4.Cafe Latte(23)
本日2話目です。
23.First Meeting③
「みんな、ちゃんとわかってくれたみたいだね。安心した」
樹は無邪気にそう言いながら笑った。
威圧感はまだあるが――。
「じゃ、次は朔ね。クオリティを最高のものにしてね。変な“ヌメ”っとしたのは論外だから」
水瀬朔に求めるものは、最高品質のみだと要求する樹。
「樹……わかったよ。勿論、そのつもりだったから。ということは哲平と透との連携が必須だね」
朔は深く考えず、思ったことを伝えた。だが、大きな間違いをしてしまった。
「朔、勘違いしないで。連携を取るのは、哲平と瑞葵だ。透はあくまでサブだからね」
一気に部屋の温度が下がった。
吐く息が白く色づくのではないかと勘違いするほどに。
樹の顔に、笑顔はなかった。
「え?透、じゃなくて、瑞葵ちゃん?それは……」
朔は声を震わせ、周りに助けを求める。冗談じゃなく、顔色が青い。
「樹。お前、身内だからって優遇してんじゃねえぞ!」
透がテーブルを強く叩き叫ぶ。
「ひっ!」
瑞葵は思わす体をのけぞる。
そして、瑞葵を庇うように哲平が身を乗り出す。
樹は左口角を上げ、不敵な笑みを漏らし、透に向き直った。
「透はサブだ。これは決定。身内だから瑞葵にさせるわけじゃない」
足を組みながら、ゆっくりと、言葉を丁寧に告げる。
「……だけど!」
透は納得していない。
「瑞葵を侮らないでくれるかな。俺が、瑞葵を、育てたんだ。わかるよね」
樹は、言葉を、確かめるように、わからせるように、伝える。
もう、誰も、何も、言えなかった。
「それじゃ、ミーティングは終わり。哲平、お腹すいた~」
先ほどの重苦しい空気が、一気になくなり、それぞれ微妙な面持ちで立ち上がる。瑞葵はほんの少しほっとした。
(息をするのが難しくなるなんて……。これでミーティングが終わり、よね。お腹すいたのに、食べれるかな)
言葉の応戦に疲れ、胃をさする。
次の瞬間、チリっと鋭い視線を感じて顔を向けると、透がこちらを見ていた。
……いや、睨んでいた。
「……」
瑞葵は何も言えず、下唇を軽く噛んだ。
目を逸らしたい。
でも、できない。
透から浴びせられる痛いほどの視線は、
“お前に、何ができる!”
と叫んでいた。
まるで、敵を見るかのように――。
瑞葵はもう一度お腹に手を当て、バレないようにため息をつく。
(あとで、胃薬もらおう……)
湊がフッと冷たい笑みを漏らす。
横目でその場を見ていたことは、
誰も知らない。
今日も読んでくれてありがとうございます。
明日も投稿予定です。




