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飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣を歩きたい――  作者: 蒼宙 つむぎ


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3.American size coffee(3)

アメリカとの違いを実感する話です。

3.学ぶことが多い、のが悩み


 朝、出勤すると仕様書を渡された。これをチェックするということだろう。

 フリーアドレスのはずのデスクは、すでに固定されているようだった。空いている席に腰を下ろす。

 サーバにアクセスし、チェックするファイルを開く。思ったよりコードが少ないと感じる。


 ランチタイム直前、隣のデスクの女性から声をかけられた。

「ねえ、あなた日本から来たんでしょ?私、ジェシー。あなたは?」

「健太郎です。あの、ちょっと聞いていいですか?コードがとても簡素化している感じに見えたのですが、ここでは皆さんそうなんですか?」

「あー。この国ではいかに短くできるかが大切かな。何か気になった?」

「そうですね……。ここなんですが、条件の前提が足りないみたいです」

「足りない?どこ?……あ、ふーん。そう見えなくも、無いかな……」

「そうですか……。デニスさんに相談します。ありがとうございます!」

 そう言ってデニスさんを訪ねることにした。

「それはお昼からでもいいんじゃ無い?ランチに行きましょうよ」

 断る理由が見つからず、「はい」と頷いた。


 ジェシーさんがお気に入りのお店だと言って連れてきたところは、バーガーショップだった。

「ここはね、ボリュームがあっていいのよ!仕事するならしっかり食べないとね!」

 と言って8cmはありそうな赤いハイヒールをカツカツと鳴らしながら入っていく。

 アメリカらしいランチという感じだ。

「健太郎は何にする?私は定番のハンバーガーを4×4で。ポテトはアニマルスタイルでね~」

「4×4?アニマル?」

「そう。4×4はビーフパティ4枚とチーズ4枚よ。これが美味しいのよ!アニマルスタイルは……出てきたらわかるわ」

「はあ。俺は普通のハンバーガーとフレンチフライのセットで。……値段が一緒?」

「あ~。細かいことは気にしない!美味しければいいのよ」

 いまいち納得はいかないがここは流すことにした。

 俺が頼んだものは若干日本よりは大きいという感覚。ただ、ここまで大きいものしか見ていないから脳内がバグっていると思うが。

 だが、ジェシーさんの頼んだものはあり得ないボリュームだった。

「これ、食べるんですか?ハンバーガーですよね、これって。ポテトって、これが?え?フォークは?なし?」

 ポテトらしきものには大量のチーズしか見えないが……。もう何もかもが規格外で一気にまくしたてるかのように話してしまう。

「いいでしょ~。美味しいのよこれが!あ、ポテトは手掴みよ~」

「……」

 もう言葉が出なかった。

(この人とランチは、少し考えよう)


 なんとか食べきって会社に戻る。手が脂でテカっている気がしてすぐにトイレに駆け込んだ。

(ちょっと胃にもたれたな……。和食が食べたい)

 ハンドソープで2回手を洗い自席に戻る。するとジェシーさんが俺の使っているデスクの前で仕様書を見ていた。

「どうかしましたか?」

 声をかけると、驚いたのかビクッとして振り返った。

「あ、ううん。なんでもないわよ~。何してるのかな~って思っただけよ~」

 そう言ってツカツカとどこかへ歩いて行った。

(なんだったんだ?変な人だな)

 日本では人の仕事を見たりする人はいなかったのに、こっちでは普通なのかな?と気にするのをやめた。そんなことよりもっと気になることがあったからだ。

「ジェシーさん。俺より背が高いよな?しかも……ひげが……あった?」


 俺はジェンダーフリーの知識はあってもそれだけだ。どう対応したらいいのかわからない。

「こういう時は誰に相談したらいいんだ?」


 初めての海外出向。学ぶことが多そうだ。



明日と明後日は23:00投稿になりそうです。

すみません。

早く帰れたら、いいんですけどね……。

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