Day by day
昨日と違う今日、今日と違う明日。
どんなにもがき苦しんでも日々は繰り返す。
新年度。出会いと別れ。
人事異動が決まった私は、軽いショックと共にその事実を受け入れる。
「あの子になんて切り出そう?」
いつもの朝、いつもの日常。ほんの少しだけ、異変があるだけ。そう、それだけの話。
上司が朝の会で皆に伝える。
あの子はこっちに背を向けて、作業をしている。
左ひじをとん、と叩く。
振り向く。
「ひどいよ」
涙目であの子はそう言った。
「ひどい、かぁ」
そうくるとは思わなかった。
あとはいつも通り。
いつもあの子と息が合う仕事をして、お互い、楽しかった。
食事をまともに摂らずに仕事して具合が悪くなったのをあの子はいつも「ご飯ちゃんと食べた?」と心配してくれていた。
「はいこれ」
「何かしら?」
青いラッピングを開くと、四角い絵本。
「毎日がプレゼント?」
「うん。あげる」
「ありがとう」
また会いましょう、としおりに書いて挟んである。
思わず胸が熱くなった。