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第4話 オタクの日常

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体、法律などとは関係ありません。

 渡辺と別れたあと、コンビニでエナジードリンクを買い、我が家に帰宅。

 手洗いうがいを済ませ、すぐさまPCの電源をいれる。


 そういえば、サマーセールでエ〇ゲが安くなってたはずだ。

 すぐさまサイトを開き作品をチェック。


「おっ! このエ〇ゲ7000円が2000円になってる。たしか萌えゲー大会で受賞してた作品だった気がするけど……」


 だが、大体割引率が高いのは糞ゲーと相場が決まっているので、今回はパス。


 エ〇ゲは基本的に値段が高いので買う時には慎重にしなければならない。

 大体名作は割引率が低い傾向にある。


 あとは、レビューの多さだ、たまにネタバレをしてくる馬鹿なレビュアーがいるのでゆっくりスクロールしながら確認するようにしている。

 ちなみに薄目で。


 基本俺が好んで買うのはシナリオゲーだ。やはりやるからにはシナリオで泣いて笑いたいしな。


 ヌキゲーなんか言語道断。というか一度もエ〇ゲで抜いたことない。


 さて、本日プレイするのはこの作品『愛を求めて三千里』という誰がどうみてもどこかで見たタイトルだが、有名なライターさんが挙って高評価してた作品で、√はいくつかあるのだが、数時間で終わる内容になっている。


 期待せずにはいられません!


「それじゃあさっそく」


 エナジードリンクの蓋を開け口に含む。

 

 テキストを読み進めていくこと――数位時間後


「うぅぅぅ」


 なんだこの展開。さすがに悲しすぎる。


 死ぬと分かっているヒロインのことを諦められない主人公。そして、ヒロインを抱くシーン。


「そうそう! やっぱりエ〇チシーンはこうでなくちゃ!」


 最近のエ〇ゲは、告白した当日に致す展開ばかりでうんざりしてたんだ。やっぱりこれでもかと愛を積み上げてからのエ〇チな展開は最高だ!


 ここからはオート機能の出番。


『椎名、大好きだよ』

『私も好きよ』


 熱いキスを交わす二人を真剣に見つめる。


「あら? 周ちゃん、何してるの~?」


 おかあさんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!

 すぐさまモニターを両手で隠す。


「ど、どうしたの? そんなに慌ててモニター隠しちゃって」


 粟井家の母降臨。


「だ、だから! ノックしてっていつも言ってるじゃん!」


 ついにばれてしまった。パッケージ版を買うと親にバレてしまう恐れがあるため、DL版で購入していたというのに……。


「周ちゃんごめんね~、驚かそうと思って……」


 彼女か! まったくこの親は……。


「てか、そのちゃん付けやめてくれよ、俺もう高校生なんだから」

「いいじゃない、ずっと昔から呼んでるから直そうにも直せないわ」


 俺が幼少期の頃からちゃん付けで呼ばれているので慣れたが、たまに外で呼ぶことがあるのでさすがに恥ずかしい。

 いまはそんなことより……。


「それにしても、可愛い子が映ってたわね。その子だれ?」

「い、いや、これは……」


 どう、言い訳をしたものか……通常の描写だったらいくらでも言い訳できたんだが、よりにも寄ってエ〇チシーンで馬鹿母が来るとは思わなかった。

 もう少し背後に警戒しておくべきだった……。一生の不覚!


「もー、早くお風呂に入りなさい。もう少しでご飯よ」

「あぁ、わ、わかったよ」


 言い訳をする間もなく部屋を出ていく母。


「助かったぁぁ」


 服を脱がす前でよかったと心から安堵した。大きくため息を吐き、気を取り直してテキストを読み進めていく。


 そして、ようやくエンディング。

 まぁ、何はともあれ、とてもいい作品だった。ヒロインは可愛いし、主人公の相棒的存在もいい奴だった。

 特にシナリオが素晴らしい。初めてプレイしたが、このライターさんの作品は今後追っていこう。


 文句を言うなら攻略不可の魅力的なサブキャラが多すぎたところだ。

 特にヒロインのお母さん。

 お母さんの癖にヒロインより可愛いとかどうなってんねん?


 あと、攻略できる一人のヒロインの名前が我が馬鹿母と一緒でとても萎えてしまった。エ〇チシーンのところなんか羞恥心えぐかったぞ!

 いそうな名前付けないでくれー! と心の中で叫んだ。


 まぁ、とてもいい作品だったことには違いないし全体的な満足感は高かった。今度渡辺に教えてあげよう。


ガチャ


「周ちゃんご飯できたわよー!」


「おかあさんんんんんんんんんんんんんんんんんんん」


こうして、粟井周一の波乱万丈な1日が終わった。


第4話、読んで頂きありがとうございます!

宜しければ、ブックマークと評価☆よろしくお願いします!

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