ぼくにもできそう『わたしは止まり木』
こんにちは、野田莉帆です。
今回はエッセイ回ということで、正真正銘の本人でお送りいたします(ご好評いただけたら、毎回エッセイを書くことになるかもしれません)。
よろしくお願いいたします。
しかしながら、わたしはごくごく普通の人間なのですね……。
日本の真ん中の愛知県で普通に生まれ育ち、普通に大学まで進学して、普通に地元の企業に就職して、普通に同僚と結婚して、普通に子どもをふたり産んで(男の子と女の子ひとりずつおります)、育児に励んでおります。
日常のなかに小さな幸せを見つけながら、これからも普通に歳を重ねていくことでしょう(きっと、そうなります。絶対、そうなります)。
なぜ、わたしがごくごく普通の人間であるかを説明させていただきますと……。
スペックが、すべて標準設定だからなのです。
身長も体重もバストサイズまでも、『日本人30代女性の平均』でインターネット検索をしていただければヒットします。
何でしたら、年収や貯金額もヒットします。
プライバシー皆無です!!!
髪型はミディアムボブ、顔面偏差値は50(というか、偏差値という名のつくものはすべて50)です。
没個性です!!!
もちろん、近視でコンタクトを愛用しています。
わたしのことは、『平均値の申し子』と呼んでください。
平均値という言葉を聞くと、良いと感じられる方も良くはないと感じられる方もいらっしゃるかと思うのですが……。
よくわからないよ、という方がいらっしゃったら、名古屋のことを思い浮かべてみてください。
『日本のへそ』と呼ばれることもある日本の真ん中に位置する名古屋は、都会といえば都会です。
田舎に住む方からしてみれば、間違いなく都会でしょう。大都会かもしれません。
しかし本物の都会である大阪や東京に住む方からは、名古屋は『大きな田舎』と呼ばれているのです。
『名古屋飛ばし』という現象は、ご存知ですか?
コンサートやイベントが名古屋で開催されなかったり、新幹線が名古屋駅に停車することなく通過したりする現象のことです。
文フリも名古屋では開催されないのです(文フリだけは開催されてほしい人生でした……)。
このように上を見ても下を見てもたくさんの方がいらっしゃるのが、平均値の特徴です。そして、わたしが住んでいるのは名古屋の中心部ではなく、名古屋近郊であるというところがより実態に近い平均値であるような気がしてなりません。
それが、わたしが『平均値の申し子』と呼ばれる所以なのです(嘘です、まだ誰にも呼ばれていません)。
そのようなわたしですから、自分ができないことはすぐにわかります。日本人女性の8割ができることはできますし、8割ができないことはできないのです。
残念ながら著名な小説家にはなれなそうですが、人生楽しく平均寿命の87.13歳まで生きることはできそうなのです。
偉大な古賀裕人さんのように愛の狩人にはなれませんでしたが、学生時代は普通に付き合ってもらっている男の子たちがいました。
学生時代のあだ名は、『みんなの妥協点』。
「まぁ、コイツでいっか。コイツにしとくか」くらいのノリで付き合ってもらっていました。
彼氏によく言われるセリフは、「莉帆といると、ラクだわー」です。
でも、男の子って……、みんないつかは羽根を広げて遠くへ飛び立ってしまうのですね……。
わたしは羽根を休ませる止まり木みたいなものでした。止まり木にずっと止まり続けて、いつまでも飛び立たない人が夫になりました。
そんな感じです。これからもゆるゆる生きたいと思います。
もうちょっとで、1時間になります。
エッセイの文字数もきっと、だいたい2000字くらいになるだろうと想像しておりました。
人間が普通の速度で文章を書くと、1時間平均2000字くらいになるのです。たぶん……。
学生時代は現代小説創作ゼミに所属していて、先生によく、「普通の人が普通の生活を書いたって、面白みに欠ける。ありふれた普通の小説になってしまうよ」と注意されていたわたしですが、今回もありふれた普通のエッセイを書いてしまいました。
ついつい、普通になってしまうのです。
最後まで、普通のエッセイをお読みくださって本当にありがとうございます。
これからも仲良くしていただけたら嬉しいです。




