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第8話 ギャルと食事

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体、法律などとは関係ありません。

 時間も夕方に差し掛かったので、腹が減った俺たちは、フードコートで夕食を食べることに


 たこ焼き、パスタ、ラーメン、ケバブなどいろんなお店が並んでいる。

 この時間帯にもなると夕飯を済ませるお客さんでいっぱいだ。


 パシャパシャ


「うん! バッチリ!」


 渡辺さんの大好物である家系ラーメンを注文し、スマホに2回それを写真に収めた。


「ここの家系ラーメン美味しいね!」


 女性もこういうもの食べるんだな。

 家系ラーメン=男の食べ物と認識していたのだが、女性も好きな人は多いのかもしれない。


もちろん俺も大好きだ。


「おいひ~。やっぱ家系は麺硬めだよね!♪」

「分かる。逆に柔らかくしてる人見たことないかも」

「あと、これあたしだけかもしれないけど、水に入ってる氷が多すぎて全然飲めなくてイライラしちゃう~」

「ははは、めちゃくちゃ氷入ってるときあるよね。なんとなく分かる」


しばらく家系あるあるを語ったところで、俺はずっと気になっていたことを訊いてみることにした。


「そういえば、渡辺ってどうしてエロ……いや、美少女ゲームをやろうと思ったんだ?」


 エ〇ゲとは縁遠いであろう渡辺がエ〇ゲーをすることになったきっかけがずっと気になっていた。


 一応周りの目があるので "美少女ゲーム" と言い換えておく。


「う~んとね、あたし小説読むの好きでよく家で読むんだけど、なんか刺激が足りなくって18禁のゲームなら

面白い作品があるかもーって思ってやったのが始まりかな?」

「へぇ~小説から入る人初めて見たよ。それに女性がエ〇ゲするってかなり珍しいと思うよ」

「やっぱりそうだよね」

「好きな作品とかある?」

「沙〇の唄とか? さよならを〇えてとか好きだよ。もう3周もしちゃった」


 結構エグイ作品だった! エ〇ゲ界隈の中ではかなり有名な作品だが、笑顔で好きと言われると色んな意味でゾッとしてしまう。

 あの作品はたしかに面白いが、好きと言われれば微妙な部類だ。

 まぁ、作品に対して思うことは人それぞれだからな。どうやら渡辺は鬱系がお好きらしい。覚えておこう。

 それにしても渡辺がPCの前でエ〇ゲのテキストをポチポチしているのは想像ができない。


 川辺もそうだが、やっぱり人は見かけによらないと言うがあんまり見た目で判断してはいけないのだと、改めて思う。


「でも、一番は『柘榴さんですよ。』の作品が好き! めっちゃ感動するよね~」

「俺もびっくりしたよ、学校で知ってる人がいるなんてさ」

「それねー。そういえば新作やった?」

「序盤だけ、前に途中でやめた作品があって、今はそれの続きやってるところ」

「超分かる~。どんなに面白くても攻略キャラが多いとプレイするモチベ下がっちゃうよね」


 エ〇ゲ話に花を咲かせる。

 少しの静寂が訪れた束の間。


「周くんって、どうしてそんなに嫌われてるの?」


 ぶうううう

 唐突な質問だったため、水を吹き出してしまった。


「なんかクラスのみんな、周くんのこと避けてる気がするんだよね~」


 それはそうだろう。理由は簡単だ。


「オタクだからだと思う……」

「えっ? それだけ?」

「うん、一般的にエ〇ゲが趣味って気持ち悪いじゃん? だからだと思う」


 エ〇ゲなんてキモオタがするゲームだと思われていても仕方がない。


「それって酷くなーい? アイドルが好きとか、アーティストが好きと変わらないのに……」

「まぁ、でも慣れたよ。最初は辛かったけど、無駄にコミュニケーションする必要ないし、それに、オタク同好会のやつらもいるしね」

「あー! それ聞いたことある! 川辺くんと内海さんだっけ?」


 どうやら渡辺もご存じのようだ。

 オタク同好会も有名になったな~。恐らくいい意味ではないと思うが。


「川辺くんは、みやっちゃんが『カッコいい』って言ってたよ!」


 みやっちゃんというのは渡辺の隣の席の「宮元」という女性だ。

 彼女も見た目はギャル。唯一渡辺と違うのは黒髪で褐色肌であること。渡辺とよく一緒にいるのをよく見る。


「へぇ~そうなんだ。あいつモテるもんな~」


 〇ね! くそ! 一気にテンションが落ちた!


「内海さんはあの眼鏡を辞めたらもっと可愛くなると思うんだよね~。どんな顔してるか知らない?」

「それが、俺も見たことがなくてさ、謎に包まれてる……」

「そうなんだ、でも海行く時に見れるかもしれないよ!」

「たしかに」


 クラス全員強制参加であれば、あいつも来るはず。期待しておこう。


 その後、オタク同好会の活動内容や、川辺と内海の事について話した。

 すまんな二人とも。会話のネタにさせてもらった。


「そろそろ帰るか~」


 時刻は19時30分を回ったので、帰宅の準備をする。


「あっ、もうこんな時間! 楽しい時間ってあっという間だね~あたし、片付けてくる!」

「おう、ありがと」


 駅のホームへ向かうと、ちょうど渡辺が乗る電車が来ていた。


「今日はありがとう。楽しかったよ」

「あたしも! 色々お話できて楽しかったよ♪」

「あっ! そーだ! 海楽しもうね♪」


 その言葉と同時に扉が閉まる。

 電車がいなくなるまで笑顔で手を振り続けた。

 

 もの凄く濃い1日を過ごした気がする。今までの人生の中で……。


 特に、共通の趣味の話ができたのもそうだが、あの美人で人気者の渡辺と一緒に買い物を楽しめた。

 こんな幸せなこと一生に一度味わえないだろう。


 俺はこの幸せを噛みしめながら到着した電車の中で眠りについた。



 今日は、周くんとお出かけをした。

 クラスの人たちは彼のことを『オタク』と呼んでいる。


 何故かみんなから嫌われている。


 あたしの趣味は読書とエ〇ゲーをすること。もちろんお洒落やメイクも大好き。

 普段男の子と話すことは多いけど、こんなに会話が弾んだことなんてなかった。

 

 今まで話した人は、自分の自慢話ばかりしたり言葉遣いが悪かったりが多かった。

 でも周くんは違った。ちゃんとあたしの話を聞いてくれるし特別扱いせず接してくれる。

 だから、とっても嬉しいし楽しかった。


 今日一緒にいて分かった。周くんはとっても優しくて、面白くて、それに……カッコイイ。


「ふふ、海、楽しみだな~♪」


 あたしは水着が入っている袋を見つめながら微笑んだ。

第一章を読んでいただき誠にありがとうございます!


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