グレイフェズと泪、動きだす
賭け闘技に参加するためグレイフェズはカロムと受付にいて……。
……――翌日。
ここはバルギジアの町の南西側にある競技場だ。本当は闘技場なのだが国に賭け闘技のことがバレるのを恐れて施設の名前だけを変えているのである。
この競技場の中へ入ってすぐには競技者と観客……主に賭けに参加する者との受付が二ヶ所に別れていた。
どうやら左側の受付が競技者用らしい。そうそこには、グレイフェズとカロムが居て参加の申し込みをしているようである。
(早速……今日からか。楽しみ……いやいやいや絶対に勝たないといけない。それに、この賭け闘技のこともよく調べないとな)
そうグレイフェズが思っているうちにカロムは参加受付を済ませたようだ。
「これで参加申し込みは完了。試合の順番ですが、受付を締め切ったあと控室にある掲示板へ表示されます」
「なるほど……分かった。控室には俺一人で行けばいいのか?」
「そうなりますね。大丈夫ですか?」
そう問われグレイフェズは頷いた。
「問題ない」
「それなら大丈夫ですね。私は観客席の受付を済ませてきますので」
その言葉を聞きグレイフェズは頷くと左側にある通路へ向かう。
それを確認するとカロムは観客側の受付がある右へ移動した。
(ここまで順調……ですが、まだ油断できません)
受付を済ませるとカロムは別荘で待つティハイドの下へ行くため歩き始める。
▼△★△▼☆▼△
ここは何処だろう? 目隠しが邪魔で何もみえない。みえるのは微かな光だけ。
私はみえないのに歩かされていた。勿論、拘束されている。そのせいで余計に歩きにくい。
メーメルも一緒なのかな? 私一人なんてことないよね……なんか不安になってきた……ハハハ…………。
不安なので心の中で笑ってることにした。顔に出てないよねと思うも、こうしてないと涙が出てきそうなのだ。
「よくみてろよ。転ばせて怪我でもさせたら値が下がる」
「そのぐらい分かってる。それよりも、こんな狭い地下の通路を通らなきゃならないって……オレのスマートな体でもスレスレだぞ」
「…………まあいいか。お前の体格を今、協議してる暇ないからな」
そうか太ってるんだね。って……違う違う。そっちじゃなくて……狭い通路を歩いてるのか。でも、なんで……微かに光がみえるのかな?
「なんか刺がある言い方だな」
「そうか? 気のせいだろ」
「フンッ、まあいい。ここで喧嘩しても仕方ねえからな」
うん……そうそう。こんな狭い所で喧嘩したら私まで巻き添えになっちゃうよ。
「もう、そろそろだ。天井から差し込む光が強くなってきた」
なるほど、そーかぁ。だから微かに光がみえたのね。
疑問は一つ消えた。だけど何処に向かっているのか分からないため不安が募る一方だ。
「さて……あとは、この階段をのぼれば待ち合わせ場所だ」
「目隠しをしたままじゃのぼれねえんじゃ」
「俺が抱っこしていく」
えっ!?
抱っこと聞き私は「嫌だグレイがいい~」と心の中で叫んだ。
そんな思いなんて知ってもらえる訳もなく見ず知らずの男に抱きかかえられる。
そのまま階段をのぼっているようだ。
私は泣きたいのを我慢する。
「お前ばかりズルいぞ」
「これは仕事だ。それに、お前じゃ商品に手を出しかねないからな」
まだマシかと私は堪えることにする。
そうこうしているうちに階段をのぼりきったようだ。
私は床に座らされる。
何処からか数字を言ってる声が聞こえて、それがなんなのかと暫く思考を巡らせていた。
読んで頂きありがとうございます(*^^*)
『…… ――――五、四、三……』…by泪
『なんでカウントしてるんだ?』…byグレイフェズ
『そろそろ、グレイが部屋に入ってくる時間かなぁって』…by泪
『そういう事か、そんなに剣の稽古が待ち遠しいとはな。じゃあ早速やるぞ』…byグレイフェズ
『い、や、だ〜ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘』…by泪
『まあ、どこに逃げたか分かってるし……急いで追いかけなくてもいいかぁ(ーー;)……』byグレイフェズ
と、いう事で次話もよろしくお願いします(^^ゞ