4.Cafe Latte(19)
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19. 黒狼
職場復帰してから初めての休日。特に予定はなかった。
Café Latteを飲みながら窓の外を眺める。
今だに窓辺に近寄ることはできていない。
「瑞葵、今日は何か予定ある?」
樹から声をかけられて「ない」と返答すると、満面の笑みを向けられた。
「じゃあ、今日は一緒に外出しよう!」
「外出?」
「うん。友人たちと会うんだけど、瑞葵と一緒に行きたいんだ」
「私が行ってもいいの?」
「勿論!哲平も一緒だし、きっと面白いよ~」
(哲平さんも一緒なら、安心かな)
襲撃されてから、外出するときはいつも誰かが一緒に行動してくれる。
哲平さんのお父さんの巌さんが心配してくれて、いろいろと手配してくれているのだ。
昔のご令嬢でもないので、お手伝いさん?やメイドさん?を連れて買い物なんて、……視線が痛いのでしたくない。
なので、基本外出はしないようにしている。
(心配してくれているのはわかるけど、もう必要ないと思うのよね……)
嘆息をついて、冷めたCafé Latteを飲み干した。
哲平さんと合流し、向かった先は郊外の邸宅だった。
そう、……一軒家ではない。邸宅だ。
「すごく大きな家……」
思わず思ったことをそのまま口にした。
「あ~、そうだな。ここは親父の実家なんだ」
(哲平さんのお父さんの実家?そんなところに来てもいいの?)
キョトンとして左に少し頭を傾ける。
「ここなら庭も広いし、ゆっくりできる」
「えっと、散歩もしていい?」
おずおずと尋ねる。
「勿論だ。よかったら一緒に見て回ろう。案内する」
「お、お願い、します」
「ああ」
甘い笑顔の哲平さん。
(実家がお好きなのね)
哲平の気持ちなど知らない天然の瑞樹。
「報われる時が来たらいいね」
樹はボソッと哲平につぶやく。
客間に案内されると何人かの人がすでに来ていた。
「待たせたな」「本当に~」とご友人同士の会話が続き、瑞葵は端に寄ってやり取りを見ていた。
(仲が良さそう。うらやましい……けど、私には難しいな)
樹や哲平の素の顔を見せているということは、気を許せる人だということ。
自分には数人しかいないので、うらやましく思う瑞葵だった。
「瑞葵、おいで。紹介するよ」
樹に呼ばれ、そばに寄る。
「俺の妹の瑞葵。可愛いでしょ。誰も手を出さないでね」
「お兄ちゃん……」
(心配性なのよ~。誰も手を出さないのに)
ふぅとため息をつき、改めて自己紹介をすることにした。
「妹の瑞樹です。兄がいつもお世話になっています」
「初めまして、瑞葵ちゃん。よかったら瑞葵ちゃんも一緒に俺たちのチームに入らない?」
「チーム、ですか?」
「そう、俺たちのゲーム制作チームに」
「え……。それって――」
「そう、黒狼へようこそ」
黒狼、
――それは樹と哲平とその友人で作った、最初のゲーム制作チームだ。
明日も1話投稿予定です。




