝国が誇る『超大型原子力潜水艦』その名は『ヤマト』。しかしその存在は誰の目にも検知されない。艦の装甲はすべて光学迷彩で覆われているからである。
午前00時00分、艦の中で最終ミーティングが行われていた。
D『我々の目的は、拉致被害者の救出とそれに伴う重要データの確保だ。』
D『役割りを説明する。Sは全体を見わたせる場所を確保した後、私とRのサポート。そして脱出経路の確保。』
S『了解』
D『Rは私が総督より情報を聞きだした後、拉致被害者の捜索、重要データの確保だ。私も情報の聞きだしが終わり次第、すぐそちらに向かう。』
R『了~解。でもあーしだけなんか仕事多くないっすか~。』
S『ぼやくな。帰ったら旨い飯と酒が待っている。』
R『なら、いっか~。』
D『二人共無駄話はするんじゃない。』
S&R『了解、了~解。』
D『ではこれから出発する。』
午前00時30分。本日は新月である。これより先は、闇より深い、漆黒の時間が始まる。
全員が光学迷彩に身をつつみ、ゴムボートに乗り込む。むろんこのゴムボートも光学迷彩が施されており、エンジンも電気モーターなので音はしない。静かに、そして着実に海を進んでいく。
海岸へ到着後、Sは高台を探し、DとRは総督宮殿を目指し進んでいく。
先に目的地に到着したのはSだった。高々度ドローンを飛行させ、狙撃銃をセッティングし、ドローンとリンクさせる。この銃は電磁砲を採用している為、発砲音がほとんどしない。
S『高台確保、狙撃準備完了。これよりサポートに入ります。』
D&R『了解』
DとRは暗闇に身を隠しつつ、慎重に宮殿までの歩を進めていく。帰路のこともしっかり頭に入れながら。
宮殿到着後、二人は行動を開始する。Dは総督のいる最上階へ。Rは退路を確保しつつ、Dからの連絡を待つ。
Dは慎重に、そして素早く最上階を目指す。光学迷彩の効果だこれまで戦闘といった戦闘は無かったが、総督の部屋の前に二人兵士が立っていた。後ろへ回り込むと、手刀の一撃で意識を刈りとると、そっと扉を開ける。総督はベットで寝息をたてていた。Dはベットの横に立ち、そっと総督の額に手を当てる。
静かに意識を集中させると、様々な情報が頭に流れこんでくる。総督の今までの悪行すべてである。意識を遮断したくなる情報もあったが、その中に一つの希望が見つかった。
現時点だ拉致被害者6名の生存が確認出来たのである。
D『R、拉致被害者6名の生存が確認された。場所は最重要隔離区画Zだ。通信デバイスで地図を送る。重要データも同じZ区画だ。急げ。』
R『待ってました~。』
DとRは別ルートでZ区画へ向かう。Z区画でおちあった後、一気に行動を開始するのだ。
R『隊長こっちです!!』
先に到着していたRがDを呼び止める。
R『重要データはその先!!拉致被害者はその奥です!!』
D『だは予定通り、私が書類などを確保。Rは拉致被害者の救出。5分でここを出る。』
R『了解!!』
RはDがデータ室に入ったのを確認して、慎重に奥へ進んでいく。
頑丈な鉄格子の中に6人はいた。
衰弱しているのか、皆俯いていたり、放心したような顔をしている。
R『みなさん、大丈夫ですか?』
一瞬、戸惑い・恐怖・理解できないといった表情をした後、改めてこちらに顔を見てくる。
R『みなさん日本へ帰れるんですよ!!私は味方です!!救出に来ました!!』
拉致被害者の顔に徐々に生気が戻ってくる。何人かは静かに涙を流している。
R『みなさんをここから出しますので少し下がっていて下さい!!』
自身の得物である『機械式日本刀』を強く握りしめる。
R『機械式日本刀、起動!!』
静かに発する声に呼応するように、刀身が唸り始める。『ブウウウウウーン』
この機械式日本刀は起動することにより、刀身が超高速で振動するのだ。超音波を発生させ、どんな硬度の物でも切断出来るのである。
R『じゃ、いくよ!!』
気合いを込め刀を振る。数秒の後、鉄格子は豆腐でも切るかのようなきれいな切断面を残し崩れさっていた。
R『さっ!!帰るよ!!』
手をとり、6人を救出していく。
皆最低限の食事などは出されていたらしく、足どりはおぼつかないまでも、自力で一歩を踏み出した。
R『隊長、こちら状況終了です!!』
D『わかった!!合流地点αにて待つ!!こちらもえらい物が出てきたぞ!!』
いつも冷静沈着な隊長もいくらか声が興奮していた。
別々の退路を慎重に進む、二人と6人。合流地点αまだ行けば、海岸線までもう少しだ。
その頃Sは海岸線に敵一小隊の影を確認していた。排除しようとこころみるが、位置的に場所が悪く、狙撃できない。隊長たちにインカムで伝えようとするも、こういう時に限って調子が悪い。そこでSは一か八かの賭けに出ることにした。
何も知らない隊長たちが動きだし、迎え撃つために場所を変えた敵を狙撃するのである。失敗すれば、死者が出るであろう賭けに出たのである。
S『みんな、すまん!!』
しかし、この作戦が現状況において最善策なのは、誰の目から見てもあきらかだ。
Sは静かに呼吸を整える。
数刻の後、何も知らずに前進していた一行は隊長の合図で停止していた。
D『静かだ。何もなさすぎる』
R『いつもと変わらないような…。』
一瞬の出来事だった。『ヒュッ!!』と風切り音。隊長のすぐ横に着弾した。
D『待ち伏せだ!!みんな伏せろ!!』
発砲はその一発だけだったが、一行は身動きがとれなくなっていた。
R『Sに連絡が通じません!!』
D『…』
しばし黙考のすえ、隊長が話しだす。
D『このままでは膠着状態だ。事態打破の為、一点突破でいく。みんな離れるな。』
D『いくぞ!!』
DとRが盾になるような形で一塊に走っていく。
『ヒュッ!!』…『ヒュッ!!』
敵の狙いは徐々に近くなっていく。
一行が半分以上を突破したあたりで、前方から別の音が微かに耳に入ってくる。
『ドサッ』…『ドサッ』…『ドサッ』
走りゆく一行の横に敵兵の死体が転がっていた。
D&R『Sだ!!』
二人とも直感的にそう感じていた。
その後も進むたびに、死体・死体・死体の数が増えていく。
Sの狙撃は完璧だった。ドローンとリンクしたレールガンシステムに撃ち落とせぬものなどないのだ。
S『サポート完了。状況終了。』
安堵した表情でつぶやく。
海岸線にて敵陣地を無事突破した隊長たちにSは開口一番、
S『すみませんでした。インカムが故障したので、みなさんを囮にした策しか思い浮かびませんでした。』
D『いや、あれが最善だった。退路確保よくやった。』
R『昼飯奢りっすね~♫』
3人に笑顔が戻る。振り返れば6人の安堵の表情を浮かべている。
一行はゴムボートに搭乗し、静かに海面を進んでいく。陸地がどんどん遠くなっていく。もう戻ってくることは決してない。
潜水艦までもう少しだ。
みな黙って前だけを向いていた。
潜水艦到着後、6人は寝室へ、3人は艦長へ報告するため移動していた。
D『………。以上がこの作戦におけるすべてです。データはこちらに。』
艦長『ご苦労。これであの6人も新たな人生を送ることが出来る。では、出発しよう。本時刻をもって作戦終了とする。本艦は速やかに本海域より離脱する。』
艦員『イエッサ!!』
その後、某国総督と某国がどういう運命を辿っていったかは、また別のお話で…。
fin




