3.American size coffee(4)
23:00投稿予定でしたが、思ったより早く帰れたので投稿しました。
今日は少し短めです。
4.声が聴きたい
「デニスさん、少しいいですか?」
俺は仕様書をもって午前中に気になったことを訪ねるために彼を訪れた。
「いいよ。どうした?」
「実は気になるところがありまして、質問しに来ました」
「ほう、さっそくだね。どこが気になる?」
「ここなのですが……」
仕様書をめくっていき、手を止めた。
「……」
「ん?あれ?にじんでる……?困るな~仕様書を汚しちゃ……」
「あ、俺は汚しては……」
俺は言葉を続けるのをためらった。
確かに汚れている。脂汚れ?ソース?
俺は何もしていないが、していないと言ってもそれを証明することはできない。
(どうしよう……)
途方に暮れてしまった。
「ははは。健太郎じゃないだろうね。君は綺麗好きで几帳面だから汚すことはないでしょう」
急に笑い出し、さっきとは真逆なことを言われる。
「からかわれ、ました?」
「うん。健太郎は面白そうだから、いじってみようと思ってね」
まだ、仕事初日ですが?いきなりいじるって何ですか?鬼畜ですか?
ジト目でデニスさんを見てしまう俺は悪くない。
「ごめんごめん。で、きっとこの汚れているところだろ?気になったところって」
「あ、はい。その、条件の前提が足りない、ような気がしたんです。俺の気のせいかも……とか思ったんですが」
「……」
無言で仕様書をペラペラと捲り、フォルダーを開いてスクロールする。
手が止まり、また仕様書をじっと睨んで目を伏せ、軽く息を吐いてこちらを見る。
「健太郎!いい目、している!なかなかやるな!」
「え?何が、ですか?」
「ここ、確かに足りていない。だからこの調子で頼むよ」
柔らかく笑いながらそう言われた。
(これでいいのか……)
この違和感はきっと国民性の違い。そう思うことにし、仕様書を手に自席へ向きを変える。
「……本当に、ここまで巧妙とは……。クソッ!」
後ろでデニスさんがそんなことをつぶやいていたとは知らずに。
「あ、健太郎!どこに行ってたの?」
「ジェシーさん。この仕様書汚したの、あなたですよね?ちゃんと手を洗ってください!」
声をかけてきたジェシーさんに苦言を呈した。直さないだろうけど。
「ごめんって~。今度おごるから!ね!飲みに行こうよ~」
ほら、悪いと思っていない。
「考えておきます」
あきれて適当な返事をする。
日本ではここまで疲れなかったと思い返し、ため息をついた。
サンノゼと日本の時差は約17時間だ。
みんなどうしているだろうか。
今、日本時間だと午前7時頃。
彼女は朝ご飯を食べているのだろうか。
たった1日しか経っていないのに、
彼女と話したのがずいぶん昔のような気がして辛くなる。
「声が聴きたいな」
明日はできれば22:00に投稿したいな…。
できるかな…。
いや…難しいかも。
23:00には投稿します!




