2.My first café au lait(23)
本日2話目。
小山君sideです。
23.面白い奴 ~小山駿太side~
俺は小山駿太。小さいころからなんでもソツなくこなしてしまう俺は退屈していた。何かに打ち込みたいものもなく、ゲームはそこそこ楽しめたからという理由で、就職先を唯一心が躍ったゲームのプログラマーが起こした会社にすると決心した。初めて自分から望んだことだった。
「健太郎、課題の結果、3位だったな。俺の勝ち~」
入社式で仲良くなった久遠健太郎とよくつるみ、思ったより楽しく過ごせている。
「小山、お前2位って、なかなかやるな」
そう俺に言いながら拳を突き出す。
(うん。悪くない)
そういえば最近健太郎が挙動不審だ。気になって観察していると、どうやら気になる女の子がいるらしい。
(あ、あの控えめな子ね。小動物?子リス?みたいな子だな。でも確か課題1位だった)
見た目は存在感の薄そうな雰囲気なのに、先輩たちの評価がやたらと高い。どんなものだったのか公開された情報をみたが、恐ろしいくらいのセンスの持ち主だった。勝てそうにない。見た目で判断はよくないとはこのことだ。
その子リスちゃんをずっと目で追っているので、本人以外は気が付いている……と思う。奴はまっすぐな奴だから隠せないし、隠すつもりがないのかもしれない。だが、人との距離感がやたら近いので子リスちゃんと心の距離が離れようとする。
(……)
自分から何かをするなんで無意味だから普段なら一切関与はしない。でも、健太郎は俺にとって大事な友達だから、ほんの少しだけ手助けしてやろう。何かで返してもらうけどね。
社長のチームのミーティングに健太郎が参加するようなので、俺もこっそりと覗いてみることにした。ミーティングは日本特有の“会議”の雰囲気ではないものの、“こんなものか”という感想だったので時間がもったいないと欠伸が出そうになった。だが、もう終わろうとした時、子リスちゃんの“提案”を聞いてびっくりする。間を置くというものだ。それも1拍ではなく、半拍だ。わざわざそんなことを普通はしない。
(やられた)
ここでもセンスの差を実感した。
(ああ、全くここは退屈しないな)
その後、健太郎がウザい絡みを子リスちゃんにするから、さりげない優しさを積み上げるテクニックを授けた。すると二人の空気が甘くなり、一安心する。
良かったと思っていたのもつかの間、なぜか健太郎が子リスちゃんの隣に座っている!
一瞬、引きはがしに行くかと思ったがどうやら仕事のことで健太郎が子リスちゃんに寄り添っているような気配だ。
(ここは様子見するか)
焦っている子リスちゃんを落ち着かせたり誘導させたり、成長する親友にもう俺は指導しなくてもいいと感じた。
「健太郎、いい男に成長したな」
そう独り言ちて帰ることにした。
会社を出ると、雨粒が顔に当たる。
天気予報では今夜から荒れると言っていた。
稲光を確認した俺は
走って駅に向かった。
明日も2話、頑張ります。




