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飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣を歩きたい――  作者: 蒼宙 つむぎ


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2.My first café au lait(17)

仕事に向き合う瑞葵。

頑張っています。


仕事があるので、平日は1話投稿です。

17.干からびてしまいそうです


「ミーティングを始める。まずは報告を石川」

 AM10:00。哲平社長チームのミーティングが始まった。

 ミーティングルームには他チームからも兼任してもらっているので少し大所帯。

 石川さんの報告は的確かつ無駄がないのですぐに終わってしまった。

「それじゃ、何か相談ある奴は?」

 展開で違和感があったりもっと良くしたいから変更をしたいなど、ここでいろんなことが話し合われる。いくつかの相談を話し合い、そろそろ終わるという雰囲気になったころ、新しい相談が上がった。


「社長、実は今組み立ててるところで相談が」

「池田、どうした?」

 池田さんはプログラマーで、3年先輩。1年前からこのチームで活躍している人だ。

「これを見てください。問題はないと思うのですが、何か引っかかっているんです」

 池田さんはノートPCのモニターを共有し、説明を始めた。

 参加者全員が食い入るように確認する。確かに問題はない。

「しっくりこない、ということだが、みんなはどうだ?」

 哲平が全員に意見を求めた。

「問題はなさそうですね。俺にはそう思います」

「私も、そう思う。いい感じだもの」

 次々に感想を述べていく。

 ふと、社長と目が合った。そして、口角が上がり目がものを言っている。


 “瑞葵ならどうする?”

 顎が少し上がった。


(わあ、これは私の思ったことを言えってことね)

 軽く息を吐き、少し顔を上にあげた。


(よし!)

 気合を入れて、小さく挙手した。


「瑞葵」

 哲平に名前を呼ばれ、全員が一斉に視線を向けてきた。

(落ち着け。大丈夫。ほんの少し思ったことを言うだけ)

「はい。あの、すごくきれいな組み立てで、いいと思います」

 うんうんと全員が頷く。

「あの、そこで、真ん中のところを、半拍置く、のはどうでしょうか?その、引き立つ、気がするんです」

 次にみんなの視線がモニターに集中する。


 真ん中

 半拍


 カチャカチャカチャカチャ

 脳内でキーボードを打つ音がする。


「瑞葵ちゃん!すごいわ!これだけで引き立つ!社長もそう思いませんか?」

 池田さんが声を上げ、哲平の返事を待つ。

「そうだな、引き立つ。これで行こう」

「「「はい」」」

 全員が返事をして笑顔になった。


 さっきの、この前の誰にも言わず修正をしたところと同じだった。

 間違っていたわけじゃない。

 修正というようなことでもない。

 ほんの少し足しただけ。

 時と場合にもよるけど、今回も前回も引き立った。

(ゲームが呼吸している?)

 ふと思ってしまった。

 無機質なはずのゲームは呼吸なんてしない。

 なのに、生きているかのような、そんな気がしてならない。

(どうして、こんなふうに思ったのかな)


「瑞葵ちゃん。そろそろ席に戻ろうか」

 モニターをじっと見ているようで見ていなくて、その場に私だけが座っていた。

 声をかけられるまで気が付かなかった。

「わあ、本当だ。すみません」

 苦笑いして声の主に感謝を述べ、笑顔を向けた。

 なんと、声の主は健太郎だった。

 向けた笑顔が瞬時に固まってしまった。

「いえいえ。瑞葵ちゃん、すごかったね。着眼点、俺にはなかった。勉強になったよ」

(ええ!健太郎君、いたの?)

 急に声をかけられたのもびっくりしたけど、褒められたことにもびっくりした。

 顔が熱く感じる。

「ふぇ……」

 変な声もでる。


 ああ……。

 熱くて仕方ない。

 なんで?

 なんで今なの?


 喉が渇いている

 きっとこの部屋が暑かったからだろう

 そう思いたい。

 早く冷たい水が飲みたいと思ってしまった。


ここにきて、健太郎から話しかけられます。

もういいやって思った時に限って!てやつですね。


明日も1話投稿です。

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