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飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣を歩きたい――  作者: 蒼宙 つむぎ


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4.Cafe Latte(12)

今日も1話投稿です。

ちょっと短めです。

12. 14:00 WEB会議 ~健太郎~


 14:10

 俺は瑞葵ちゃんがWEB会議に入ってくるのを待っていた。

 だが、10分経過しても入ってこない。

 デスクを“トントン”と叩いてしまう。

「……」

 腕時計を、ちらっとだけ、見た。


「健太郎、何?彼女に振られたの?」

「……別に」

「アクたんそっくりな子でしょ?あれ、この前のはないよ……嫌われたんじゃない?」

「You're too noisy!(うるさいなぁ!)」

 茶化されて、むっとした。

 でも、確かにこの前のはよくなかった。

 ――姫川ゆいさんの自分勝手な、いかにも“恋人です”と言わんばかりの発言は、

 あり得ない。


 あのWEB会議の彼女の発言後、何度も否定をその場でした。

『姫川さん、そんな発言はやめてください。あなたと俺はなんの関係もない。誤解されそうな言い方は迷惑です』

 はっきりと、否定をした。

 なのに、姫川さんには通じない。

『いやだわ、恥ずかしがって。秘密にする必要はないでしょ。お父様には私から話しておくので、心配しなくていいですからね』

『Halt die Fresse! (黙れ!)』

 かなりきついドイツ語になっていたという自覚はある。

 でも、彼女がドイツ語を話せるとは思っていなかったのでつい言ってしまった。

『そ、そんな言い方、しなくても……』

 姫川さんは目に大粒の涙を浮かべ、立ち去ったみたいだ。

『健太郎、ゆいは5か国語話せる。意外に頭いいんだ。言い過ぎだ』

『え!理解、されたのか……。だとしても、俺の言っていることは間違っていません』

 そう言うと、会議を見ていた瑞葵ちゃん以外全員が顔をしかめた――。


(あの時、彼女は、どう思ったんだろう…)

 WEB会議は、あの後ちょっとコミュニケーションについて話をして終わっている。

 瑞葵ちゃんはずっとうつむいていたので、表情も見えなかった。

 姫川さんとは何もないと言いたいが、そもそも瑞葵ちゃんに想いは伝えていないので……言えない。

 だから、今日WEB会議を二人で開こうと思った。


 腕時計で確認をする

 日本時間、14:15――、まだ繋がらない。

(おかしい。彼女は時間にルーズではない。約束を守れない時は、必ず連絡してくるはずなのに)

 嫌な予感がする。

 日本から持ってきたスマホを取り出し、哲平さんに電話をかける。

 哲平さんは3コールで出てくれた。

『健太郎、急ぎか?』

「はい。瑞葵ちゃん。いえ、山本さんとWEB会議を14:00からする予定にしてるんですが、まだ彼女から連絡もなく、繋がらなくて。俺、彼女の電話番号知らないから、哲平さんに電話しました」

『瑞葵が?……おかしいな。……健太郎、すぐ探す』

 そう言って、電話が切れた。


 俺はスマホをみぎり締めて祈っていた。

 なぜなのかはわからないけど。

 祈らずにはいられなかったんだ。


読んでくれてありがとうございます。

明日も21:00投稿予定です。

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