表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣を歩きたい――  作者: 蒼宙 つむぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/42

3.American size coffee(12)

今日は短めです。

最後まで一気に読んでください。

12.ターゲット


「おはようございます」

 健太郎が眠そうに出勤してきた。のんきに欠伸をしている。

(危機感を感じていない日本人は愚かだな)

 そう思い、ほんの少し右の口角が上がる。

(馬鹿な奴らで、こっちは仕事がしやすいがな)

 すぐに無表情に戻し、空気のような存在へと落とし込む。


「ジェシーさん。今日はTO GOテイクアウトの美味しい所教えてください~」

 ランチタイムになり、締まりのない顔で健太郎が話している。

(ジェシーが行くところは限られているから、もう一度脅しておくか。健太郎は感がいい奴だから、退場してもらう)

 どのケチャップとマスタードに仕込みをするか……と考えながら爪を噛む。苦しんでいる姿を見るのが楽しみで、笑いを止めるのが難しい。


「健太郎!こっちで食べよう。飲み物はどうする?」

「あ、自分で入れます。触らないでください」

 真顔でジェシーを制止してカウンターへ向かう二人。

(馬鹿な奴らだよ。隙だらけだ。さて、お楽しみの時間だ)

 仕込みが終わったものを手に持ち、テーブルに近づく。ご丁寧にケチャップとマスタードが出ている。

(本当に平和ボケした奴だな。世界の現状を教えてやらないとな)

 薄手の使い捨て手袋をはめた手で、持っていたものと入れ替える。

(さて、どこで見学するかな)

 これから起こることを想像して思わずにやける。


「健太郎、ここのホットドッグはケチャップとマスタードはたっぷりかけるのが一番おいしい食べ方よ!早く食べましょう!」

「ええ~。つけすぎでしょう!でも、美味しいならいいか」

 二人とも封を開けてしっかりとつけて口にする。

(さて、どっちが当たりかな~)

 コーヒーを口にしながら二人を眺める。腕時計で時間を確かめる。カウントダウン1分だ。


 ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!


 健太郎がむせだした。

(ビンゴ!おめでとう、健太郎)

 拍手喝采したいところだが我慢だ。

「健太郎!ちょっと!どうしたの?」


 ゲホッ!ゲホッ!


 苦しそうに咳き込んだ後、首に手を持っていきうつむく。

(今回はちょっと早めの効きだな。後で報告だな)


 ゲホッ!!


 大きく咳き込んだ後、膝から崩れ落ち、泡を吹き始めた。



 二人の周りに人だかりができてざわつく中、何食わぬ顔で自席に戻る。

(ああ、あの顔。最高だ!)

 デスクに肘をつき、手で必死ににやける顔を隠す。

(大声を出して嘲笑いたい)


 遠くからその様子を見ていたデニスは確信して呟く。

「ターゲットはサミル、だな」


明日も20:00に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ